英国のEU離脱(Brexit・ブレグジット)への対応

英国のEU離脱は2020年1月31日まで延期になりました。英国のEU離脱の方法とタイミングをめぐる不確実な状況は、当面の間、続くと見られます。最新の動向および日本企業への影響と対策について考察します。

Brexit(ブレグジット)は依然として不確実な状況

現在の状況

2019年10月17日、英国のジョンソン首相は、メイ前首相とEU間での離脱合意に含まれていた北アイルランド/アイルランド国境問題を巡るバックストップ(安全策)について修正し、新たな離脱協定案でEUと合意しました。

合意した新離脱協定案を発効するには10月19日の英議会採決で承認を得る必要がありましたが、EUとの「合意なき離脱」を懸念する議員らが、離脱に必要な関連法案が成立するまで新たな離脱協定案の採決を保留するという動議を可決しました。これにより、10月19日までの新離脱協定案の承認は不可能となり、9月に成立した離脱延期法に従い、ジョンソン首相はEUに対して3カ月の離脱期間の延期を要請しました。その要請を受けてEU加盟27カ国は10月28日、離脱期限を最長で2020年1月31日まで延期することで合意しました。

離脱延期の決定後、ジョンソン首相は、12月に解散総選挙を行う法案を英議会に提出しました。同選挙を行うことに今まで反対していた野党が、合意なき離脱が回避されたとしてこの法案に賛同し、結果、12月12日の解散総選挙の実施が決定しました。

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今後のオプション

離脱日の延期と解散総選挙の決定により、合意して離脱、合意なき離脱、さらなる延期、さらには離脱の取り消しまで、英国のEU離脱を巡ってはあらゆる可能性が残っています。今後の展望は、12月12日の解散総選挙の結果に大きく左右されることになります。以下に、同選挙で起こり得るシナリオをいくつか紹介します。

  • 保守党政権の続投
    現政権である保守党が単独過半数の議席を得て勝利した場合、現在のところ保留になっている離脱関連法案、新離脱協定案の議会での採決を経て、2020年1月31日に離脱することが可能となります。
    もし保守党が勝利しても単独過半数に達しなかった場合は、新離脱協定案を通過させるには、他の政党と閣外協力をするか連立政権を組まなければならなくなります。連立する政党によっては、新離脱協定案の議会での承認は難しくなる可能性があります。
  • 労働党政権の誕生
    最大野党である労働党は、EU離脱の是非を問う2度目の国民投票を前提として、EUと離脱協定案について再交渉をすると主張しています。もし2度目の国民投票を実施する場合は、立法と実施準備に時間が必要となり、離脱日のさらなる延期が必要となります。ただし、離脱協定案に関する再交渉や離脱延期にEUが応じるかは不明です。
  • 自由民主党政権の誕生
    第3党である自由民主党は、EU脱退を希望する加盟国のための手続きを規定するEU条約第50条の発動を取り消し、離脱を撤回することを公約としています。単独過半数で勝利する可能性は低いと見られますが、他の少数政党と連携し、EU残留の支持を高めていく可能性はあります。

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企業にとっての影響

企業は、Brexitがもたらす潜在的な結果全てに備えておく必要があります。

ポイントは以下の5つです。

  1. サプライチェーンの把握
    これは自社、取引先も含めたものです。例えば自社製品の材料の仕入れ先が離脱にあたりどう対応するのか、また顧客の対応も把握が必要です。
  2. データのクレンジングと整備、蓄積
    個人情報はもちろんですが、それ以外にも今まで関税がゼロだったため整理されていなかったデータを、クレンジングしておく必要があります。
  3. 契約を確認する
    EUのレギュレーションから英国法に変わるため、各種契約書の中身を精査しておく必要があります。
  4. スタッフへの丁寧なコミュニケーション
    EU籍、英国籍のスタッフの不安を取り除くため、丁寧なコミュニケーションが必要です。
  5. 第三者との密接な連携
    社内で解決できる問題以外に関しては、業界団体や専門家との連携や取り組みも大切です。

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Brexit(ブレグジット)対応のステップと対応サービス

PwCはクライアントの“Brexit パートナー”として、Brexitに向かう過程で生まれる事業機会や課題への対応を、さまざまな分野の専門家が協働しながら支援します。


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