プロフェッショナルの視点

PwCアドバイザリーでの働きがい 8

K.Kishimoto(Senior Associate/Operational Improvement)
2017年入社(中途)

M&A領域に興味を持ち、PwCコンサルティングからの転籍を決めたKishimoto。IT分野の情報収集や分析、システムやITツールの統合支援を担い、M&Aを支えています。「PwCのパーパスを体現する人材になりたい」と語るKishimotoが、業務のやりがいや印象に残っている案件を紹介します。

コストの抑制とオペレーションの改善を両立させる

私はもともと、同じPwCネットワークのメンバーファームであるPwCコンサルティングで、ITコンサルタントとして課題解決支援に従事していました。データアナリティクスの専門性を磨くうちに、さらに踏み込んだ企業経営の領域で、役員クラスが抱える経営課題を解決する案件を経験したいと考え、M&Aに興味を抱くように。一方で、PwCの文化や風土は非常に自分にマッチしていたため、転職ではなく、PwCアドバイザリーへの転籍を選びました。

転籍後はPMI(Post Merger Integration)やカーブアウトDD(デューデリジェンス)に関与しました。最初の1年間は知見を広げるため、あえて強みのあるITではなく経理・財務領域を担当し、その後、主にITを担当しています。現在の業務の1つに、カーブアウトのITDDがあります。カーブアウトとは、親会社が、子会社や自社の事業の一部を戦略的に切り出して分離させる手法のこと。私は、切り離された企業・事業の買収を検討しているクライアントのパートナー、つまりバイサイドとして、対象会社のITシステムやセキュリティの有効性調査や、買収価格に反映するためのIT投資額の見積などを行っています。

また、カーブアウトによる統合後のPMI支援も担います。一般的に、カーブアウト対象の事業固有のシステムを除き、統合後はもともと属していた企業で使用していたシステムをそのまま使うことはできず、新規システムを導入するか、買い手のシステムを共同利用することになります。この導入の支援も仕事の1つですが、システムを新規導入する場合、カーブアウト対象事業の現行のランニングコストよりも大幅にコスト増となることも少なくありません。そこで、対象事業の規模感に合った別のシステムの導入をはじめとしたコストを抑えられる選択肢を提示し、スムーズな移行を支援しています。ここで留意すべき事項は、コストだけでなくオペレーションにどのような影響を与えるか、また与えたいかです。すなわち、M&Aにおけるシステム導入は、オペレーションを大幅に改善するTransformationの良い機会でもあります。私たちにはこのような期待に応える仕事が求められているのです。

PwCアドバイザリーだからこその強みと、責任の大きさ

特に印象に残っているのは、金融業の同業他社買収に伴うバイサイドのITDD案件です。この案件では、買い手が対象事業のITシステムを優れたものとして認識しており、その獲得に強い興味を持っていました。ところが、当該システムに関する情報収集・分析を進めていくと、老朽化が進んでおり、近い将来、入替が必要になることが判明したのです。そんな状況でありながら、対象事業からは十分な情報が開示されず、買収後のITシステムの対応や発生するコストが不透明な状態でした。この一大事をどう乗り切るか。プロジェクトメンバーやクライアントとの議論を経て、過去にPwCアドバイザリーが遂行した類似案件から推測するという結論に至りました。企業規模・業種が似ている案件を担当したメンバーからヒアリングし、社内のベンチマークと突き合わせて検証。結果、対象事業のバリュエーションに多大な影響を与える判断材料を、具体的な金額で示すことができました。対象会社の情報のみに依拠せず、過去の事例や知見を基に仮説を作り、クライアントに提案するという手順を踏んだこの案件は、私を一段階成長させてくれたと感じています。

大規模で高度な案件では、「甘え」が許されません。しかし、この例からも分かる通り、PwCアドバイザリーは膨大な実績とナレッジを有しており、皆で協力したからこそ無事クロージングをむかえられたと実感しています。そして、常に全力で取り組み、もがきながら前に進み続けることで、成長し、やりがいを得ることができるのだと感じています。

パーパスを体現する人材を目指して

今後の目標は、PwCのパーパスである「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」を体現できる人材になることです。信頼を構築することは、一朝一夕では不可能です。例えば、M&Aでは莫大な金額が動きますが、その金額はたった一行で表現できてしまいます。数字を見て「ここのコストを削りましょう」と判断することは簡単ですが、それは誰かが人生を賭けて臨んでいる仕事だったり、血と汗と涙の結晶だったりするのです。もちろん難しい決断が必要となることもありますが、課題に本気で向き合い続けた先にこそ、信頼が生まれると考えています。実際、PwCアドバイザリーのメンバーは、丁寧にコミュニケーションをとり、相手の立場に立った提案ができる人たちばかりです。私も年次を重ねるにつれてさらに難易度の高い案件に取り組む機会も増えていますが、どんな案件でもクライアントに最大限のバリューを届けられるよう邁進していきます。

※部署名、役職、インタビューの内容などは掲載当時のものです。