【BEPS対応】 国別報告事項(CbCR)を電子申告するためのCSVファイル作成についての留意点

2018-03-05

税務ガバナンスニュース
2018年3月5日

 

当法人からもご案内しておりますとおり、「特定多国籍企業グループにかかる国別報告事項」は電子送信の方法により提出することとなっていますが、国税庁のe-Taxサイトを利用してデータ送信するためには、一定の要件を満たしたXMLファイルまたはCSVファイルを納税者側であらかじめ作成する必要があります。一般的にはCSVファイルの方が技術的に作成しやすいと考えられるため、国税庁のウェブサイトにおいても、CSVファイルの作成が推奨されており、「Excelを利用したCSV形式による国別報告事項の記録手順」等でその仕様が公開されています。
国税庁:Excelを利用したCSV形式による国別報告事項の記録手順 [PDF 249KB]


とはいえ、同様にCSV作成が必要な最終親会社等届出事項の提出時に作成される付表に比べ、CbCRの方が格段にデータ量が多い上、文書IDの管理や特殊なコード入力が求められています。そのため、CSVファイルを正しく仕様通りに作成するためには、作成者自身にCbCRのデータ内容についての正しい理解と、CSVファイルを作成できる一定のシステム技術知識のいずれもが必要となります。両方の知識を兼ね備えた経理・税務担当者は、一般的には多くはないと考えられますし、仮にいたとしてもその方々はCSVファイル作成のためだけに膨大な時間を費やす可能性があり、社内で対応しようにも現実には難しいケースが多いのではないかと推測されます。

また、ようやくCSVファイルが作成できたとしても、国税庁e-Tax「多国籍企業情報の報告コーナー」から電子送信する際、情報が不足していたり、入力データになんらかの齟齬等があるために、CSVファイルを受け入れてもらえない状況になることが想定され、どこに技術的な問題があるのかを判明するためにやはり多大な時間を要してしまう可能性も残っています。

上述のような状況により、CbCRが期限内に送信できない場合、企業側への罰則規定があるため、期限内に電子送信を完了させたいというご要望は高いと存じます。当法人では、税務専門家としてのスキルをもったテクノロジーチームがサポートしており、実際に電子申告を完了している実績もございますので、システムスキルに不安をお持ちでも、貴社税務チームの支援をさせていただくことが可能です。3月末に向けて多くの皆様からのご依頼が見込まれるため、お早めにご相談ください。