今までのキャリアと現在担当されているお仕事を教えてください。
PwCコンサルティングに入社以前は大手日系ITベンダーにて、人事ERPパッケージ導入におけるプロジェクトマネジメント、要件定義・システム設計・テスト計画/推進・移行計画などの開発作業、および開発品質の管理などのマネジメントに従事し、領域におけるチームリードを担ってきました。
入社後はHRテクノロジーを専門として、人事基幹システム構築時に変革へのスムーズな移行を実現するためのチェンジマネジメント施策企画・実行、タレントマネジメントシステムにおけるパッケージ選定、人事業務プロセス再構築、HRテックのトレンドリサーチに携わりました。
現在は、大手薬品・食品業において、人事機能高度化のためのHRテックやピープルアナリティクスを活用したIT施策の検討、また、プロフィットセンターとしてのSSCのサービスラインアップおよびパッケージ検討の企画構想を支援しています。
さらに、ダイバーシティに関するプロジェクトでは女性のキャリアプラン形成のためのインタビューからトレーニング講師も実施してきました。またプロジェクトとは別に、チーム内コミュニケーション担当として、エンゲージメント向上のためのアンケート設計からソリューション検討まで、社外向けのクライアントへの提案と同じことをチーム内で実施検証しています。また新卒採用活動の企画メンバーとして、評価基準策定やガイドライン策定をしてきました。
コンサルティング業界へ転職しようと思ったきっかけは何ですか。
前職では、本当にクライアントにとって有意義なものを提案でき提供できているのかという自問自答を繰り返していました。それは、SIerとして、既に企画が決まったものを具体化するということがミッションになっていたからだと思います。また、大企業特有の”皆が同じ方向を向いて前進し、個人の違いを認めない“という文化が肌に合わなかったのも一つの理由です。
より企画段階からクライアントが望むものを具体化し、”人を活用するための基盤作り”を提供したい、さらに”人を生かす“社会環境を作りたいと思い、人事企画、働き方改革の施策立案などのスキルを身に着けることができるコンサルファームへの転職を決意しました。
コンサルティング業界は、相当なハードワークなのではないか、という不安感はありませんでしたか?
不安はありませんでした。自分の力がどこまで通用するかを含め、どちらかというと、新しい環境に行けること、新しいメンバーと働けることでわくわくしていました。IT業界もハードだったので、実感としても、コンサルティング業界が特にハードワークだとは感じていません。むしろ、勤務時間や場所の自由さでいうと、”Any Time Any Where”(いつでも、どこでも)を体現することができ、前職よりメリハリをつけ、のびのびと働くことができています。
コンサルティングファームの中でもPwCを選ばれたのはなぜですか。
数あるコンサルティングファームの中からPwCを選んだ理由は”組織カルチャー”です。私は、自分のキャリアスキルの身に着け方で最も習得が早い方法は、その環境に身を置くことだと考えています。また、何がしたいかを明確に発信することができる”自己主張できるカルチャー”があるか、そして”この人と働きたい”と思える人材がいるかどうかも重要なポイントだと考えています。
自身が何を身に着け、何を専門としていくかという点に関しては、転職先にコンサルティングファームを選択した時点で絞り込みできていると考えていました。もう一つの重要なポイントである、”自己主張できるカルチャー”があるかどうか。”この人と働きたい””この人魅力的だな”と思える人材に出会えるかどうか。面接や社員紹介を重ねる中で一番魅力的に映ったのがPwCでした。
また、自分のスキルを向上できる機会が多々あるのものPwCの魅力だと感じています。”自己主張できるカルチャー”があるPwCでは自身のやりたいと思ったことを発信することで、適合度の高い案件に携わり、日々、成長することができています(当然、初めは自身が培ってきたスキルを100%生かして組織へ貢献し、実力を認めてもらうことも必要になりますが・・・)。
現在は社内の活動を通じて他の分野のスペシャリストたちに出会い、幅広いコミュニケーションを形成することができ、さまざまな視点を与えてもらっています。こうした業務以外の活動も、自身がバリューを発揮していくための基礎作りになると考えています。
ダイバーシティや働き方という観点から見て、PwCに限らず、コンサルタントという仕事を女性が続けることは大変だと思いますか?
コンサルタントという職業は、男女に関係なく、キャリアアップを望まなくなった時点で、続けることが難しい仕事ではないかと感じています。例えば、事業会社であれば一定の年齢を迎えた時点で、自分が今後、社内でどのようなキャリアパスを歩んでいくのかのめどが立ち、そのレベルに応じた働き方にシフトしていくというケースも多いのではないかと思います。私が所属しているテクノロジー部門には、例外的に、一定の年齢や経験を積んだプロフェッショナルな技術職に携わり続けている人がいますが、そうした働き方を認めているコンサルティングファームは少ない気がします。
また事業会社の場合は、それほど頻繁には部門異動がなく、同じメンバーが長くチームを組み続ける中で、誰が何をできるかを理解して仕事を進めることができるのではないかと思います。一方、コンサルティングファームの大きな特徴として、プロジェクトベースで仕事をするということがあります。プロジェクトごとでチームメンバーもクライアント側のメンバーも入れ替わるため、お互いを補い合うチームとして機能するのに時間が掛かるという課題があるかと思います。
つまり男女の差ではなく、コンサルタントに向いている人と向いていない人がいる、ということでしょうか。
そうです。私が思うコンサルタントに向いている人、というのはクライアントバリューを追及するスタンスを持ち続け、さらに、常に自己成長を求めて仕事に取り組むことができ、変化を心から楽しめる人物だと考えています。コンサル女性向けキャリア研修(社内)に参加した際に、同じチームメンバー全員が、キャリアにおいて”Personal Development”(自己研鑽)と”Enjoyment“(楽しむこと)を大切にしたいと考えていたことも、PwCのカルチャーをよく表しているなと感じました。ある組織の一員としてだけでなく、どこにいってでも通用するキャリアを築き上げていきたい方には、コンサルタントは非常に有効な職種だと思います。
PwCコンサルティング合同会社 シニアアソシエイト 鈴木 英理子