OECD・BEPS最終パッケージの公表 行動2 – ハイブリッド・ミスマッチ効果の無効化

2015-10-30

BEPSニュース - Issue 31
2015年10月30日

 

2012年6月にOECD/G20により開始されたBEPSプロジェクトは、2013年7月19日に公表されたBEPS行動計画に基づき議論が重ねられ、2014年9月16日の第一次提言の公表を経て、2015年10月5日に15の行動に関する最終報告書がまとめられた最終パッケージが公表されました。

行動2は、ハイブリッド・ミスマッチの効果を無効化するための国内法上・租税条約上の措置を検討するものであり(報告書第1部(国内法関係)、報告書第2部(租税条約関係))、400頁を超える最終報告書にまとめられています。最終報告書は、2014年9月の第一次提言の勧告案を踏襲するものですが、新ルール実施の指針及び経過措置的取扱いに係る、より詳細なガイダンスが盛り込まれています。また、80に及ぶ設例では新たな課税ルールが利子等の支払いを含む取引においてどのように適用されるかを示しています。 なお、今回の最終報告書ではハイブリッド規制資本の取扱いは見送りとされ、貸し株を含む取引、CFC税制との調整等については一応の勧告案が提示されましたが、国内法の見直し等の更なる調整が今後の問題として残されています。

我が国では、2014年9月の第一次提言の勧告案を踏まえて、平成27年度税制改正により損金算入配当に係る外国子会社配当益金不算入制度の見直しが行われました。報告書第2部の勧告内容も、我が国の租税条約では既に対応済みとされています。 報告書第2部の勧告内容を取り込むための多国間協定(行動15)の締結の推進は、行動15で対応が図られることとされています。

  1. 最終報告書の勧告の概要
  2. 国内法の改正に係る勧告の概要
  3. 租税条約関係に係る勧告の概要

(全文はPDFをご参照ください。)