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私は、当法人に入所する以前から、製薬企業やヘルスケア事業への参入を目指す企業に対する薬機法・健康食品規制に関する助言などのヘルスケア分野に注力してきましたが、こうした規制対応支援を弁護士のみで行うことには限界があるとも感じていました。例えば、あるヘルスケア製品が薬機法上の「医療機器」に該当するか否かは、製品の広告内容にも左右されるところですが、弁護士が毎回、メーカー企業の広告を審査することはできません。そうすると、製品の開発段階において、「医療機器」に該当しないようにするための法的整理を助言するだけでは薬機法対応としては不十分であり、マーケティング段階でも、当該法的整理との一貫性を担保できるような広告審査体制の構築を支援して初めて、十分な薬機法対応支援と呼ぶことができるのではないかと思います。もっとも、このような企業内の多数の部門に関係する体制構築支援は、組織体制に関する豊富な知見、そして、高度なプロジェクトマネジメントスキルを有するコンサルタントの協力が不可欠です。そこで、私は、コンサルタントとのコラボレーションが可能であり、スポットでの法的助言に留まらない総合的な支援を実現し得る土壌のあるPwC弁護士法人への入所の決意を固めました。
PwC Japanグループには、グループ内のさまざまなチームと部門や組織の壁を越えて協働できる仕組みがあります。私は、例えば、PwCコンサルティングのヘルスケア領域のコンサルタントに対し、クライアントの課題解決に向けた支援の前提として、再生医療等製品の臨床試験における薬機法(GCP省令・GPSP省令)、臨床研究法、再生医療等安全性確保法それぞれの適用関係などの一般的な法的知識のインプットを行うといった形で協働しています。また、PwCグローバルネットワークのメンバーファームと協働するケースも多々あります。例えば、欧州のGDPR(一般データ保護規則)をはじめとする海外個人データ保護法制への対応支援プロジェクトでは、PwCコンサルティングのプライバシー領域のコンサルタントに加えて、PwCドイツなど海外のPwCメンバーファームと連携し、プライバシーポリシーなどの法的ドキュメントと同意管理の仕組みなどのガバナンス体制をワンストップで総合的に整備しています。このように、伝統的な弁護士業務の枠に囚われない形での、さまざまなプロフェッショナルとのコラボレーションの下で、整合性のとれたアドバイスをクライアントに提供できることが当法人の魅力です。
当法人では、PwCコンサルティングなどのグループ内の他の法人と協働してサービス提供させていただく機会が多いこともあり、クライアント企業の法務部の方々ではなく、事業部の方々と直接コミュニケーションをさせていただくことも少なくありません。このため、単に「リスクは否定できない」といった法的見解を示すのみで終わらせるのではなく、法的見解を変えることはできない中で、それでもビジネスを前進させるためには何をすべきかを事業部の方々とともに考え抜く力が身に付いたと感じています。また、当法人では、クライアントの問題意識が十分に具体化されていない段階で、法的支援の提案をさせていただくことが多々あります。事前リサーチを行い、案件の進め方やタイムラインを検討し、全体的な見通しを立てることを通じて、クライアントにとって最善となる提案を模索する作業であり、時として非常に悩ましくもありますが、クライアントからご依頼を頂いたときの喜びは代え難いものがあります。こうした提案を繰り返す中で、個々のクライアントのニーズに即した法的支援の在り方を追求することができ、新たなリーガルサービスモデルを開拓するための基礎を形成することができているように感じています。
私は、ヘルスケア分野の中でも、医薬品の研究開発に特に関心を抱いており、弁護士の立場からこれを支援したいという想いで、薬機法や生命科学・医学系指針などの関連規制、医療情報の取扱いに関わる個人データ保護法制、研究開発成果を保護する知的財産分野に注力してきました。ヘルスケア分野には既に数々の素晴らしい弁護士の先生方がいらっしゃいますが、私は、引き続きこれらの分野の研鑽を重ねたうえで、これらの分野の知見、そして、PwCコンサルティングが有するビジネス・実務上の知見を掛け合わせることで、革新的な医薬品の研究開発という重要な局面でクライアントから選んでいただけるようなサービスを提供できる弁護士になりたいと考えています。
PwC弁護士法人には、一人ひとりの挑戦を手厚くサポートする風土があります。例えば、私は入所前から「ヘルスケア分野においてPwCコンサルティングと協働していきたい」と希望を伝えていたところ、入所後すぐにヘルスケア領域のコンサルタントのチームに紹介してもらいました。それ以来、同チームの週次定例会議に参加し、コンサルティング側がどのようなプロジェクトの提案を予定しているか、それらに対して私や当法人に具体的にどのような法的支援ができるかなどの定期的な情報交換を行っており、結果、多くのヘルスケア分野のプロジェクトに提案段階から関与しています。また、個人データ保護法制や知的財産は、私が入所した頃には既に当法人が扱っていた分野ですが、こうした分野についても、月次で行われるコーチ(担当パートナー弁護士)との面談において、専門性を高めていきたいという意向を伝えたところ、数多くの案件にアサインしてもらいました。私が注力しているのはいずれも、やや特殊な分野ではありますが、こうした分野でも活躍するチャンスが豊富な環境と感じています。これらの分野に関心がある方はもちろんのこと、グループ内の他の法人と協働できることをはじめ、通常の法律事務所にはない環境を最大限に活用して専門性を身に付けたい、その専門性を活かして新たな分野やリーガルサービスモデルを開拓したいといった意欲のある方と、是非一緒に当法人の可能性を広げていくことができればと考えています。