投資にかかる法人税減免措置の公表(インドネシア)

財務省はようやく、主に法人税の免税について定めた規則(以下、PMK-130)を2011年8月15日付けで公表した。政府は、政府規則(GR-94)において、投資法(Law-25)18条(5)に基づく創始産業(pioneer industry)に属する企業に対して、法人税の免税ないし軽減を行うというかたちで税務上の優遇措置を与えている。PMK-130はこの税務上の優遇措置に関する規定を実施するものである。

適用対象者

当該優遇措置を受けられる納税者は、次の条件を満たす新たな法人納税者である。

  1. 次の部門における創始産業であること。(1)卑金属、(2)石油精製および/または石油・ガスを原料とする基礎有機化学薬品、(3)機械、(4)再生可能エネルギー、および(5)通信機器
  2. 少なくとも1兆ルピア(約1.19億米国ドル)に上る認定を受けた新たな資本投資計画を有していること。
  3. 少なくとも計画投資額の10%をインドネシア国内の銀行に預けること、および、当該資金を投資計画が実行されるまで引き出さないこと。
  4. PMK-130が施行される少なくとも12ヶ月前までに認定を受けたインドネシアの法人格を有すること。

財務省は、国家的産業の競争力や一定の事業活動の戦略的価値を維持するものであると判断される場合は、上述以外にも創始産業を認定することができる。

税務上の優遇措置の内容

適用対象となる納税者は次の優遇措置を受けることができる。

  1. 生産開始から5年~10年の期間、法人税が免除される。
  2. 法人税の免除期間の終了から2年間、法人税額の50%が免除される。

これにかかわらず、財務省は、創始産業を認定するのと類似の観点から、所定の期間を超える期間に渡って優遇措置を付与することができる。

当該優遇措置を与えられた納税者は、これを享受するために、投資計画を全て実行し、生産を開始しなければならない。生産の開始は、国税総局(DGT)の規則に基づいて認定される。

優遇措置の適用方法

  1. 適用対象となる納税者は、工業省または投資調整委員会(BKPM)の委員長に申請書を提出する。
  2. 工業省および投資調整委員会の委員長は申請人の調査を実施し、財務省宛ての提案書を作成する。
  3. 財務省は、権限のある行政機関として税務上の優遇措置の申請について決定を下す。この関係で、財務省は、同省に対して調査支援と勧告を行う検証委員会を組織し、最終決定に先立ち、大統領と協議を行う。
  4. 財務省は、申請が承認された場合は優遇措置付与についての指令を発出し、申請が却下された場合には、納税者に対しその旨の通知書を発行する。
  5. 申請が承認されると、国税総局および検証委員会は、投資計画の実行およびインドネシアの銀行に預けた資金の利用についての報告を定期的に納税者に求めることにより、納税者の事業活動を子細に監視する。定期的な報告手続きの詳細については、国税総局の規則に明記されることになろう。
  6. 要求されている条件を満たさなくなった場合、投資計画を実行しなかった場合、もしくは定期的な報告を行わなかった場合は、当該優遇措置が取り消されることになろう。
  7. 特筆すべきことに、上述の(b)で言及した財務省に対する免税の提案書では、投資家の所在する国にみなし税額控除(tax sparing)に関する規定があるかどうかについて情報が求められている。これは、もし投資家の所在する国にみなし税額控除制度がない場合(もしくは関連する租税条約にみなし税額控除の規定がない場合)には免税措置は付与されないことを示唆しているように思える。当該優遇措置の活用に関心のある外国人投資家は、インドネシアへの投資を検討する際に、この事項を考慮すべきであろう。

    申請時期

    工業省および投資調整委員会の委員長は、2011年8月15日付けでPMK-130が施行された以後3年間に限り、当該優遇措置にかかる提案書を提出することができる。

    出典:PwC Indonesia, Tax Flash
    「月刊 国際税務」 2011年10月号収録 Worldwide Tax Summary
    税理士法人プライスウォーターハウスクーパース編