グループ事業再編・グループ企業再編

グループ再編の目的は、企業グループの置かれた状況や課題、目指す姿によってさまざまであり、それに対応した解決策としての再編のパターンも各企業で異なります。

例えば、個別事業で経営資源の集中を進めて競争力を高めたい場合は法人統合による事業再編が、グループ内経営資源の最適配分を進める場合は（中間）持株会社の設置といった形で再編が行われることはよく見られます（図1）が、必ずしも明確な対応関係があるわけではありません。また、ノンコア事業に対しては将来の売却も見据えた分社化・体制見直しもあり得ます。ノンコア事業の売却にあたっては同事業のベストオーナーを模索し、ベストオーナーの下で成長戦略を描くことができれば、切り出される事業にとっても明るい未来が描けます。

目的に沿って実施される再編のパターンは複数考えられることが多く、パターンごとの実行可能性やメリットを比較検討した上で、再編後の将来像を決定していくことが必要です。対象となる事業・企業や再編の目的が複数存在する場合は、段階的に再編を実行することもあります。

計画フェーズ（将来像検討、移行計画策定）支援

計画段階においては、再編目的を踏まえた1. 将来像検討と、当該将来像を実現するための2. 移行計画策定を支援します。

1. 将来像検討においては、主要メンバーのみに関与を限定しつつ、再編後組織の将来像をできるだけ精緻に描き、実行に向けた重要な課題がないかの初期的な分析を行います。このとき、必要に応じて、再編目的の明確化や、再編後の事業将来像の整理も行います。
2. 移行計画策定では、より実務が分かるメンバーを適宜巻き込み、将来像の更新も行いながら、当該将来像への移行に向けた各種計画の詳細化を行います。
   この段階で検討しておくべき論点は多岐にわたりますが（図3）、PwCではこれまでに蓄積してきたノウハウの活用と各領域の専門家との適時の連携によって、広範な領域の検討を効率的に支援します。

実行フェーズ支援

実行段階においては、現場の実務担当者も巻き込みながら、再編実行（Day1）に向けて、領域ごとに個別タスクや課題の検討・対応を進めていきます。実行フェーズでは、再編後に想定している事業運営・オペレーティングモデルへの移行を確実に達成することが重要です。PwCでは、プロジェクト全体の進捗と課題管理の他、領域ごとの個別の内容に対する検討・対応支援も実施します。

Day1後は、再編目的の実現・効果発現のために、実行前に検討していた各種施策を実行に移していくことになります。この段階でも、状況に応じて、再編で企図していた内容を適切に組織に浸透させ、変革を実現させていくための支援を行います。

グループ再編における人事領域支援

グループ内の事業・企業再編を行う上で人の問題は重要な論点であり、時にリスクにもなり得ます。PwCはM&Aや再編における人事領域の専門チームを有しており、こうした大きな変革局面での人に対する打ち手の企画・実行をサポートします。

再編時の具体的な人に関するイシューには、再編ストラクチャーに対応した人材の移管、労働組合や従業員とのコミュニケーションや同意取得、諸制度・インフラおよび手続き面での対応、企業／組織の統合を伴う場合の報酬や風土等の差異への対応等があり、特に再編前後の従業員のモチベーションやリテンションへの配慮は不可欠です。同時に法令への準拠やコストへの目配りも行いながら、再編の目的遂行と効果の最大化に向けたプランニングと実行が求められるなど、多面的な検討と相反する論点についての優先順位付けや対応施策が必要となります。PwCは、こうした複雑で難易度が高い局面における豊富な経験を活かして、的確な支援を提供します。