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PwCコンサルティング合同会社は、6月17日(火)に表題イベントを対面で開催します。
2023-07-03
※2023年5月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーション ニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
温室効果ガス(GHG)排出量の構成は、エネルギー由来が55%、製品・食料生産で45%との試算もあり、脱炭素社会の実現には、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への取り組みが重要です。日本では2023年3月に「成長志向型の資源自立経済戦略」(経済産業省)が策定され、今後10年で2兆円の投資を行うことでサーキュラーエコノミーに関連する市場規模を国内では2030年に80兆円、2050年に120兆円とするとの成長目標が示されています。エネルギー業界においても、エネルギー由来のGHG削減への取り組みに加えて、資源循環ビジネスへの先進的な取り組みが始まっています。
サーキュラーエコノミーは、社会システムに変革をもたらし、企業の事業環境に大きな変化を促すリスクがある一方で、事業成長の機会ともなります。ただ、これは必ずしも企業単独で取り組めるテーマではなく、企業・行政・金融機関・研究機関などとの複合的かつ地理的な連携が必要であり、構想から戦略、実行までの各フェーズにおいて、以下の点が重要となります。
エネルギー業界では、電力システム改革を契機として事業ポートフォリオの多角化が進んでおり、その1つとして、ドイツのシュタットベルケ(エネルギー供給、上下水道、公共交通、廃棄物処理などの包括事業)を参考にしつつ、スマートシティ構想を含めて、地域の総合インフラサービス企業を目指すケースが挙げられます。この戦略は、事業エリアでの人口減少・産業衰退・ライフサービス低下などの地域課題の解決とともに、発電や小売りを含めた自社の事業基盤の維持・強化にも効果的であり、多面的に事業を営む経営資源の強みが活かせます。
その中でも、資源循環は廃棄物の焼却やバイオマスによる発電・熱供給事業とも親和性が高く、近い将来に大量廃棄の顕在化が予想される太陽光発電(PV)パネルや蓄電池のリサイクルなど、エネルギー業界とも親和性が高い領域です。一方で、単一の製品や廃棄物の循環だけでなく、地域全体での循環モデルを構築するためには、地域密着型のプロデュース力が重要であり、エネルギー企業には地域のコネクターハブ企業としての役割を担うことの期待も大きいと考えられます。
ある石油会社は化学会社とともに、廃プラスチックのケミカルリサイクル事業を進めています。廃プラを原料として生成したリサイクル油を原料として使用し、石油製品やプラスチック製品などを製造する計画です。両社は当該事業によりコンビナートでの脱炭素に取り組むとともに、国内での石油製品や石油化学製品に対する需要が減少傾向にある中、協業による効率的に製品を供給できる体制を整えることも目指しています。
ある電力会社は資源循環事業を展開するリサイクル企業の株式を取得し、M&Aを実施しました。この電力会社は、自社が有する豊富な経営資源と、リサイクル企業の資源循環事業に関する豊富な実績・知見などを組み合わせることで、資源循環事業をはじめとした地域課題の解決につながる新たなソリューションを提供するなど、地域の総合インフラサービス企業を目指しています。
別の電力会社は廃止した発電所跡地を、資源循環の拠点とする検討を進めています。事業実施にあたって、リサイクル会社と連携した事業会社を設立することを発表しました。同事業では、企業や地域の廃棄物を高いレベルでリサイクル・再資源化するとともに、資源循環に関する企業・社会の中長期的な取り組みに対して、産官学のネットワークを活かした研究開発、実証実験、コンサルティングなどの取り組みに対する協業・支援を行うことで、サーキュラーエコノミーを実現する新たな挑戦の場所とすることを目指しています。
PwCでは、エネルギー企業などの個別企業や自治体の資源循環型ビジネス構築に向けた戦略策定や、M&Aなどを通じた体制構築支援、具体的な地域課題の解決に向けた個別プロジェクトの実行支援など、クロスセクターかつ広域連携での循環経済を目指した社会・経済モデルの戦略立案から実行まで幅広いサービスを提供しています。
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