2009年再生再投資法(米国)

オバマ新大統領の就任後最初の法案が2月17日に正式に成立した。正式名:American Recovery and Reinvestment Act of 2009(米国再生再投資法)は、文字どおり米国経済の再生に焦点をあてた法律となっている。予測どおり、中間所得者の税負担の軽減が盛り込まれているが、法人税に関しては、予測以上に中小企業に対する減税措置が盛り込まれている。この法律では、総額7,870億ドルの支出が見込まれており、その内2,120億ドルが減税に充てられる予定である。新法の法人税関連の概要は次のとおりとなっている。

特別減価償却の適用延長
特別減価償却の適用が一年延長された。昨年施行された税法では、2008年までに購入し事業の用に供された固定資産の取得価額の50%が、特別減価償却として取得年度に損金算入可能だったが、新法では2009年中に購入し、事業の用に供された固定資産にも適用されることになる。これに伴い、試験研究費および代替ミニマム税控除の未使用額の現金化も2009年まで延長された。

固定資産の一括損金算入制度(内国歳入法第179条)の緩和措置の延長
ブッシュ前政権が緩和した固定資産の一括損金算入制度も一年延長された。旧法では25万ドルまでの固定資産の取得価額の一括損金算入が2008年まで可能であったが、新法では2009年まで延長された。従来どおり年間の取得価額合計が80万ドルを超えると、損金算入額は段階的に減額され、105万ドル以上になると一括損金算入はできなくなる。

小規模法人に対する欠損金の繰戻還付期間を5年間に延長
企業からの期待の高かった欠損金の繰戻期間の2年から5年への延長については、対象が、過去3年間の総収入の平均が1,500万ドル以下の法人となり、この改正法の恩恵を受けるのは限られた小規模法人のみとなった。対象法人は2008年に生じた欠損金を最高5年前まで繰り戻すことが認められ、過去に支払った法人税の還付を受けることができる。

特定の債務免除益の繰り延べ
一般に債務が免除された場合は、一定の例外規定に該当しない限り債務免除益が発生する。益金として認識される額は実際の免除額以外に、債務履行契約が大幅に修正されて生じたみなし免除額も含まれる。この不景気で債務の支払いに苦しむ企業が相次ぎ、議会は債務免除益に対する課税を緩和し、2009年と2010年に生じた債務免除益の益金算入時期を2014年まで繰り延べられるよう改正した。繰り延べを選択した場合、繰り延べの対象の免除益は2014年から5年間に渡って益金算入されます。

出典:PwC米国 日本企業部 米国ビジネスニュース
「月刊 国際税務」 2009年7月号収録 Worldwide Tax Summary
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース編