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2020-02-05
政府は、R&D税恩典の改正を導入する2018年度連邦予算案を実施する法律を再提出した。
議会に提出された措置の実質は、当初議会に上程された措置に対する上院での公聴会や勧告にも関わらず、当初提案措置と類似している。
新たなR&Dプレミアム(premium)を簡素化する改正があり、R&Dへの事業支出により多くの割合を投じる法人に報いることで、初期的R&D投資により大きなプレミアムを提供する。また、開始日は、2019年7月1日以後開始所得年度まで延期される。
2019年12月5日、政府は、2019年度財政法改正(R&D税恩典)法案(Treasury Laws Amendment (Research and Development Tax Incentive) Bill 2019)を議会に提出した。本法案は、2019年の連邦選挙の際に時間切れとなった、政府の2018-19年度連邦予算案を実施する従前法案の改訂版である。今回議会に提出された措置は、若干の調整はあるが、実質的に当初提案と同じである。
新提案では、一般に、総売上が20百万オーストラリアドル未満のR&D事業体は、法人税率に13.5%のプレミアムを加えた率に相当する、還付可能なR&D税控除率が付与される。これは、ほとんどの小規模R&D事業体が利用可能な43.5%固定税率での還付可能な税控除に代わるもので、多くのR&D事業体が30%ではなく、27.5%(または後の所得年度ではそれ未満)の軽減税率の対象となる可能性があることを反映している。
R&D事業体が受領できる還付額は、年間4百万オーストラリアドルが上限となる。
臨床試験の支出に関する控除額は、上限に関係なく、引き続き還付可能である。
総売上が20百万オーストラリアドル以上のR&D事業体は、法人税率に、R&D支出の増加割合(incremental R&D intensity)のレベルに基づくプレミアムを加えた率に相当する、還付不可のR&D税控除が付与される。
これは、現在の還付不可の38.5%固定税率でのR&D税控除に代わるものである。新提案では、R&D税恩典を、より高いレベルのR&D割合であるより大きなR&D事業体をターゲットにしており、その他の事業体にはより少ない恩典(benefits)となる。
直近の法案では、当初提案の増加割合のレベルを修正した。現法案では、控除は以下の3段階の制度になる。
Tier |
R&D増加割合の範囲 – みなし控除(notional deduction) |
増加割合プレミアム(%ポイント) |
1 |
総費用の4%以下 |
4.5 |
2 |
総費用の4%超、9%以下 |
8.5 |
3 |
総費用の9%超 |
12.5 |
本増加割合プレミアムは、R&D事業体のR&D支出(みなし控除)が、法人の申告書上でR&D事業体の総費用の一部として報告されている場合において、R&D増加割合の範囲内で適用される。
現在の1億オーストラリアドルの支出閾値は、成立後は年間1億5千万オーストラリアドルに拡大し、引き続き恒久法(permanent feature of law)となる。2024年7月1日廃止予定だった支出閾値の政府による見直しはもはやないであろう。
以上のほか、本法案では、税恩典付与の誠実性(integrity)を向上させるための改正提案として、一般的租税回避防止規定(Part IVA)による還付可能ないし還付不可R&D税控除の否認や、同一R&D活動で政府補助等を受けている場合の恩典取戻し等がある。そのほかにも、恩典の誠実性、行政手続き、透明性を向上させる多くの提案(R&D税恩典申請者やR&D支出に係る情報の公表等を含む)がある。
出典:PwC, TaxTalk - Insights
「月刊 国際税務」 2020年2月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人常任顧問 岡田 至康 監修
ベトナムの移転価格税制の主要な特徴として、利子の損金算入制限があるが、これは多くのケースに当てはまり、税務上損金算入できる利子を納税者のEBITDAの20%に制限している。
2019年12月12日、財務省は、パブリックコメントのため、法令案をウェブサイト上で公表している。本法案では、現行移転価格法令(Decree 20)の利子損金算入制限の改正を提案している。
主要な改正提案には、以下が含まれる。
本上限は、特に、不動産などの大規模な資本投資がある企業に多大な困難をもたらしている。この点を認識し、上限をEBITDAの20%から30%に緩和することが提案されている。
法人のEBITDAでマイナスが生じる場合、本改正案では、純利子費用が完全かつ連続して、次の5年間の課税利得と相殺されるよう、税務欠損金の繰り越し規定に従って、繰り越しが認められるであろう。
公共財/サービス(public utility goods/services)を含む特定の関連者取引、公定価格(state controlled pricing)の対象になる財/サービス、および、政府が承認する関連者金融取引を免除するよう、Decree 20の対象範囲を縮小することが提案されている。
