「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」(ASBJ)(2017年10月31現在)

2017-11-02

主旨

企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、開発中・開発予定の会計基準に関する今後の計画(以下、「本計画」)を随時、改訂しています。
本計画は、ASBJが開発している、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、「日本基準」)および修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)について、それらの開発に関する予見可能性を高めるために、公表されたものです。

原文については、ASBJのウェブサイトをご覧ください。

 

ASBJのウェブサイト

「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂

以下では、本計画の主な変更点、ASBJが開発中・開発予定の会計基準に関する主な内容と検討状況等をご紹介します。

目次

  • 主な変更点
  • 開発中・開発予定の会計基準の公表目標時期等
  • 【日本基準】主な内容と検討状況等
    1. 開発中の会計基準
      1. 収益認識に関する会計基準
    2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む)
      1. 税効果会計に関する指針
      2. 一括取得型による自社株式取得取引に係る会計処理に関する指針
      3. 権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権の企業における会計処理に関する指針
      4. 実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」の見直し
      5. マイナス金利に関連する会計上の論点への対応
      6. 仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針
    3. 今後、開発予定の会計基準または指針(実務上の取扱いを含む)
      1. 「企業結合に関する会計基準」に係る条件付取得対価の取扱い
      2. 子会社株式および関連会社株式の減損とのれんの減損の関係
    4. 今後、開発に着手するか否かを判断するもの
      金融商品および公正価値測定に関する会計基準
    5. その他の日本基準の開発に関する事項(適用後レビュー)
      開示に関する適用後レビューの実施
  • 【修正国際基準】主な内容と検討状況等

主な変更点

2017年10月31日に、ASBJは本計画の改訂を公表しました。主な変更点は次のとおりです。

修正国際基準

項目

主な変更点

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」等

左記の項目に関するエンドースメント手続については、2017年10月31日に改正「修正国際基準」が公表されたことを受け、記載が削除された。

(参考)改正「修正国際基準」の公表(日本基準トピックス第336号)

IFRS第9号「金融商品」(2014年)等

左記の項目に関するエンドースメント手続について、2017年10月31日に公開草案が公表された旨が記載された。

開発中・開発予定の会計基準の公表目標時期等

日本基準

項目

公表目標時期等

1.開発中の会計基準

a.収益認識に関する会計基準

2018年3月までに最終基準化

2.開発中の指針(実務上の取扱いを含む)

a.税効果会計に関する指針
日本公認会計士協会(JICPA)における税効果会計に関する実務指針の移管について

2017年12月までに最終基準化

b.一括取得型による自社株式取得取引に係る会計処理に関する指針

未定

c.権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権の企業における会計処理に関する指針

2017年5月に公開草案を公表済み、最終基準化の時期は未定。

d.実務対応報告第18号の見直し
修正項目の見直しについて

未定

e.マイナス金利に関連する会計上の論点への対応
2018年3月31日以後に終了する事業年度の取扱いについて

2017年11月頃に公開草案を公表

f.仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針

2017年11月頃に公開草案を公表

3.今後、開発予定の会計基準または指針(実務上の取扱いを含む)

a.「企業結合に関する会計基準」に係る条件付取得対価の取扱い

未定

b.子会社株式および関連会社株式の減損とのれんの減損の関係

未定

4.今後、開発に着手するか否かを判断するもの

金融商品および公正価値測定に関する会計基準

検討を開始する予定

5.その他の日本基準の開発に関する事項(適用後レビュー)

開示に関する適用後レビューの実施

未定

修正国際基準

項目

公表目標時期等

IFRS第9号「金融商品」(2014年)等

2017年10月に公開草案を公表済み(コメント期限:2018年1月4日)

IFRS第16号「リース」

未定

【日本基準】主な内容と検討状況等

1.開発中の会計基準

a. 収益認識に関する会計基準
(主な内容)

国際会計基準審議会(IASB)および米国財務会計基準審議会(FASB)から2014年に公表された「顧客との契約から生じる収益」を踏まえて、収益認識に関する包括的な会計基準の開発について検討中。

(検討状況および今後の計画)

ASBJより次の公開草案を公表し、2017年10月20日にコメントを締め切った。今後、公開草案に対して寄せられたコメントへの対応を検討する予定。2018年3月までに最終基準化することを目標としている。

  • 「収益認識に関する会計基準(案)」(企業会計基準公開草案第61号)および「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」(企業会計基準適用指針公開草案第61号)(2017年7月20日公表)(注1)

2.開発中の指針(実務上の取扱いを含む)

a. 税効果会計に関する指針

(主な内容)

JICPAの税効果会計および当期税金に関する実務指針について、必要な見直しを行ったうえで、ASBJの適用指針等へ移管することを目的として検討中。
このうち、繰延税金資産の回収可能性および税効果会計に適用する税率の取扱い、当期税金に関する取扱いについては、ASBJより次の適用指針等を公表済み。

  • 「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号、2015年12月公表、2016年3月改正)(注2)
  • 「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第27号、2016年3月公表)(注3)
  • 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号、2017年3月公表)(注4)
(検討状況および今後の計画)

ASBJより次の公開草案を公表し、2017年8月7日にコメントを締め切った。公開草案に寄せられたコメントへの対応を検討中。2017年12月までに最終基準化することを目標としている。

  • 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(案)」等(企業会計基準公開草案第60号、2017年6月6日公表)(注5)

b. 一括取得型による自社株式取得取引に係る会計処理に関する指針

(主な内容)

