
【新型コロナウイルス感染症に係るCFOの検討事項シリーズ】資金計画の変更
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から資金計画の変更を検討する企業が増加しています。借入条件の緩和やコミットメントライン契約などに関する会計上のポイントを考えます。
企業は、債務保証契約などにおいて、被保証者である第三者の財政状態の悪化に伴い債務を負う可能性があります。
企業が原材料などの長期購入契約を締結している場合、市場価格の下落や販売市場の縮小により損失が見込まれる可能性があります。
企業は、早期退職制度や派遣契約の打切りに伴う補償金などの債務を負う可能性があります。
※1 東証一部上場企業の有価証券報告書における開示件数(2018年度。PwCあらた有限責任監査法人調べ)
※2 ''OECD updates G20 summit on outlook for global economy''
(OECD ウェブサイト:2020/3/27公表、2020/4/15更新)
※3 ''ILO Monitor: COVID-19 and the world of work 2nd edition''(ILO ウェブサイト:2020/4/7公表)
リスクへのエクスポージャーが大きく変化する中、有価証券報告書の【事業等のリスク】などの非財務情報への関心が高まっています。企業は、資金調達、仕入、雇用、税務などのさまざまな分野におけるリスク要因を再検討し、財政状態や経営成績に影響を及ぼしうる事項を偶発事象として識別しなければなりません。
偶発債務は、一般に、時間の経過とともに発生可能性と損失金額の見積りの精度が高まるため、偶発債務として識別し(必要に応じて注記)、その後、引当金として計上します(負債計上し、必要な情報を注記)。
最終的に将来事象が発生すると、債務として確定します。
日本基準には、偶発事象に関する包括的な会計基準は存在しませんが、偶発債務を負債計上すべきか、注記をすべきか、それとも特に何も開示しないかといった判断が実務においてしばしば論点となっています。
IFRSには、偶発事象に関する規定が存在し、状況に応じて一定の注記が求められます。
パートナー, PwC Japan有限責任監査法人
長谷川 友美
ディレクター, PwC Japan有限責任監査法人
過去のリーマンショックなどの外部データや事例に基づき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機に立ち向かうためにCFOが検討すべき事項やヒントとなるような情報を、シリーズでお届けします。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から資金計画の変更を検討する企業が増加しています。借入条件の緩和やコミットメントライン契約などに関する会計上のポイントを考えます。
大手企業を中心とした潤沢な内部留保を背景にM&A市場は拡大を続けてきました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮しつつ、コロナショックをチャンスに変えるM&A戦略について考えます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により資金需要が高まる中、銀行は重要な社会的使命を担います。信用リスクの観点から、各行における影響を考えます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるリスクの高まりから事業等のリスクなどの非財務情報が注目されています。財務諸表における偶発債務の識別と会計上の取り扱いについて考えます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって、企業は株価低迷や業績不振に直面する可能性があります。コロナショックによって生じる減損損失の範囲や程度をどのように見積もるかを考えます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行は、ビジネスにも大きな影響をもたらしています。CFO(Chief Financial Officer)は難局を切り抜けるために、起こり得る事象を長期的に予測し、戦略的に舵を取っていく必要があります。過去のリーマンショックなどの外部データや事例に基づき、この危機に立ち向かうために検討すべき事項やヒントとなる情報をお届けします。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大からもたらされる危機に対し、企業は抜本的な対応を迫られる可能性があります。リストラクチャリングの方向性と留意点を考えます。