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2020-03-19
ASBJは、2019年7月4日、主に金融商品の時価に関するガイダンスおよび開示に関して、国際的な会計基準との整合性を図る取組みについて検討を重ねた結果として、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等を公表しました。
本改正は、「時価の算定に関する会計基準」等の公表を受け、以下の財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等について、金融商品等の時価のレベル別開示の導入など所要の改正を行っています。
(参考)
企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」等の公表(ASBJ)(日本基準のトピックス第378号)
本改正による、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等についての改正の概要は、以下の通りです。
「市場参加者」「時価の算定に係るインプット」「観察可能な時価の算定に係るインプット」「観察できない時価の算定に係るインプット」「時価の算定に係るインプットが属するレベル」の用語が定義されています(財務諸表等規則第8条第64項~第68項、連結財務諸表規則第2条第56号~第60号)。
金融商品の時価に関する事項(金融商品の貸借対照表計上額および時価など)は従来も開示が求められていましたが、所要の改正が行われています。
市場価格のない株式、出資金その他これらに準ずる金融商品については、金融商品の時価に関する事項の記載は要しません。この場合には、その旨ならびに当該金融商品の概要および貸借対照表計上額を注記しなければなりません(財務諸表等規則第8条の6の2第2項、連結財務諸表規則第15条の5の2第2項)。
また、現金および短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似する金融商品について、時価注記を省略することができる旨が追加されています(財務諸表等規則ガイドライン8の6の2‐1‐2(5)、連結財務諸表規則ガイドライン15の5の2)。
金融資産の時価のレベル別開示が以下の通り求められます(財務諸表等規則第8条の6の2第1項第3号、連結財務諸表規則第15条の5の2第1項第3号)。
ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができます(財務諸表等規則第8条の6の2第1項ただし書き、連結財務諸表規則第15条の5の2第1項ただし書き)。
また、金融商品の時価に関する事項を注記しない金融商品については、レベル別開示も不要となります。
時価で貸借対照表に計上している金融商品およびそれ以外で時価を注記している金融商品
(1)適切に区分した項目ごとの、レベルごと(レベル1、レベル2、レベル3)の時価の合計額
時価で貸借対照表に計上している金融商品およびそれ以外で時価を注記している金融商品のうち、レベル2またはレベル3に分類された金融商品
(2)時価の算定に用いた評価技法および時価の算定に係るインプットの説明
(3)時価の算定に用いる評価技法またはその適用を変更した場合には、その旨およびその理由
時価で貸借対照表に計上している金融商品のうち、レベル3に分類された金融商品
(4)時価の算定に用いた重要な観察できない時価の算定に係るインプットに関する定量的情報
(5)当該金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(6)レベル3に分類された金融商品の時価についての評価の過程に関する説明
(7)時価の算定に用いた重要な観察できない時価の算定に係るインプットの変化によって貸借対照表日における時価が著しく変動する場合における当該時価に対する影響に関する説明
(8)時価の算定に用いた重要な観察できない時価の算定に係るインプットと他の重要な観察できない時価の算定に係るインプットとの間に相関関係がある場合には、当該相関関係の内容および時価に対する影響に関する説明
上記の金融商品の時価のレベル別開示は、金融商品の時価に関する事項と同様に、個別財務諸表においては、連結財務諸表を作成している場合には記載を要しません(財務諸表等規則第8条の6の2第7項)。
四半期(連結)財務諸表においては、時価で四半期(連結)貸借対照表に計上している金融商品について、当該金融商品に関する四半期(連結)貸借対照表の科目ごとに、会社(企業集団)の事業の運営において重要なものとなっており、かつ、当該金融商品を適切な項目に区分し、その項目ごとに、当該金融商品の時価を当該時価の算定に重要な影響を与える時価の算定に係るインプットが属するレベルに応じて分類し、それぞれの金額に前事業年度(連結会計年度)の末日に比して著しい変動が認められる場合には、上記(1)および(3)の開示が求められます。また、金融商品の時価について、適時に、正確な金額を算定することが困難な場合には、概算額を記載することが認められます(四半期財務諸表等規則第8条の2第3項~第5項、四半期連結財務諸表規則第15条の2第3項~第5項)
