2009年10月23日、マレーシア政府予算案および税制改正案が発表された。
税制改正案の主な内容は次のとおり。
個人および協同組合に対する所得税の見直し
個人の所得税率が引き続き競争力を持ち、マレーシア国民の可処分所得を増加することを確保する手段として、居住者の個人所得税を次のように見直すことが提案された。
| i. | 人的控除の本人の控除額をRM(マレーシア・リンギット)8,000からRM9,000に引き上げる。 |
| ii. | 課税所得のRM100,000を超える部分についての税率を1%減少させ、27%から26%とする。 この提案は、2010年課税年度以降、適用される。 |
不動産の売却に対する課税
2007年4月1日より、不動産利得税は特に期限を定めることなく課税が免除されている。
このたび、課税ベースを拡大するために、不動産の売却益に固定税率5%で税金を課すことおよび免除について、次のように提案された。
| i. | 購入者が購入価額の2%を源泉徴収し内国歳入庁に支払わねばならない。 |
| ii. | 個人に対して、RM10,000又は売却益の10%相当額の何れか一方の大きい金額を上限として、当該金額が課税額から免除される。 |
| iii. | 1976年不動産利得税法による既存の課税免除制度は、次についてはこれが維持される。 a.親子間、夫婦間、祖父母と孫との間での贈与 b.マレーシア市民又は永住者個人の生涯1回の不動産の売却 |
建物のグリーンビルディングインデックス(GBI)認証取得にかかる税務上の優遇措置
グリーンテクノロジーを利用した建物の建設を促進する手段として、次が提案された。
| i. | GBI認証が付与された建物の所有者は、GBI認証の取得に要した追加資本的支出額の100%相当額の免税が付与される。免税は各課税年度の法定所得の100%に対して相殺することが認められる。優遇措置は新しい建物および現存建物の改築の際に適用される。 優遇措置は建物に関する最初のGBI認証についてのみ付与される。 この提案は、2009年10月24日から2014年12月31日の間にGBI認証を付与された建物に適用される。 |
| ii. | GBI認証が付与された建物および住居用不動産を不動産開発業者から購入した者は、その建物の所有権の移転契約にかかる印紙税の免税が付与される。印紙税の免税の金額は、GBI認証を取得するのに要した追加費用に対するものである。優遇措置は建物の最初の所有者に一度のみ与えられる。 この提案は、2009年10月24日から2014年12月31日の間に履行された売買契約書に適用される。 |
中小企業への特許および商標登録に係る税務上の優遇措置
中小企業の間での革新と知的財産の発展を促進するという政府の目的に沿って、国内において特許と商標の登録に際して発生した費用は法人税の計算上、損金算入が認容されることが提案された。
登録費用には、1983年特許法および1976年商標法のもとで登録された特許、商標エージェントへの報酬もしくは支払いを含むものとする。
この税務上の優遇措置のための中小企業の定義は次のとおりとする。
- 1967年法人税法のパラグラフ2A, 2Bおよびスケジュール1にて定義される会社
- 製造業、製造関連サービス産業および農業基盤の産業 - 正規従業員が150人を超えないか、もしくは年間売上高がRM25百万を超えない会社
- サービス産業、農業主体および情報伝達技術(ICT)- 正規従業員が50人を超えないか、もしくは年間売上高がRM5百万を超えない会社
この提案は、2010年課税年度から2014年課税年度まで適用される。
健康関連観光産業に対する税務上の優遇措置の向上
健康関連観光産業を更に促進する手段として、外国の顧客に対して、マレーシア国内でサービスを提供する健康管理サービスの業者に税務上の優遇措置を与えることが提案された。増加した輸出金額の50%の免税率は100%に引き上げられる、ただし各課税年度の免税適用は法定所得の70%までに制限される。なお、この優遇措置は、マレーシア労働許可証やマレーシア学生ビザを有する非マレーシア国民とその扶養家族等、一定の外国の顧客は含まれない。
この提案は、2010年課税年度から2014年課税年度まで適用される。
アップストリーム(探査・採掘)石油会社に対する課税制度の標準化
国家の税制を標準化し、現在の経済動向を反映した政府のキャッシュフローを確保するため、1967年石油所得税法によるアップストリームの石油会社からもたらされる所得に対する賦課制度は、次のように変更されることが提案された。
| i. | 当年度賦課制度、および |
| ii. | 自己申告制度 アップストリームの石油会社が1年に2年分の税金を支払う負担を軽減するために、2009年に受領した所得に課される2010賦課年度分の所得税は、5年にわたる分割払いを認めることが提案された。 この提案は、2010賦課年度から適用される。 |