投資家の視点:投資家はいかに今日そして明日の取締役会のあり方を変えていくのか

2015-03-18

PwC米国では、2014年に、年金基金や資産運用会社など幅広い機関投資家(調査に参加した機関投資家の運用資産総額約11.5兆米ドル)を対象とした調査を実施し、取締役会の現状について投資家が取締役に何を期待し、その期待は満たされているのかなどについて意見を求めました。

本調査の結果得られた意見は以下の3点にまとめられます。

  1. 取締役の現状に対する投資家の満足度は、全般的に2013年の調査結果よりも向上しているものの、一部の領域については、なお懸念が残っています。
  2. 取締役会に対して期待する属性として以下があげられました。
    • 多様性が高い
    • 投資家との関わりが深い
    • 新たなリスクを理解し伝達することに優れている
    • パフォーマンスが低い取締役に対して責任を問う意識が高い
    • 経営陣の意欲を向上させることに優れている
  3. 投資家(特に過半数の議決権を行使する大規模投資家)は、投資先企業に引き続き情報提供の充実を求めています。

企業価値の向上を促進するために、コーポレートガバナンスの強化・充実化を図ることは重要です。そのためには、まず投資家が何を期待しているのかを理解し、その上で経営者は、投資家と向き合う姿勢を持つことが大切です。今後の企業のコーポレートガバナンスのあり方を検討する上で、米国の機関投資家の視点は非常に有用な情報であると考えられますので、本調査結果をどうぞご活用ください。