コーポレートガバナンス強化

大規模に事業を展開する企業にとって、企業価値向上のための重要経営基盤として、コーポレートガバナンス、特にグローバルでのグループガバナンスの高度化が不可欠になってきています。PwCでは、攻めと守りの双方向から、実効性の高いガバナンス導入を支援します。

日本企業のグローバル化に伴うガバナンス課題

多くの日本企業が、M&A等によってグローバルな事業展開を進めていますが、買収後PMIを含め必ずしも海外での経営が思うようにいかないケースも散見されます。例えば、子会社への任せ過ぎによって子会社経営陣による不正やコンプライアンス違反が発生するといったケースや、逆に、グループ本社が過剰にコントロールを進めることで、海外現地の事情を反映した機動的な事業運営ができない、海外の優秀な人材を活用できないといったケースがあります。これらの主な原因として、グループ経営方針の子会社経営陣への浸透不足、子会社経営を適正に規律付けるための人事・評価制度等も含めた仕組みやルールの不備等が考えられます。

結果として、海外子会社の経営に重大な問題が生じ、グループ企業価値が毀損した場合、グループ本社経営陣の責任が問われる事態にもつながりかねません。

グローバル化が進んだ中でグループ一体での運営を行うために、共通の方針や仕組み=ガバナンスを適切にグループ内に浸透させることの重要性は一層増しています(図1)。

グループ一体での運営には適切な グループガバナンスが重要

ガバナンス強化のための対応事項

コーポレートガバナンスの高度化に際しての要対応項目は多岐にわたりますが、特にグローバル化に伴うグループガバナンスという観点からは、以下の5つの要素(図2)が特に重要となります。

ここでいうグループガバナンスとは、「グループ会社やその経営陣への」ガバナンスを通じた各社の企業価値の向上と、「グループとしての」経営最適化によってグループ企業価値の向上の双方を達成するための一連の仕組みを指しています。

  1. グループとしての運営ルール(機関と役割権限)
  2. 親子間で合意された事業計画とKPI
  3. レポーティングとモニタリング態勢
  4. グループリスクマネジメントと内部監査
  5. グループ会社経営陣の任免・評価・報酬

企業価値向上のためには、これらの各要素を、グループ経営方針や組織体制といったその他の要素とも絡めつつ有機的に連携するように設計・導入を進めていくことが重要です。

グループガバナンス強化に 求められる5つの要素

PwCのアプローチ

グループガバナンスの強化に向けては、「グループとしての運営ルール」の再検討から着手するケースが比較的多く見られますが、各企業が直面する課題の状況に応じて適宜優先順序を付けながら検討・構築を進めることになります。また、複数の要素間での整合性を確保し、一体性を持った形で構築を行っていくことが重要です。

PwCでは、各企業の状況に応じて、それぞれの領域の専門家が適切に連携しつつ、検討ポイントごとに的確な支援を行います。特に、企業価値向上に資するべく、いわゆる守りの側面と、戦略の浸透・グループ経営の実行性確保といった攻めのガバナンスの、双方のバランスに留意しつつ支援します。

また、企業の変革と価値創造のために、「監督と執行のあり方」といったより狭義のコーポレートガバナンス領域の再検討や、M&A後のPMIにおける新規グループ会社へのガバナンス構築についても支援を行います。

PwCのサービス

グループ運営ルールの再構築

グループ運営ルールの再構築においては、①原則・方針→②基本ルール→③機能別運営ルール(本社側およびグループ会社側)、という流れで徐々に詳細化を進める形で検討・更新を進めていきます(図3)。

①の段階では、ビジネスモデルと整合した形で、ガバナンス方針として、本社とグループ会社の基本的な役割関係を必要に応じて定義し直します。

②では、①を踏まえて、いわゆる関係会社の管理規程に、グループとして行う意思決定やモニタリングの内容を反映していきます。

③においては、①や②を踏まえて、各機能領域でのグループ共通ルールの整備・見直しや、必要に応じてグループ会社側の規程の修正対応などを進めていきます。

また、これらのルールは、グループ内で繰り返しコミュニケーションを行い、各社で実効的な導入がされることを担保する必要もあります。

PwCでは、課題の特定、将来像や方針案の検討、関連するルール類のドラフト、導入・浸透のためのコミュニケーションまで、ルールの再構築に向けて必要となる一連のプロセスを一貫して支援します。

グループ運営ルールの 再構築に向けたプロセス

事業・子会社の実態把握と課題特定

具体的な問題が発生していない場合でも、海外子会社をうまくコントロールできず経営実態が見えない、買収先の管理体制やコンプライアンス体制が不安、といった場合には、グループ企業の実態調査を行うことが有用です。このような場合、まずは比較的広範に、短期間で初期的な実態調査と課題整理を行い、今後の方向性や初期的な改善策を整理した上で、領域を絞って詳細検討を進めていくことが効果的です。

PwCでは、ガバナンスに関する実態把握・課題整理の支援実績を多く有しており、①調査設計→②インタビュー・分析→③結果の取りまとめ、といった一連のプロセスを効率的に実施することが可能です(図4)。

当該実態調査の結果を踏まえて、個別の改善施策を適宜検討していきます。

実態把握と 課題特定のプロセス

子会社経営陣のリテンションおよび任免・評価・報酬マネジメント

国内外の子会社に対するガバナンスのルール・仕組みの実効性を担保し、グループ経営戦略をグループ全体に浸透させるためには、子会社の経営陣の任免や評価・報酬を本社が掌握し、コントロールできることが不可欠です。具体的には、本社やグループの戦略・事業計画に紐づくKPIや評価基準を定義し、報酬におけるインセンティブの比率を高めた上で、本体・グループの業績や企業価値に連動する中長期インセンティブを導入・拡大する、あわせて譲渡制限付き株式報酬やクローバック条項等の仕組みを採用する、といった施策が考えられます。また、各子会社のサクセッションプランニングを本社が主導し、現経営陣の任免や入れ替えが可能な状態とすることは、本社のガバナンスを機能させる上で重要です。さらに、こうした仕組みの構築・運用は優秀な経営人材の確保・リテンションの実現にもつながります。

PwCはこうした任免・評価・報酬の仕組みの構築やその実行体制、運用プロセス、インフラの整備を支援します。

主要メンバー

東 輝彦

パートナー, PwCアドバイザリー合同会社

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新田 克巳

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

竹内 信太郎

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

土田 方義

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

中尾 宏規

ディレクター, PwCアドバイザリー合同会社

Email

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