米国の一括取得型による自社株式取得取引(ASR)について、我が国企業が実施した場合の会計処理に関する指針の開発について検討中。

(検討状況および今後の計画)

公開草案公表に向けて検討中。公開草案公表の目標時期は未定。

c. 権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権の企業における会計処理に関する指針

(主な内容)

権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権の企業における会計処理について、会計上の取扱いの明確化について検討中。

(検討状況および今後の計画)

ASBJより次の公開草案を公表し、2017年7月10日にコメントを締め切った。公開草案に寄せられたコメントへの対応を検討中。最終基準化は未定。

  • 従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等(実務対応報告公開草案第52号、2017年5月10日公表)(注6)

d. 実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」の見直し

(主な内容)

実務対応報告第18号について、在外子会社等がIFRS等に準拠している場合、資本性金融商品に関するノンリサイクリング処理について親会社の連結財務諸表作成する上で修正を要するとすべきか等、修正項目の見直しを検討中。

(検討状況および今後の計画)

修正項目を追加する場合の実務対応の可否等を検討中。公開草案公表の目標時期は未定。

e. マイナス金利に関連する会計上の論点への対応

(主な内容)

マイナス金利に関連する会計上の論点のうち、退職給付債務の計算における割引率について、会計上の取扱いを明確化することを目的として検討を行っている。

2017年3月31日に終了する事業年度から2018年3月30日までに終了する事業年度の取扱いに関しては、ASBJより次の実務対応報告を公表済み。

  • 「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い」(実務対応報告第34号、2017年3月公表)(注7)。
(検討状況および今後の計画)

2018年3月31日以後に終了する事業年度の取扱いに関して、2017年11月頃に公開草案を公表することを目標として検討中。

f. 仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針

(主な内容)

仮想通貨交換業者に対する財務諸表監査制度の円滑な運用の観点、および会計処理が明確にされない場合には多様な会計実務が形成される可能性がある点を踏まえ、仮想通貨交換業者および仮想通貨の利用者における仮想通貨に係る会計上の取扱いについて検討中。

(今後の計画)

2017年11月頃に公開草案を公表することを目標として検討中。

3.今後、開発予定の会計基準または指針(実務上の取扱いを含む)

a. 「企業結合に関する会計基準」に係る条件付取得対価の取扱い

(主な内容)

「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)に係る条件付取得対価の一部が返還される場合の取扱いを検討中。

(今後の計画)

開発の目標時期は未定。

b. 子会社株式および関連会社株式の減損とのれんの減損の関係

(主な内容)

JICPAの「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(会計制度委員会報告第7号)に定められる連結財務諸表におけるのれんの追加的な償却処理について、子会社株式および関連会社株式の減損とのれんの減損の関係を踏まえ検討中。

(今後の計画)

開発の目標時期は未定。

4.今後、開発に着手するか否かを判断するもの

金融商品および公正価値測定に関する会計基準

(主な内容)

ASBJは、2016年8月12日公表した「中期運営方針」(詳細はASBJウェブサイトへ)において、今後3年間の日本基準の開発の基本的な方針および国際的な会計基準に関連する活動を行うにあたっての基本的な方針を示している。中期運営方針では「日本基準を国際的に整合性のあるものとするための取組みに関する今後の検討課題」として、IFRS第9号「金融商品」、IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第13号「公正価値測定」およびIFRS第16号「リース」について記載されている。

このうち、IFRS第9号「金融商品」については、適用に関する実務上の懸念の把握や着手するとした場合に次の3つの領域を同時に扱うべきか等の検討を行い、その後、我が国における会計基準の改訂に向けた検討に着手するか否かの検討を行う。

  • 金融資産および金融負債の分類および測定
  • 金融資産の減損
  • 一般ヘッジ会計

また、IFRS第13号「公正価値測定」については、適用に関する実務上の懸念の把握や国際的な会計基準と整合性を図ることに対する必要性に関する検討を行い、その後、基準開発に向けた検討に着手するか否かの検討を行う。

(今後の計画)

今後、それぞれ検討を開始する予定。

5.その他の日本基準の開発に関する事項(適用後レビュー)

開示に関する適用後レビューの実施

(主な内容)

ASBJが開発する会計基準の適正手続(デュー・プロセス)の一つとして、適用後レビューの実施が定められている。

適用後レビューの策定にあたり、ASBJは2017年6月22日に「適用後レビューの計画策定に係る意見募集文書に寄せられたコメントへの対応の取りまとめ」(詳細はASBJウェブサイトへ)を公表しており、今後、開示に関する適用後レビューを実施する方向性で、詳細な計画を策定することを記載している。

(今後の計画)

開示に関する適用後レビューの詳細な計画の策定・報告後、適用後レビューを実施予定。目標時期は未定。

【修正国際基準】主な内容と検討状況等

(主な内容)

修正国際基準は、IASBにより公表された会計基準および解釈指針についてASBJがエンドースメント手続を実施して開発。

(検討状況および今後の計画)

IFRS第9号「金融商品」(2014年)等に関するエンドースメント手続について、ASBJより次の公開草案を公表済み(コメント期限:2018年1月4日)。

  • 「『修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の改正案』」(修正国際基準公開草案第5号、2017年10月公表)(注9)

IFRS第16号「リース」に関するエンドースメント手続を開始しているが、目標時期は未定。

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