
BCP/BCMの潮流とレジリエンス向上のポイント 第5回:BCPやBCMにおける経営資源の洗い出しの進め方
BCP(事業継続計画)やBCM(事業継続マネジメント)、レジリエンスの取組みの要となる「経営資源の洗い出し」について解説します(UNITIS 寄稿)。
2023-08-16
財務モデリングとは、分析対象となる企業または事業などを抽象化して収益構造を理解し、スプレッドシートなどのツール上で四則演算などを通じて再現した上で分析を行い、意思決定およびコミュニケーションの基礎とする一連のプロセスをいい、財務モデリングの結果として財務モデルが構築される。
例えば、M&Aなどの場面においては、事業および財務に関する前提条件に基づいて、将来の各年度の財務三表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)予測が構築され、当該財務三表を基に企業価値やIRR、コベナンツ関連指標等、リターンおよびリスクに関するKPIが算定される。
前提条件を大きく分類すると、事業に関する前提条件には売上単価、売上数量、原価率、税金費用、資本的支出、運転資本回転率などの株主と債権者に帰属するキャッシュフロー(いわゆる「Free Cash to the Firm」)を計算する基となる前提条件が含まれる。一方、財務に関する前提条件には、資金調達や買収価格などに関する前提条件が含まれる。
ビジネスを取り巻く環境の変化が激しい時代においては、様々なシナリオ下における各種KPIを分析し、多角的に意思決定を行う必要がある。そこで、スイッチ1つでシナリオを切り替えて分析したり、シナリオ間のKPI比較を容易に行うことができるようにすることも財務モデリングの重要な要素である。
財務モデルを構築することは、上述の通り、以下のようなメリットがある。
このように、財務モデリングおよびその結果として構築される財務モデルは、分析対象の価値構造の理解を促進する側面を持ち、また、各種専門家の成果物を集約すると共に、その結果が定量的な意思決定やコミュニケーションを行う上で必要不可欠である。このような意味において、財務モデリングはディールを検討するにあたって不可欠な血液のようなものである。
昨今、東京証券取引所より「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」が公表され、いわゆる「PBR1倍割れ改善要請」として話題になっている。このような環境下で、様々なシナリオにおける企業の価値やその他KPIを定量的に分析することを可能にする財務モデルを用いた意思決定の重要性が増してきている。
以上のようなメリットと重要性を持つ財務モデルの代表的な活用例を例示すると以下の通りである。
このコンテンツはPwCアドバイザリー合同会社のプロフェッショナルによるM&A情報・データサイトMARR Onlineへの寄稿記事です。詳細はこちらからお読みください(有料)。なお、執筆者の肩書などは執筆時のものです。
BCP(事業継続計画)やBCM(事業継続マネジメント)、レジリエンスの取組みの要となる「経営資源の洗い出し」について解説します(UNITIS 寄稿)。
トランプ米国大統領の就任以降、DEI(多様性・公平性・包括性)への取り組みの見直しや縮小の動きがみられます。「DEIバックラッシュ」と呼ばれる反DEIの動きに対し、日本企業がどう向き合い、どう対応すべきかについて考察します。(日刊工業新聞 2025年3月27日 寄稿)
本稿では、海外税制(米国、EU、ベトナム、国連)の動向を解説しています。(月刊国際税務 2025年4月号 寄稿)
近年多くの企業がクラウドを採用し、ITインフラストラクチャーの効率化とコスト削減を目指していますが、期待に反して従来のオンプレミス環境よりもコストが増加してしまうケースが散見されます。この状況に陥る原因と解決法について具体例を交えて解説します。(ZDNET Japan 2025年4月17日寄稿)
2025年のプライベート・キャピタルにおけるM&Aは、業界を統合するような取引や業界の再編によって2024年来の世界的に活発な活動が継続し、加速すると予想されます。
2025年の産業・サービス分野におけるM&A活動は、企業がポートフォリオの拡大、再編、洗練に向けた取り組みを強化していることから、成長へ向かうことが見込まれます。
M&A市場の成長の足枷となっていた経済的、地政学的な不確実性が解消されつつあり、世界のM&A市場は再び上昇基調に戻る兆しを見せています。しかし、今後1年間、ディールメーカーはいくつかのワイルドカード(不確実な要素)を注視する必要があります。
2025年の不動産業界におけるM&Aは、投資家やユーザーの建築環境への新たな関わり方によって拍車がかかると見込まれます。