企業ITシステムのアジリティ向上

企業における課題

経営環境がめまぐるしく変化する現代においては、その変化に対応できる俊敏性が企業には求められています。しかしそのITの現場では以下のような課題が日々発生しており、俊敏性向上の足かせとなっています。

課題

詳細

業務やテクノロジーに係る理解および知見の不足

業務やテクノロジーに係る理解および知見が不足していることから、業務およびシステムの要件定義が不完全となり、後工程で問題が発生してしまう

誤ったソリューション選定

要件に対して重厚長大なソリューション(パッケージ、サービスなど)を採用したため、不要な設計、設定、テスト作業が発生し、コストが増大してしまう

システム開発期間の長期化

ウオーターフォール方式で開発を進めたため開発期間が長期化。その間に発生するビジネス環境の変化に対応できない

開発の手戻り

要件定義、設計、構築の順で作業を進めるため、完成イメージの確認が遅れ、開発の手戻りが発生してしまう

システムのブラックボックス化

仕様を把握した従業員の退職や異動に伴い、システムがブラックボックス化。そのため、ビジネス環境の変化に合わせた改修ができない

システムの老朽化

SW/HWのEOSが迫っていても、古いアーキテクチャで開発されたシステムは最新SW/HWへの単純移行が難しく、対応できない

運用保守の負荷およびコスト

古いシステムをオンプレミスで運用しており、運用保守の負荷およびコストが高くなってしまう

IT要員の不足

IT要員が不足しているため、業務ユーザーからの要望にタイムリーに対応できない

企業が取り組むべきチャレンジ

企業はITシステムの開発や運用にあたって、俊敏性を高めるための取り組みを推進し、ビジネス環境やニーズの変化に柔軟に対応できる体制を構築する必要があります。

 

チャレンジ

詳細

課題

1

業務およびテクノロジーの理解と
適切なソリューション選定

  • 対象業務およびトレンドを踏まえたテクノロジーの双方の理解をベースとしたソリューションを選定
  • ソリューション選定時は対象要件の実現性と将来的なビジネスニーズの変化を踏まえて拡張性を考慮
  • 業務やテクノロジーに係る理解および知見の不足
  • 誤ったソリューション選定

2

開発サイクルの短期化と
実現イメージの早期実施

  • アジャイル方式による開発サイクルの短期化とビジネスニーズの変化に対する柔軟な対応力を確保
  • 実現イメージの早期確認により、開発の手戻り防止を実施
  • システム開発期間の長期化
  • 開発の手戻り

3

ブラックボックス化、または老朽化
したシステムのモダナイゼーション

  • ブラックボックス化、または老朽化したシステムの解析とモダナイゼーションの実施
  • モダナイゼーションによりビジネスニーズの変化に対する柔軟性を確保
  • システムのブラックボックス化
  • システムの老朽化

4

運用保守コストと
IT要員負荷の低減

  • クラウド活用による保守・運用コストの削減
  • 市民開発による業務ユーザーへの権限および作業の移管または移譲により、IT要員の負荷を低減
  • 運用保守の負荷およびコスト
  • IT要員の不足

業務、テクノロジー、アジャイルなど、新しく習得しなければならないケイパビリティは多岐にわたり、その習得には時間を要します。

老朽化したシステムを解析するにあたっては現在使われていないテクノロジーの知見や経験が必要ですが、市場でも有識者は減少傾向にあり、自社内リソースのみでの対応は現実的ではありません。

また、企業におけるIT要員の人数や工数には限りがあり、日々の業務をこなしながら新しいケイパビリティを早期に獲得するには困難が伴います。

これらの状況に鑑みると、企業は外部リソースを活用しながらDXの推進、ケイパビリティの獲得を図っていく必要があります。

PwCのアプローチ

PwCは企業のITシステムのアジリティ向上に向け、Microsoft Power Platformなどのローコードツールを活用した新規システムの高速開発や、老朽化した現行システムのモダナイゼーションを支援します。

新規システムの高速開発

従来のウオーターフォールによるシステム構築ではなく、PwCが強みとするビジネス・テクノロジーの深い洞察やPwC独自のBXT方式を活用することで、業務設計・システム設計・ローコードツールの三位一体によるシステム構築を推進。完成像の早期創出とユーザー確認を実施し、手戻りのない高速システム開発に貢献します。

要件ヒアリング

  • 新システムの目的、業務要件についてのヒアリングを実施
  • 業務要件をシステム要件に落とし込み、システム要件のバックログを作成

構築

  • バックログを基に、新システムの業務・システム設計とローコードツールによるシステム開発を同時に推進
  • 完成イメージをユーザーと早期に共有し、手戻りを防止するとともに短期でのシステム開発を実現

リリース

  • 必要最低限の機能から順次リリースし、効果の早期創出を実現
  • ローコードツールの特性を活かし、未対応のバックログの開発を短期サイクルで順次実施

老朽化した現行システムのモダナイゼーション

レガシーシステムのモダナイゼーションに係る豊富な支援経験を活かし、老朽化またはブラックボックス化したシステムのソースコードからリバースエンジニアリングによる解析を実行。システム統廃合アプローチを策定し、ローコードツールを用いることで、ビジネスニーズの変化に対応するためのモダナイゼーションに貢献します。

現状分析・解析

  • 現行システムの資料を収集することで規模や複雑性などの情報を整理し、全体像の可視化、移行方針の策定を実施
  • 解析ツールを利用し、現行システムの資産を入力することで現行システムの構成を多様な観点から網羅的に調査

構築

  • 使われていない機能の統廃合などを検討・整理することで、機能の過不足のない設計を実施
  • 設計を基にローコードツールを用いてシステムの開発およびテストを実施

リリース

  • ローコードツールの特性を活かし、さらなるビジネスニーズへの迅速な対応を実現
  • クラウド移行を実現し、運用負荷の低減を実現

想定されるビジネスケース

PwCは本オファリングにより、クライアントのITシステムのアジリティ向上を支援し、多様なビジネスニーズへの対応力向上に貢献します。

 

ビジネスケース例

概要

1

業務システムの短期開発

デジタル化されていない領域の業務システムの早期開発により、業務効率化を早期に実現
例:調達・購買業務、品質保証業務、海外法規制対応業務、ITプロジェクト管理

2

レガシーシステムのモダナイゼーション

老朽化またはブラックボックス化したシステムを短期間で再構築し、メンテナンス性の向上やビジネスニーズの変化への対応力向上を実現

3

新規ビジネスモデルのPoC

生成AIなどの最新テクノロジーと連携した新規ビジネスモデルや新規システムの具現化を目的としたPoCを短期間で実施

4

SAPシステムアドオンの代替

SAPのアドオン開発をローコードツールで対応することにより、スコープアウトした要件を拾い上げ、基幹システム本体をクリーンな状態としたバージョンアップ時の制約を回避

5

Notesシステムのリプレース

リタイアするNotesシステム上に構築されたエンドユーザーアプリケーションのリプレース先としての利用を、アプリケーション構築ルールの整備も合わせて行うことで、シャドーITの防止も実現

6

モバイルアプリの構築

モバイル未対応の現行システムのモバイル画面を短期間で構築

参考. Microsoft Power Platformについて

Power Platformは、4つのツールが統合されており、データの収集からプロセス構築、分析・予測、チャットボットまでローコーディング・ノーコードで実現できます。また、Microsoft社のM365やAzureとの親和性が高く、連携が容易です。

主要メンバー

大野 元嗣

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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