「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」等の公表(金融庁)

2018-02-02

日本基準のトピックス 第343号

主旨

  • 2018年1月26日、金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」等を公表しました。
  • 本改正は、金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえ、開示内容の共通化・合理化および非財務情報の開示の充実を図るものです。また、追加型投資信託に係る有価証券届出書の翌日効力発生手続の見直しも行われています。
  • 今回の改正事項のうち、「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえた改正については、2018年3月31日以降に終了する事業年度を最近事業年度とする有価証券届出書および当事業年度に係る有価証券報告書から適用されます。

原文については、金融庁のウェブサイトをご覧ください。

http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20180126.html

改正対象

本改正の対象となる内閣府令等は以下のとおりです。

  • 企業内容等の開示に関する内閣府令
  • 特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令
  • 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令
  • 発行者による上場株式等の公開買付の開示に関する内閣府令
  • 企業内容等の開示に関する留意事項について(以下、「企業内容等開示ガイドライン」)
  • 特定有価証券の内容等の開示に関する留意事項について(以下、「特定有価証券開示ガイドライン」)
  • 開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(以下、「電子開示手続等ガイドライン」)

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえた改正

1.経緯

2016年4月に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告では、企業と投資家との建設的な対話を促進していく観点から、より効果的かつ効率的で適時な開示が可能となるよう、決算短信、事業報告等、有価証券報告書の開示内容の整理・共通化・合理化に向けた提言がなされました。当該提言を受け、有価証券報告書等の記載事項について改正が行われました。

また、このほかにも、金融庁・法務省は2017年度中を目途として速やかに、企業から指摘された事項について、共通化への対応を行うとしています。

(参考)
「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組について」の公表(内閣官房・金融庁・法務省・経済産業省)(日本基準のトピックス第341号)

2.開示内容の共通化・合理化

(1)有価証券報告書および事業報告における大株主の状況に係る記載の共通化

有価証券報告書等の「大株主の状況」における株式所有割合の算定の基礎となる発行済株式について、議決権に着目している事業報告と同様に自己株式を控除することとし、両者の記載内容が共通化されます。

(2)新株予約権等の記載の合理化

以下の点につき、合理化が図られます。

  • 「新株予約権等の状況」、「ライツプランの内容」および「ストックオプション制度の内容」の項目が「新株予約権等の状況」に統合されます。現行様式の表が撤廃され、企業の判断により過去発行分を一覧表形式で記載することが可能となります。
  • ストックオプションについては、財務諸表注記(日本基準の場合)で記載されている場合、当該記載の参照が可能となります。
  • 「新株予約権等の状況」については、事業年度末および有価証券報告書提出日の前月末現在の記載が求められているところ、事業年度末の情報から変更がなければ、後者については変更ない旨の記載のみでよいとされています。
(3)株主総会日程の柔軟化のための開示の見直し

有価証券報告書における「大株主の状況」等の記載時点を、事業年度末から、原則として議決権行使基準日へ変更することとされます。

3. 非財務情報の開示充実(「財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に係る記載の統合と対話に資する内容の充実)

「業績等の概要」および「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に統合した上で、記載内容の整理を行っています。

併せて、経営成績等の状況の分析・検討の記載を充実させる観点から、以下の2点についての記載が求められます。

  • 事業全体およびセグメント別の経営成績等に重要な影響を与えた要因について経営者の視点による認識および分析
  • 経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等をどのように分析・評価しているか

4. 公布日等

当該改正に係る内閣府令は、2018年1月26日付で公布・施行され(一部、2018年4月1日施行)、ガイドライン(企業内容等開示ガイドラインおよび特定有価証券開示ガイドライン)についても2018年1月26日より適用となります。

なお、改正後の規定は、2018年3月31日以降に終了する事業年度を最近事業年度とする有価証券届出書および当事業年度に係る有価証券報告書から適用されます。

追加型投資信託に係る有価証券届出書の翌日効力発生手続の見直し

1. 改正内容

追加型の投資信託に係る有価証券届出書の翌日効力発生のための手続における提出者からの申出が不要とされました。

2. 公布日等

当該見直しに係るガイドライン(特定有価証券開示ガイドラインおよび電子開示手続ガイドライン)は、2018年2月1日より適用となります。

このニュースレターは、概略的な内容を説明する目的で作成しています。この情報が個々のケースにそのまま適用できるとは限りません。したがいまして、具体的な決定を下される前に、PwCあらた有限責任監査法人の担当者にご確認されることをお勧めします。

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