<スケール>と<フォーカス> これからのビジネスのレジリエンス(柔軟性)を確保するために

AIやIoTに代表されるテクノロジーの進歩や少子高齢化の影響を受けて、日本の企業を取り巻く環境は急速に変化しています。こうした流れに対応するために、多くの企業はM&Aなども活用して、海外進出や異なる業界への参入などにも積極果敢に取り組んでいます。

一方、新技術やマーケット動向に対応する形で、新しい制度や規制が生まれています。規制などに違反した場合には、多額の制裁金の支払いや禁固刑まで科されるケースもあり、各企業のビジネスの存続にも直接影響するような状況が顕著になっています。各社が伝統的に強みを持っている領域から、新しい領域へのビジネス展開を成功させるためには、各領域に応じた“備え”が必要となります。“備え”があれば、スピーディーに変化する市場の状況に柔軟に対応して、戦略目標の達成を実現し、または致命的な損失を負う前に対処することができます。

その“備え”に当たるものが、リスクマネジメント体制の構築であると私たちは考えています。PwCが起草に関わり、2017年に改訂された、COSO(トレッドウェイ委員会組織委員会)のERMフレームワークにおいても、リスクを戦略立案段階から検討しておくことで、リスクマネジメントを効果的に遂行できる体制づくりが採用されています。また、リスクマネジメント体制を効果的に機能させる上で考慮しておかなければならないのが、ビジネスのデジタル化です。既に広く認識されているサイバーセキュリティへの対応にとどまるものではありません。さまざまな情報がデジタル化され瞬時にグローバルに伝達される環境では、社内外のサイバー空間でのあらゆる情報を収集分析することで、リスクを早期に発見し、対処することが大切です。PwCでは、このような企業のリスクマネジメント活動を支援するサービスも構築し、各企業の新しい挑戦をリスクマネジメントの観点から支援しています。

COSO ERMフレームワークをめぐる最新情報

出典:COSO 「Enterprise Risk Management ‒ Integrating with Strategy and Performance」(2017年9月)

ビジネスをデジタル化し、リスクを早期発見して対処する‘備え’こそが、リスクマネジメントであり、ダイナミックに変化する市場に対応し、ビジネスの戦略目標を達成する鍵となります。

PwCコンサルティング合同会社 パートナー 野村 直秀

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