行動に基づいて顧客を理解する ‐ 世界の消費者意識調査2019

人口統計データではなく行動で消費者を分類

マーケターなら誰でも、優れたカスタマーエクスペリエンスの第一歩は、売る相手のことを可能な限り詳しく知ることだと知っています。しかし、消費者に関して山ほどデータがあっても、多くの企業はまだ人口統計データという鈍いツールに頼りすぎています。人をその行動や考えではなく、年齢、居住地、人種で捉えていると、彼らに近づくチャンスを逃してしまいます。

PwCの世界の消費者意識調査2019では、業界が異なっても、買物客の行動や態度が共通することが明らかとなりました。このような特徴と人口統計データを重ねると、単に人口統計を見ている時よりも、詳細な消費者プロファイルが浮かびあがります。行動のタイプを理解すれば、さらに有意義な形で接するチャンスが明らかとなるでしょう。例えばマーケターは、顧客が購入したいと思った時と場所で、その顧客に合わせた提案を持ちかけることができます。


 

行動データがターゲティングを支援

一部の消費者グループは、特定の商品に高い価格を払う意志を持っています。行動データの分析によれば、その傾向は単に年齢や性別には相関しません。このような消費者の多くは、スマートホーム機器を所有し、音声アシスタントをポッドキャストや電話に利用しています。持続可能なライフスタイルの維持に努め、持続可能性の観点から購入する商品を選ぼうとします。近くの食料品店で5分以内の買物(マイクロトリップ)を頻繁にするものの、買物の大半はモバイルデバイスからオンラインで行います。気に入ったブランドや製品をソーシャルメディアで紹介することにも熱心です。このことを知れば、マーケターは、より正確に販売のターゲットを絞り(例えば持続可能な形で業務を行う企業が生産した有機食品などについて)、顧客が好むプラットホームで提示することができます。

しかし、地域的、文化的な行動特性が、グループの特性に影響を与える場合もあります。人口統計データを使って行動のセグメンテーション[English]を重ねることで、より詳細な理解が可能となります。

ドイツの卸売会社、Metro Cash & Carryの中国部門、Metro Jinjiang Cash & Carryの最高経営責任者(CEO)であるClaude Sarrailh 氏は、現在の役職に就いた時、アジアの顧客とその前に勤務したイタリアの顧客に顕著な差があることに驚きました。2019年1月のインタビューでは、PwCに対し、中国の消費者のほうが、イタリアや西欧の消費者より新しい習慣に順応しやすく、サプライヤーを変更するのが早いと次のように語っています。「中国の消費者は常に他を探しています。それが、中国を動かす大きな力となっています」

Sarrailh 氏は、中国の消費者が高度なテクノロジーに慣れていることも指摘しました。「中国はゲーミフィケーションの国です。中国の顧客はゲームが大好きで、商売もゲームと考えます。ですから、働くのも買うのもゲームです。当社のような企業が組織内に採り入れなければならないのは、この創造性です。これによって消費者の興味を持続させ、従業員が当社で働きたくなるようにする必要があります」


買物客の特徴

分類に対する業界ごとのアプローチ

数年前から、医療提供者は行動による患者の分類を行っています。それ以前、医師は、糖尿病、高血圧などの症状と基本的な人口統計データに基づき、同じ医療を提供していました。各患者の希望、ニーズ、習慣はほとんど理解していませんでした。このため医療提供者、例えばソーシャルメディアを通じて患者と取引するなどの機会を逃していました。PwCの調査では、30%近い消費者(55~64歳では35%、65歳以上では39%)が、医療や健康に関する製品やサービスの購入に際し、ソーシャルメディアに影響を受けたと回答しました。

分類の改善により、医療提供者、患者が生活し、働き、遊ぶ社会的、環境的条件[English]などへの理解を、患者への対応に組み込むことが可能となります。さらに詳細に分類すれば、世界中の医療提供者、各地の患者に対する治療をカスタマイズし、治療成果とコストに有意義な影響を与えることができるでしょう。

他の業界でもそれぞれ異なる方法が用いられています。ある消費財メーカーは、製品のメリットごとに消費者を分類し、それぞれのメリットを求める消費者をターゲットとしています。同社のオンライン店舗担当ディレクターは、2019年1月のインタビューでPwCに対してこう語っています。「製品には心理的メリットのあるものと、知覚過敏を軽減するために歯茎を保護するものなど、物理的メリットのあるものがあります。この分類方法は、おそらく口腔ケアカテゴリーでは最も有意義な分類方法だと考えます」

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主要メンバー

矢矧 晴彦

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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