利子には、固定資産として資本化された利子も含められるであろう。
本法案は、政府の署名日からの発効となり、2019課税年度(tax year)からの適用が提案されている。本法案に係る財務省のウェブサイトを通じた直接のコメントは2019年12月15日に締め切られているが、企業は、その他のコミュニケーションルートによるコメント提出を検討することができる。
出典:PwC Vietnam NewsBrief
「月刊 国際税務」 2020年2月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人常任顧問 岡田 至康 監修
2019年11月12日、政府は、2019年規則(Regulation)第78号(GR-78)を公表した。GR-78では、特定事業セクターおよび/または地域に投資する法人が利用可能な税控除(tax allowances)に関する規則の改正について説明している。
GR-78は、2019年12月13日に発効し、従前の一連の政府規則(Government Regulations)(2016年GR第9号(GR-9)による改正後の2015年GR第18号(GR-18))を廃止する。
GR-78の主要な点は以下の通りである。
GR-78では、183の適格投資類型をカバーしている(事業分類領域(Business Classification Field/KBLIに基づく)。これには、166の指定セクターと、指定セクターおよび指定地域での17カテゴリーの投資が含まれる。指定地域で事業を行う要件は、一部の事業にはもはや適用されなくなる。
主要な税恩典は、GR-18と同様であるが、以下の通り、個別の税恩典の細部にわたる改正がある。
GR-78では、税控除申請を進めるためのオンライン申請(Online Single Submission(OSS))システムの利用を導入している(商業生産開始前に行わなければならない)。これは、納税者による事業者識別番号の申請に合わせて、または、OSSシステムによる新規事業ライセンスの発行から1年以内、となる。
なお、GR-78の税控除恩典を受けた納税者は、他の特定の税恩典の制限を受ける。
GR-78には、経過措置がある。旧GRsに基づく実施規則は、GR-78の規定に反しない限り、引き続き有効である。
最近政府は、2つの包括法(「Omnibus」 Laws)の導入を目指すことを公表している。1つ目(税関連)では、投資、自主的税務コンプライアンス、および国内・国外事業間の衡平の促進を求めている。2つ目は、インドネシアでの事業環境の改善を目標にしており、改正された積極投資リスト(positive investment list)が含まれる。
以下は、2019年11月25日の財務省のプレスリリースに基づく、包括税法案(「Tax Provisions and Concessions for Economic Consolidation」)の主要論点である。なお、これらの税法の更なる包括的な改正は、ここ数年続いている通常の改正プロセスを通じて継続するであろう。直近の公開法案によれば、本包括税法案では以下の実施が図られている。
包括税法案は、財務省により政府会合で提示されたものであり、以前の法案に、他官庁および政府機関からの意見を反映したアップデート版である。
出典:PwC Indonesia, TaxFlash
「月刊 国際税務」 2020年2月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人常任顧問 岡田 至康 監修
2019年12月5日、EU(欧州連合)は、経済金融委員会(ECOFIN)を通じて、行動規範グループ(CoCG)に、国外源泉所得免除制度のレビュー開始を要請し、非協力的な税法域に対する防御的措置(defensive measures)に関する勧告を承認した。まずは、9法域(コスタリカ、香港、マレーシア、ナウル、パナマ、カタール、シンガポール、ウルグアイ、サモア)の免除制度(金融センター)について、有害な要素が検討される。現時点で、非協力的な法域のブラックリストには8つの他の法域(米サモア、フィジー、グアム、オマーン、サモア、トリニダード・トバゴ、米バージン諸島、バヌアツ)があるが、2019年12月31日までに改正を行う追加法域のコミットメントを考慮して、本リストはレビューされる。CoCGは、EU加盟国に、少なくとも勧告された防御的措置(費用損金不算入、CFC規定、源泉税措置、利得分配に係る資本参加免税の制限)の一つを導入するよう勧告しているが、その主な期限は、2021年1月1日である。多くの措置は、G20/OECDの包摂的枠組みで検討されているデジタル化/グローバル化プロジェクトの第二の柱(Pillar 2)で示されたいくつかの提案に類似するものである。
出典:PwC, Tax Policy Bulletin
「月刊 国際税務」 2020年2月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人常任顧問 岡田 至康 監修
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