Value Navigator 2018年秋号 特集「グローバル経営力を強化するリスクマネジメント」

目次

Season’s Report from Global

特集:グローバル経営力を強化するリスクマネジメント

かつてない勢いで市場のグローバル化が進展する中、企業がかかわる経済犯罪・不正も世界的に増加傾向にある。近年では、日本企業においても会計不正や品質偽装、贈収賄やカルテルなどの不祥事が次々と発覚し、世界に衝撃を与えている。このため「安心・安全・高品質」であった“ジャパンブランド”に対し、各国の規制当局が監視を強化する動きも散見されるようになってきた。

このような状況を招いた背景の一つには、海外進出を加速する日本企業のリスクマネジメント不足が挙げられる。総じて日本企業は欧米企業などと比較してガバナンスおよびコンプライアンス体制が脆弱であり、文化や商習慣の違いなどを踏まえた組織や経営の「現地化」にも失敗しがちだといえるだろう。これから日本企業がさらなる海外展開を図っていく中で、不正を未然防止し企業価値を守るにはどうすればよいのか─本号では、企業のリスクマネジメントやコーポレートガバナンスに関するエキスパートである、東京大学大学院法学政治学研究科 教授 平野 温郎 氏との議論や、PwCのプロフェッショナルの考察を通して探っていく。

過去二年間で不正リスク評価を実施した企業 44%
経済犯罪報告比率は増加傾向

Value Report:デジタル時代における金融ディスラプションのグローバルトレンド ~金融機関はデジタルによってどう変わるべきか~

ここ数年、金融業界ではデジタル技術を活用した金融イノベーションへの取り組みが活発化しており、あらゆる金融機関がデジタル化へと舵を切っている。こうした背景を受け、PwC Japanグループは9月19日、「デジタル時代における金融ディスラプションのグローバルトレンド~金融機関はデジタルによってどう変わるべきか~」と題するセミナーを開催。異業種による金融への参入が本格化し、金融機関は真に重要なケイパビリティを見極めながら構造改革を進めなければならない中、データをいかに戦略的に活用できるのかについて多様な提言が行われた。

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