トランプ政権が税制改革案のアウトラインを公表

2017-04-27

4月26日(米国時間)、トランプ氏は政権が推進する抜本的税制改革の方向性について、経済担当補佐官のゲイリー・コーン氏らを通じて発表を行いました。 多くの項目はトランプ氏の選挙時案に沿ったものであり、制度詳細については依然として明らかになっていません。

4月26日に発表された税制改革案のアウトライン
(下線部はトランプ氏の選挙時案から変化した事項)


法人所得税

  • 法人税率を15%へ引下げ
  • パススルー事業体を通じて個人が得る所得の税率を15%へ引下げ 
  • テリトリアル税制への移行
  • 既存の累積海外留保利益の強制みなし配当課税(税率は今後協議)
  • 代替ミニマム税(AMT)の廃止 

個人所得税

  • 個人所得税率を6段階から3段階へ簡素化(10、25、35%)および最高税率引下げ(現行は39.6%)
  • 基礎控除額を2倍へ増額
  • 投資所得付加税(3.8%)の廃止
  • 各種所得控除(例えば、支払州税・地方税の所得控除)の大幅な撤廃(住宅ローン利子控除と寄附金控除は維持)
  • 遺産税(estate tax)および代替ミニマム税(AMT)の廃止


今回の発表で触れられていない項目

これまで議論されていた項目のうち以下のものについては、今回の発表では触れられておらず、今後の議会での議論を通じて明らかになっていくものと思われます。 なお、国境調整について、財務長官のムニューチン氏は、政権としては共和党ブループリントそのままの形での導入を支持することはできないものの、どのような修正が可能か議会と協議を継続する旨の発言をしています。

  • 国境調整
  • 設備投資の即時損金化、純支払利子の損金不算入
  • 育児支援の税制優遇措置
  • 累進税率の区切りとなる所得額

また、減税財源について、ムニューチン氏は、減税により達成される経済成長を通じた税収増によって賄われるといった趣旨の発言をしています。この点についても、今後どのような議論が行われ、実際に提出される法案における税率引下げ幅が決定されるか注目されます。