米国における移転価格事前確認(APA)の申請手数料の引き上げ迫る –本年7月以降約40%値上げ、2019年以降(現行比)約80~90%値上げ

2018-05-08

移転価格部ニュース
2018年5月8日

 

米国歳入庁は2018年7月1日以降、移転価格税制上の事前確認(APA)申請手数料を段階的に引き上げる予定です。ユニラテラル・バイラテラルAPAの双方が対象となります。この引き上げは2段階に渡って行われ、詳細は以下の通りです。


(第1段階)2018年6月30日以降(注1)の申請について:

  • 新規の申請: $60,000(現行)→$86,750
  • 更新の申請: $35,000→$48,500
  • 小規模APA(注2)の申請: $30,000→$42,000
  • 修正の申請: $12,500→$17,750


(第2段階)2018年12月31日以降の申請について:

  • 新規の申請:$86,750→$113,500
  • 更新の申請:$48,500→$62,000
  • 小規模APAの申請:$42,000→$54,000
  • 修正の申請:$17,750→$23,000


(注1)なお米国では、申請手数料を支払い、且つ支払いから120日以内に申請書を提出すれば、申請手数料支払日を「申請日」とみなす 「ダラーファイル(Dollar file)」制度 があります。申請をお急ぎの場合に利用可能な制度です。

(注2)(i)関連者グループの年間売上高が直近3事業年度で5億米ドルを超過しないこと、(ii)申請対象となる取引の金額が対象年度の各年度でいずれも5千万米ドルを超過しない見込みであること、(iii)申請対象となる無形資産又はその使用権の移転の総額が対象年度の各年度でいずれも1千万ドルを超過しない見込みであること、(iv)無形資産の開発に係る取り決めで発生した無形資産に係る申請でないこと、の4つの条件を満たすAPAを言います。

申請手数料の引き上げ幅が大きいため、米国でAPA申請を予定している場合には申請手数料支払いと申請書提出のタイミングには注意が必要です。