荒井 叙哉(Nobuya Arai)

PwCコンサルティング合同会社 パートナー

エクスペリエンスセンター

PwCのPurpose(存在意義)は「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことです。同様に、私たちのクライアントにおいても、社会課題の解決に向けた変革に取り組まれるケースが非常に増えています。そして、それらの社会課題は極めて複雑で、単一の専門性やソリューションでは到底解決できません。例えば、サステイナビリティトランスフォーメーション(SX)。脱炭素社会の実現というテーマを一つとっても、製造業のケースであれば、バリューチェーンに関わる社内外全てのステークホルダーが関わってきます。グループ企業はもちろん、一次請け、二次請け、その先々の委託先や、各種調達先など複数の企業群、地域や国をまたぐネットワークは非常に複雑です。その全てに温室効果ガスの排出量削減に向けたガバナンスを効かせる。言うまでも無く、容易には達成できないテーマです。そのディスクロージャーの質が、クライアント自身の「顧客」にとってのブランド価値向上につながることもあれば、棄損につながることもあり、課題解決をさらに難しくしています。

このように複雑な社会課題を解決する鍵となるのがデザイン思考(Design Thinking)です。『日本の「デザイン思考」は誤解だらけ』の中でも触れられているように、デザイン思考は「思考」と訳されてはいますが、実際は頭で考えるものではなく、全身で体感して「感じるもの」「気づくもの」です。社会課題に関わるエンドユーザーの悩み、感情、体験といった人間中心の視点を持ち、ビジネスとテクノロジーを統合して、課題解決につながるイノベーションを愚直に実装していく。まさに社会をアップデートしていくことが求められます。PwCはBXT(Business、eXperience、Technology)というデザイン思考を基礎としたアプローチを全社的に推進しています。コンサルティングサービスに組み込んだ「デザイン思考の力」で、社会課題の解決を加速していきます。

デザイン思考の力を解き放ち 社会をアップデートする
BXTアプローチと エクスペリエンスコンサルティング

BXTアプローチとエクスペリエンスコンサルティング

PwCはデザイン思考の力を解き放つために、「人間中心」「エクスペリエンス(体験価値)」というコンセプトを軸とし、以下の4つの観点を重視した上で、エクスペリエンスコンサルティングを推進しています。

1つ目は「ユーザーのインサイト理解」。従来型の論理的、定量的思考に加え、エンドユーザーの情動を同じ人間として共感し、自覚することが重要です。そこで「感じたこと」からエンドユーザーの意思決定や行動変容につながるヒューマンインサイトを導出し、エンドユーザーの理想の体験を設計します。

2つ目は「アイデアの創発」。一部の起業家やイノベーターの個人的な強い想いやビジョンが、アイデアの核となるイノベーションももちろんあります。しかし、0から1を生み出すイノベーションの多くは、既存のアイデアの組み合わせであり、多様な知見や価値観、専門性が化学反応を起こすことで生み出されます。エンドユーザーの理想の体験を共通言語として、多様なコラボレーションを促すことでビッグアイデアを創発します。

3つ目は「ビジネスデザイン」。創発したビッグアイデアは、サステナブルなビジネスモデルに落とし込む必要があります。実現可能性を検討する段階で、アイデアそのものの魅力が失われることはあってはなりません。当然、アイデアを世に出すためのマーケティングやブランディングも重要です。いわゆるアートディレクションなどのクラシカルデザインの力も求められます。

4つ目は「デザインエンジニアリング」。創発した抽象度の高いアイデアを、エクスペリエンスとテクノロジーの両面からプロトタイピングを繰り返すことで、解像度の高い具体的なプロダクトやサービスに落とし込みます。エンドユーザーのフィードバックを得ながら、プロダクトやサービスを迅速かつ愚直にアップデートし続けることで、社会実装していきます。

PwCのBXTがイノベーションを創出する

BXTアプローチは、PwCやクライアントにとどまらず、産官学民の連携をはじめ多数のステークホルダーの多様な知見や価値観、専門家のコラボレーションを促し、社会をアップデートするための最適なアプローチと言えます。私のリードするエクスペリエンスセンターは、さまざまなバックグラウンドのデザイナー、クリエイティブ、エンジニアからなるチームです。ビジネスデザイン、デザインエンジニアリング、クラシカルデザインといったデザインの力を駆使して、エクスペリエンスの視点から多様なコラボレーションを推進し、イノベーションを創出します。社会課題の解決をイノベーションによって実装することは、オープンなコラボレーションと多様性を重んじるPwCのカルチャーや、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCのPurposeと合致し、PwCらしい提供価値だと思いますし、個人的にも大きなやりがいを感じています。

PwCのBXTが イノベーションを創出する

荒井 叙哉(Nobuya Arai)

人間中心型のBXTアプローチに基づくエクスペリエンスコンサルティングおよびマーケティング領域のビジネスコンサルティングが専門。大手外資系消費財メーカーで10年以上のブランドマーケティング、トレードマーケティングの実務経験を有し、ブランド戦略策定、カスタマーエクスペリエンス策定、エスノグラフィーやデータ分析・統計を用いた市場調査や顧客インサイトの把握、新商品・サービス開発、プロトタイピングなどマーケティング業務、エクスペリエンスデザイン全般に精通している。

荒井 叙哉(Nobuya Arai)

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