S. Iwashita
2020年入社(新卒)
「こんな会社もあるんだ」。PwCアドバイザリーへの就職活動に臨んだ際、他社にはない雰囲気にまず驚きました。私は、将来の選択肢が広がるような会社でキャリアをスタートさせたいと考え、そのためには変化し続ける社会に対応し得るスキルセットと、それを活用する視座を得る必要があると思い、総合コンサルティングファームを志望しました。その中で、PwCアドバイザリーのイベントや面接を通して、就活生一人ひとりの希望や未来にしっかり向き合い、対話しようとする誠実で温かい企業姿勢に感動し、入社を決めました。
この印象は入社後、現在に至るまでも変わっていません。当社では、入社年次に関わらず、社員が主張すれば上司や職長が意見や希望を聞いて、実際に動いてくれる「Speak Up」のカルチャーが根付いています。例えば、入社1年目のジョブローテーション中に、バリュエーションのスキルを身に付けたかったため、その分野のプロジェクトに入ることを上司に相談したことがあります。その上司は自ら1対1の面談機会を設けてくれ、すぐに上の方にかけ合ってくれました。誰でも、誰に対しても自由に声を上げられ、その声を周りが受け止めてくれる。そんな自由で柔軟な社風に感動しながら働いています。
現在は、コーポレートファイナンスという部署で、M&Aアドバイザリー業務に従事しています。クライアントから「ある企業を買収したい」「自社または自社の事業を売却したい」といった依頼を受け、買収・売却先となる候補の検討からM&Aプロセスの実行・契約締結・クロージングまで、M&Aの実現に係る全体プロセスの推進をチームで担っていく仕事です。
「会社を見る以上に、人と向き合え」。これはチームの上司がよく口にする言葉です。たとえ、過去に類似する案件があったとしても、ノウハウが確立されていても、機械的に製品を生み出せるような仕事は1つたりともなく、ほんの些細なきっかけで予想もしない事態に転がることが多々あります。ましてやクライアントにとってM&Aは、企業の存続だけでなく、経営者や働く社員の方々の命運さえも左右するような一大案件です。「もし自分が、全社員の将来をかけるような判断と莫大な資金が必要なM&Aを行う当事者だったら、それに見合うアドバイザーとして私自身を選ぶだろうか」。クライアントの重要な変化の局面に携わらせていただく立場であるからこそ、アドバイザーとしてふさわしい仕事ができているのだろうかと、常に私自身の価値を問い続ける姿勢を大事にしています。
M&Aには、幅広いバックグラウンドを持ち、考え方や要求内容も多様なステークホルダーがさまざまな形で関わり合います。以前、とある日本企業の海外子会社売却を支援させていただいたことがありましたが、その際は日本と海外メンバーファームの混成チームで取り組みました。
しかし同じPwCの従業員同士であっても、文化や立場の違いから、意見が食い違う場面が数多くありました。このように、M&Aにおいては「自分たちとは異なる考えや意見を持つ人」と対峙することを大前提に業務を進めなければなりません。そのため、関係者を1つにまとめる役割がとても重要であり、クライアントとともに悩みながら解決策を考え、合意形成を図る必要があります。案件を進める中でさまざまな壁にぶつかることもあります。それでも前向きに仕事を続けられるのは、チームメンバーやクライアントに信頼され、力になれていると感じられる瞬間が原動力になっているからです。半年、長いケースでは年単位のプロジェクトの中で築き上げた信頼関係は、プロジェクトが終わった後も大切な財産として残ります。
常に多様な視点と意見を受け入れ、尊重する。私自身も、周囲との信頼関係を築きながら仕事を進めることのできる人財に成長したいと考えています。
これから就活を考える皆さんに伝えたいことは、「ファーストキャリアが人生の全てを決めてしまう時代ではない」ということです。いま、世界において成功をおさめ、ある程度のキャリアを築いている人の多くは、決してファーストキャリアから順調にステップアップして現在に至っているわけではないと考えています。就活を始めると、「自分のやりたいことが分からない」と悩む方も多いと思いますが、自分がどういったことに楽しさを感じ、モチベーションを維持し続けられるか。その軸さえ明確であれば、自然と自分がやりがいを感じる仕事との縁に恵まれ、それが結果として「キャリア」になっていくはずです。私自身も、M&Aの知識を持たずにPwCアドバイザリーに入社し、最初はできないことが多く落ち込むこともありましたが、周りの方々のサポートを受け、少しずつできることが増えてきたと実感しています。会社や社会と向き合う前に、まずは自分としっかりと向き合い、長いキャリアの最初の一歩として、就活に臨まれることを願っています。