内国歳入庁(Inland Revenue)は、最近公表した報告書(「2011-12 Compliance Focus report」)の中で、同庁が最も懸念している税務コンプライアンスに関するリスクについて、これに対処するための政策案と併せて見解を述べている。
これまでと同様、移転価格については今後12ヶ月間の主要なリスクとして本報告書の中でも強調されている。したがって、多国籍企業グループに属するニュージーランド企業は、適正な移転価格方針を備え、自身の移転価格に関するポジションを裏付けるための適切な文書を保持することが大変重要なこととなる。
本報告書で述べられている移転価格に関連する主要な点は次のとおりである。
大企業
内国歳入庁は、大規模企業グループ(おおよそ年間売上が3億ドルを超える納税者)の全体に対して、毎年、移転価格に関する問題の評価を行い、かつ、あらゆる高リスク企業や判明した問題事項を調査する。
損失
本年度の報告書で重要とされている内国歳入庁の検討事項は損失に係るものであり、損失が非独立企業間価格や過少資本によってもらされているものでないことを確かめることにある。特に内国歳入庁が注視する対象は次のとおりである。
CFC税制
CFCルールが変更されたことにより、CFCの能動的所得は原則として課税対象ではなくなった。よって、移転価格税制はCFCとの関係においてより重要性が高まり、内国歳入庁は、移転価格の検討過程を通じて関連するリスクを測定しようとしている。
また、内国歳入庁は、CFCの形態につき数多くの疑問を寄せられ、納税者が開示した内容から認識されるあらゆる異常な傾向につき調査を行う。また、重要なCFCを有する主要な納税者の移転価格の体制や税務申告書も調査される。
事前確認制度(APA)
内国歳入庁は、事前確認制度への関与を強化する目的で、より多くの事前確認の申請を取り扱うことができるよう人員を差し向けている。内国歳入庁の事前確認手続きは効率的かつタイムリーで費用対効果が高く、これは前向きな動きとして捉えることができる。
本報告書は、内国歳入庁が移転価格の調査活動を今期も継続することを示すものである。したがって、国外関連企業と取引を行うニュージーランドの納税者は、自身の移転価格方針とポジションの正当性を主張できるかどうか、および、将来内国歳入庁の調査が行われた際に自身のポジションを立証できるだけの準備が整っているか、確かめておく必要があろう。