英国のEU離脱(Brexit)合意なき離脱の可能性が高まる中、フランスの準備状況について

2018-11-06

フランスにおける緊急対応計画の状況

その間に、英国、EU委員会その他のEU諸国は積極的に緊急計画の準備をはじめました。

フランス政府は10月3日に、離脱の影響への対策法案を発表しました。基本的な内容としては、英国市民のフランスへの入国、滞在および雇用の権利、衛生、安全、通関上の検査と監督、海港および空港、鉄道施設への影響、そして、EU離脱後の職業上のライセンスや金融契約の持続性などを対象にしています。

英国マスコミの一部報道とは裏腹に、本法案は決して「英国に痛みを加える」ことが目的ではなく、その逆で、合意なき離脱が市民および事業に与える可能性のあるダメージ軽減を目指しています。この法案は、フランス政府が相互主義を保障することを望むという意志の表れです。そしてこの法案は、政府がEUの採用するいかなる緊急措置も施行することを許すものです。

産業界はしかし、この法案を待ってから行動を起こしたのでは遅すぎます。EU離脱の影響を既に調査し、変化への対応の準備も済ませている金融サービス業界以外は、自動車業界、航空宇宙および防衛産業は、最近ですが、行動を起こし始めました。

フランスの大手製造業者はサプライヤーに対して英国EU離脱に対応した緊急計画を要求しました。フランスの医薬品会社は、EUにおける販売許可(Market Authorization)を英国からフランスに移すほか、今後標準が共通でなくなった場合の適合性を確保するために、規制対応機能の組織再編を実施している、といわれています。

では、フランス当局がいかに英国のEU離脱に対応しているのでしょうか。税関では、2019年3月から始動できる250名の新たな税関職員を採用しました。また、政府はAEO(Authorized Economic Operator)制度を経由した貿易の比率を引き上げるとしています。他にも、関税手続きの簡易化を目指しており、英国のEU離脱に関する緊急アドバイス機能も担うことが目指されています。フランスは、今後3年間にわたる減税プログラムを表明し、労働法を大幅に改定しました。また、政府は、教育システムもBrexitに対応する形で、外国人駐在員(Impatriates)の子弟のための大きな国際学校(インターナショナルスクール)の開設を約束しています。

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