法人税制にかかる改正(スペイン)

2011年8月19日、政府は、法人税制を改正するための国王令(Royal Decree 9/2011)を承認した。主な改正事項の概要は次のとおりである。

欠損金

国王令により、繰越欠損金の利用制限が導入された。2011、2012および2013事業年度については、次に示す使用制限が適用される。

  • 所得総額が2千万ユーロ以上6千万ユーロ未満の納税者は、課税所得の75%しか繰越欠損金と相殺することができない。
  • 所得総額が6千万ユーロ以上の納税者は、課税所得の50%しか繰越欠損金と相殺することができない。

本国王令が承認される前は、納税者は課税所得の全額を繰越欠損金と相殺することができた。

欠損金の使用制限は、連結納税グループにも適用になる。すなわち、この新たな制度における所得総額は、連結納税グループに属する全ての法人の所得合計に相当する。したがって、法人単体で上述の要件を満たすことはないとしても、グループとしての全体の所得総額が、この新たな制度の適用を受けることは起こり得る。

また、2012年中に開始する事業年度に関しては、全ての法人の欠損金の繰越し期間が15年から18年に延長される。なお、この延長は、現在有している繰越欠損金にも適用される。

国際投資のれんの損金算入

現行の法人税法では、2007年12月以前に非居住企業の資本参加持分を取得した企業に対し、取得価額と取得日時点での被買収企業ののれんとの差額を最大5%控除することが認められている。

本国王令により、この控除率が、2011、2012および2013事業年度について、5%から1%に引き下げられる。

出典:PwC US, WNTS Publication, European Tax Newsalert
「月刊 国際税務」 2011年11月号収録 Worldwide Tax Summary
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース編