PwC Japan自動車産業セミナー ~次世代自動車が変える未来~

2016-06-30

PwCあらた監査法人 製造・流通・サービス 自動車産業グループでは、PwCグローバルおよびPwC Japanが持つ重要な情報をもとに、自動車関連企業の皆さまのお役に立てるようなさまざまなサービス提供や情報発信をしています。本コラムでは、2016年6月開催のセミナー講演『次世代自動車が変える未来』からAIの自動車業界に与える影響についてご紹介します。

PwC Japan自動車産業グループでは、毎年2回「PwC 自動車産業シリーズ~世界の自動車産業の現状と展望~」をテーマにセミナーを開催しています。今年6月では以下の内容で開催しました。

  • (講演1)次世代自動車が変える未来
  • (講演2)世界の自動車産業の今後の展望

今回はそのなかから、PwCコンサルティング合同会社 ストラテジーコンサルティング(Strategy&)白石 章二パートナーの講演「次世代自動車が変える未来」から、AIの自動車業界に与える影響について簡単に紹介いたします。
AIによる自動運転(ドライバーレス)の研究開発では、 Google が一歩リードしています。かつてのマイクロソフトとインテルがパソコン市場でそうであったように、デジタル領域ではWinner takes all (勝者がほぼ全てのシェアを獲得する)という市場特性があります。 Google は、自動運転におけるデジタル領域の勝者をめざし研究開発を進めています。
自動運転では、感知(センシング)、認知、判断・指示、制御の各プロセスがあり、さらにこれらの機能を搭載したうえで、走る、曲がる、止まるといった車の基本性能を備えた車両製造のプロセスがあります。これらの各プロセスで技術競争がくりひろげられています。
既存の自動車メーカーも自動運転の研究開発を進めていますので、将来の自動運転の領域では、図表1の3タイプのプレイヤーに分かれるのではないでしょうか。

自動運転の領域には、3タイプのプレイヤーに分かれるのではないか。勝負の要件は、どれだけ早く一定のシェアを確保してコストを下げられるか

 

【図表1】自動運転領域のプレイヤーの類型

自動運転領域のプレイヤーの類型

1つ目は、自社および系列会社で独自のシステムを開発し、これを搭載した車両を製造する『垂直統合型』です。この型で成功するためには相当の研究開発力が必要で、年間生産台数1,000万台規模の自動車メーカークラスでないと難しいでしょう。日本の大手自動車メーカーはこの型を進めていると考えられます。
2つ目は、デジタルの部分(制御プロセス含む)はメガサプライヤーが開発し、車両製造は自動車OEMメーカーが協力していく『メガサプライヤー型』があります。欧州の自動車メーカーはこちらを目指していると思われます。
一方、 Google はスマートフォンの場合と同様に、自動運転の領域でもハード分野に進出することは無く、純粋なデジタル領域のみの開発を行うと考えられます。すなわち、デジタルのハード部分および自動車製造部分は、他社と協業する『水平分業型』となります。これが3つ目になります。
どのタイプのプレイヤーが生き残るかを予測するのは難しいですが、自動車部品メーカーは、取引先OEMメーカーがどの型で進めているのか、その中で自社はどの部品に力を入れるのか、市場の状況を見極めたうえでの選択と判断が必要となります。

また、自動車業界のアフターサービスの市場規模は、車両販売の3~4倍と言われていますが、AIの自動車業界への影響は車両の開発だけではなく、アフターサービスへも大きな影響を与えます。
運転者の情報、車の稼働状況、車の運転履歴などのAI分析により、これまでにないサービス、例えば故障予兆による整備誘導、目的地での駐車場情報提供、保険料の設定などが提供できる可能性があります。すなわち、AIの活用により自動車ユーザーの動向をより深く理解することができることで、アフターサービス分野でも新たに提供できるサービスが生まれる可能性が高いでしょう。(図表2参照)

Connectedによりデータを集め、AIを活用しユーザーをより深く理解することで新たに提供し得るサービスが生まれる・・顧客が市場を牽引する

 

【図表2】データから生まれるサービスの具体例

データから生まれるサービスの具体例

今回の講演では、その他にシェアリングエコノミー、電動自動車、次世代自動車などのインパクトについても解説しました。自動車産業セミナーでは、さまざまな角度から自動車産業の分析結果をご紹介しています。次回は、2016年12月の開催を予定しています。皆さまのご参加をお待ちしています。

PwCあらた監査法人
成長戦略支援 製造・流通・サービス(MDS)本部
自動車産業グループ

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