新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の体験が与える顧客接点再構築の方向性‐ニューノーマルに対応した顧客接点改革とコスト最適化に向けて‐

COVID-19の体験による消費者の変化と顧客接点の変革要件

同じ時代をともにサバイブする社会的価値・貢献への共感

顧客への共感と社会的貢献に基づくブランド&パーパスの再創造

消費者との信頼と共感を築くことは、長期的な関係を築く上で非常に重要です。今回の危機に際して、消費者との信頼と共感を高める危機対応ができたでしょうか。パーパスや企業理念は、経営や従業員に対する指針として機能したでしょうか。危機時には、経営や従業員に混乱が広がるとともに、目の前の問題対応に追われがちです。しかし、危機時にこそパーパスや企業理念が、経営や従業員に対する指針として機能し、自律的な危機対応や他社とのコラボレーションを実現していくことが重要です。そして、消費者と同じ時代を共に生きる企業として、消費者に寄り添った価値を提供することが信頼と共感を築くために重要になってきます。今回の危機で、国内外のさまざまな企業が社会的に必要とされる課題に果敢に取り組む例も報告されています。例えば、新型コロナウイルス宿泊療養者の搬送受託、ホテルへの受け入れ、健康アプリの提供、医療従事者やコールセンターへのアプリケーションの提供など。これらの取り組みは短期的な企業収益に大きな貢献はしないかもしれません。しかし、困難な時期における社会や消費者に寄り添った価値提供は、信頼と共感を醸成することにつながっています。そして、この信頼と共感が、長期的な関係性を築く礎になるはずです。不透明な環境であるからこそ、共に生きるものとして顧客を理解し、社会的貢献を重視するブランドとパーパスの再定義が必要です。そして、経営と従業員に明確な指針を示し、顧客とコミュニケーションすることが、消費者との信頼と共感を築き、長期的な関係構築につながります。

 

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見えない未来を前提とした、厳選消費行動

ライフスタイルや価値観に基づく厳選消費

COVID-19影響下では、政府による不要不急な外出自粛要請、休業要請によって、多くの人々の消費行動にも影響が及びました。人々は不要不急な外出とともに消費をしない体験をしました。この体験は、自身にとって本当に必要な消費なのか、そして、外出自粛や消費自粛が進む中で、店や企業が自身にとって本当に価値あるものかを考えさせられました。特に、いつ収束するのか、いつ正常に戻るのか、見えない将来を前提に、本当の価値を考え、厳選して消費行動をとっている。そのような中でも、自身にとって真に必要な小売店や飲食店、そしてスポーツや趣味などの企業を助けるべく”つながり消費”も広がりを見せました。これは企業にとっても、商品やサービスを単に提供するだけでなく、企業を深く理解し、ロイヤルティの高い顧客とのつながりを大切にすべきであるということを示しています。サブスクリプション企業の中には、一時的な売上増を追求するのではなく、社会に必要とされるサービスを無償提供する事例も多く見られました。これらの活動を通じて、顧客のロイヤルティを高め、結果的には企業収益にも貢献するでしょう。企業はこれまで以上に、企業の持つ価値観を顧客に丁寧に提供するとともに、顧客とのつながりを強化するため、分断されたタッチポイントの再生を目指したビジネスモデルの再設計をしていく必要があります。

 

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強制的なデジタルシフトからデジタル利便性の受容と信用

タッチポイントの大幅なデジタルシフトと人間味のある対応の融合

COVID-19影響下では、”STAY HOME”が世界的な合言葉になり、リモートワークや教育のオンライン化などある意味、強制的なデジタル体験によって、デジタル利用に対するハードルは急激に低下しました。オンラインでのショッピングやさまざまな手続きなど、これまでデジタルを体験してこなかった消費者層の利用も増加しています。一方で、この増加の一部には、活用は困難であるが、使わざるを得ない層が存在していることも事実です。顧客と企業にとって重要な点は、デジタルと人間的な体験を融合し、さらなるデジタル化への取り組みを加速することです。従業員の安全と省力化を追求する企業にとっては、デジタル化は重要な課題となります。ただし、他社でデジタルの利便性を体験した消費者の期待のハードルは上がるということを忘れてはいけません。単にオンラインチャネルを提供しているということでは、差別化された顧客体験を提供することはできません。タッチポイントの大幅なデジタルシフトと人間味のある対応を融合させて、デジタル活用が困難な層も意識した新たな顧客体験を創り出す取り組みを加速させていく必要があります。

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”人と触れ合わない”リモートファーストへのライフスタイルの変化

顧客とのつながり方とパーソナライズの再構築

外出自粛が進む中、特に子供と労働者は、普段よりも多くの時間を家で過ごし、これまで家で経験したことのない体験をしました。家で長時間過ごす生活は息苦しさなどのデメリットがある一方、現地で対面でなければできないと思われてきた労働や学習の多くの割合が、実際には家や非対面でも問題なく行えることに気づくメリットもありました。この体験を通じて、人や企業との接触のあり方は少しずつ変化しています。広告代理店や小売店を挟まず、消費者と直接つながる「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」と呼ばれる業態の加速やSNSで顧客とダイレクトにやり取りすることで、ネット上でも「特別感」を提供するなど、リアルにはない「特別感」をネット上で提供しています。今後、非対面、そしてデジタル化が推進されると想定されます。商談や説明会なども場合によっては非対面で効率的に実施する場面も多くなるでしょう。ただ、場所や方法を単に非対面チャネルに変えるだけでなく、消費者と直接つながり、趣味嗜好を把握し、パーソナライズした顧客体験を提供できるようにしたい。これによって、対面でしかできなかった顔色を窺い・空気を読みとった対応に変わる、データを活用した「特別感」を提供することができるようになります。

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安心安全な場所・オペレーション・経験価値への期待

人間中心の安全安心、透明性の高いサービスデザインの再構成

衛生と健康に関する消費者の意識と行動は変化しました。これまでは、店舗における衛生的な配慮や顧客の健康といった要素は、必要最低限提供されるのが当然の価値として、消費者の意思決定に大きな影響を与えてきませんでした。しかし、より安全なサービスを提供することへの期待はかつてないほど高く、消費者の選択に影響を与えるほどになっています。例えば、消毒液の設置有無や清掃状況、接客や商品提供方法など、これまでよりも安全安心なサービスオペレーション提供への期待が高まっています。そして、健康だけでなく、価格の透明性やオンラインへの柔軟なオペレーション変更への対応も非常に重要な要素です。従って、これまでのサービス設計では相対的に重要視されてこなかった安全と衛生、透明性といった価値に再度焦点を当てて、人間を中心にしたサービスデザインを再構成する必要があります。

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“COVID-19の体験が人々の根本的な価値観やライフスタイル、消費者としての消費価値観へ与えた影響は計り知れません。そして、この体験から生まれた価値観の変化は、今後にも影響を与えます。これらの変化に対応していくためにも、デジタルトランスフォーメーションやカスタマーエクスペリエンスへの投資と変革は継続しつつ、コスト構造も最適化する道を探る必要があります。”

本レポートでは、「消費者の変化と顧客接点の変革要件」「先進企業のCOVID-19に対応した取り組み」「コスト削減とニューノーマル対応の2つを両立する顧客接点再構築の3Step」について解説しています。

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