中間(連結)財務諸表においては、年度の(連結)財務諸表に準じた金融商品の時価のレベル別開示が求められます(中間財務諸表等規則第5条の3の2、中間連結財務諸表規則第15条の2)。
市場価格の変動により利益を得る目的をもって所有する棚卸資産について、金融商品に準じた時価のレベル別開示が求められます(財務諸表等規則第8条の33、連結財務諸表規則第15条の27)。
中間(連結)財務諸表においては、年度の(連結)財務諸表に準じた時価のレベル別開示が求められます(中間財務諸表等規則第5条の22、中間連結財務諸表規則第17条の17)。
重要な会計方針の注記における有価証券の評価方法に関して、その他有価証券の時価評価を行うに際しての時価の算定方法(期末日の市場価格に基づいて算定された価額または期末前1ヶ月の市場価格の平均に基づいて算定された価額)が例示から削除されています(財務諸表等規則ガイドライン8の2‐1(2)②、連結財務諸表規則ガイドライン13‐5、中間財務諸表規則ガイドライン4、中間連結財務諸表規則ガイドライン10‐5)。
また、特定の市場リスクまたは特定の信用リスクに関して金融資産および金融負債を相殺した後の正味の資産または負債を基礎として、当該金融資産および金融負債のグループを単位とした時価を算定する場合には、重要な会計方針の注記においてその旨を記載することが求められています(財務諸表等規則ガイドライン8の2‐10、連結財務諸表規則ガイドライン13‐5、中間財務諸表規則ガイドライン4、中間連結財務諸表規則ガイドライン10‐5)。
本改正の適用時期は、以下の通りです。
| 原則 | 早期適用 | ||
| 連結財務諸表 (財務諸表) |
2021年4月1日以後開始する連結会計年度(事業年度)から | 2020年4月1日以後開始する連結会計年度(事業年度)から(※) | 2020年3月31日以後終了する連結会計年度(事業年度)から(※) |
| 四半期連結財務諸表 (四半期財務諸表) |
2021年4月1日以後開始する連結会計年度(事業年度)に属する四半期連結会計期間(四半期会計期間)から | 2020年4月1日以後開始する連結会計年度(事業年度)に属する四半期連結会計期間(四半期会計期間)から | ‐ |
| 中間連結財務諸表 (中間財務諸表) |
2021年4月1日以後開始する中間連結会計期間(中間会計期間)から | 2020年4月1日以後開始する中間連結会計期間(中間会計期間)から | ‐ |
※いずれも選択可能
本改正を四半期連結財務諸表(四半期財務諸表)から適用する場合、四半期における金融商品の時価のレベル別開示は不要となります。なお、本改正を年度末から適用した場合、翌年度の四半期においてはこの取扱いの適用はありません。
また、本改正を2020年3月31日以後終了する連結会計年度(事業年度)の連結財務諸表(財務諸表)から早期適用する場合、時価で貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表は省略することができます。その翌年度における比較情報についても同様です。
本改正の適用初年度における、連結財務諸表(財務諸表)、四半期連結財務諸表(四半期財務諸表)および中間連結財務諸表(中間財務諸表)については、新たに求められる時価のレベル別開示に関する、比較情報の記載は不要とされています。なお、本改正を年度末から適用した場合、翌年度の四半期および中間においてはこの取扱いの適用はありません。
本改正の適用初年度において、金融商品または市場価格の変動により利益を得る目的をもって所有する棚卸資産の時価の算定方法を変更した場合(遡及適用を行っていない場合に限る)には、会計基準等の改正等に伴う会計方針の変更に関する注記(財務諸表等規則第8条の3ほか)や、会計上の見積りの変更に関する注記(財務諸表等規則第8条の3の5ほか)は不要ですが、それらの注記に代えて、当該変更の内容を注記しなければなりません。
貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む)への出資については、当分の間、金融商品の時価に関する事項の記載を省略することができます。この場合には、その旨および当該出資の貸借対照表計上額を注記しなければなりません。金融商品の時価に関する事項の記載を省略する場合、金融商品の時価のレベル別開示も不要となります。
また、金融商品取引法第2条第1項第10号に掲げる投資信託または外国投資信託の受益証券、第11号に掲げる投資証券または外国投資証券その他これらに準ずる有価証券を含む金融商品については、当分の間、金融商品のレベル別開示の記載を省略することができます。この場合には、その旨および当該金融商品の貸借対照表計上額を注記しなければなりません。
このニュースレターは、概略的な内容を説明する目的で作成しています。この情報が個々のケースにそのまま適用できるとは限りません。したがいまして、具体的な決定を下される前に、PwCあらた有限責任監査法人の担当者にご確認されることをお勧めします。
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