「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」の公表（法務省）

2018-03-30

日本基準のトピックス第350号

主旨

2018年3月26日、「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」（法務省令第五号）（以下、「本省令」という）が公布されました。公開草案からの変更はありません。
本改正では、「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告‐建設的な対話の促進に向けて‐」を受け、事業報告における上位10名の株主の記載に関して会社法施行規則の改正を行うとともに、企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」を受け、繰延税金資産・負債の表示に関して会社計算規則の改正が行われます。
本省令は、公布の日から施行されます。経過措置も規定されています。

本省令の公開草案に関する意見募集の結果については、e-Govのウェブサイトをご覧ください。

本省令は、官報で閲覧可能です。

会社法施行規則の改正

金融審議会が設置したディスクロージャーワーキング・グループが公表した「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告‐建設的な対話の促進に向けて‐」（2016年4月公表）を受け、金融庁は企業内容等の開示に関する内閣府令の改正（※1）を公表しました。

本省令では、これらを受け、所定の場合において、公開会社が、事業年度の末日に代えて、株式会社が定時株主総会における議決権を行使することができる者について定めた一定の日において株式の保有割合が上位10名の株主に関する事項を事業報告の内容に含めることを許容するため、会社法施行規則（平成18年法務省令第12号）の改正を行っています。

会社計算規則の改正

企業会計基準委員会が公表した企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」（※2）を受け、金融庁は財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令（※3）を公表しました。

本省令では、これらを受け、繰延税金資産については投資その他の資産として、繰延税金負債については固定負債として区分して表示することとするため、会社計算規則（平成18年法務省令第13号）の改正を行っています。

施行期日及び経過措置

（1）施行期日

本省令は、公布の日から施行されます。

（2）会社法施行規則の一部改正に伴う経過措置

本省令による改正後の会社法施行規則の規定は、2018年3月31日以後に終了する事業年度に係る事業報告について適用し、同日前にその末日が到来した事業年度のうち最終のものに係る事業報告については、なお従前の例によります。

（3）会社計算規則の一部改正に伴う経過措置

本省令による改正後の会社計算規則については、2018年4月1日以後開始する事業年度に係る計算書類及び連結計算書類について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例によります。

ただし、2018年3月31日以後最初に終了する事業年度に係るものについては、改正後の会社計算規則の規定を適用することができるとされています。

（参考）

（※1）「「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」等の公表（金融庁）」（日本基準のトピックス343号）

（※2）「「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」（企業会計基準第28号）等の公表（ASBJ）」（日本基準のトピックス344号）

（※3）「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等の公表（金融庁）（日本基準のトピックス第348号）

このニュースレターは、概略的な内容を説明する目的で作成しています。この情報が個々のケースにそのまま適用できるとは限りません。したがいまして、具体的な決定を下される前に、PwCあらた有限責任監査法人の担当者にご確認されることをお勧めします。