ジム・フラハティ財務大臣は2011年3月22日、政府予算を発表した。当予算に基づく法人税および個人税の税率変更はない。当予算にかかる法人事業税関連の改正の概要は次に示すとおりである。
パートナーシップ所得の課税繰延べの廃止
当予算では、法人がパートナーシップを通じて稼得した所得に対する課税の繰延べを制限する措置が導入される。2011年3月23日以降に終了する法人パートナーの課税年度において、パートナーシップ所得をその課税年度末までに見越し計上することを求めることにより、課税の繰延べを制限する。この見越し計上は、パートナーシップの事業年度が法人パートナーの課税年度と異なっており、かつ、当該法人パートナーの所得または資産に対する権利が(関連会社と合わせて)10%の閾値を超えている場合に適用される。当該規定は所得に対してのみ適用となり、パートナーシップの損失が見越し計上されることはない。
当該パートナーシップ所得の見越し計上額の計算(いわゆる「残余期間の見越し計上(Stub Period Accrual)」)には詳細な規定が適用になる。一般に、当該残余期間の見越し計上は、パートナーシップからの所得金額を、課税年度中に終了する会計期間に対応させて按分することにより認識する。法人パートナーが低めに見越し計上することは認められるが、実際の按分所得が見越計上額を上回る場合、「罰則的」追加所得が発生する可能性がある。なお、経過措置の適用がある。
一定の条件を満たせば、パートナーシップの事業年度を法人パートナーとともに変更することは可能である。多層構造となっているパートナーシップの場合、当該全てのパートナーシップの事業年度は同じでなければならず、全てのパートナーシップによる選択がなされない限り、事業年度末は12月31日となる。
株式償還に係る損失制限規定
所得税法には、一定の例外はあるが、法人が株式の処分によって実現した損失金額を、保有株式に基づき受領する非課税配当金額分だけ減額する規定がある。当該規定の適用範囲が、株主と法人の双方が閉鎖会社でない限り、法人が保有する株式の償還に基づき生じるみなし配当にも拡張されることになる。
減価償却費
カナダで使用することを主たる目的として取得される製造および加工設備に対する50%の定額加速度減価償却率の適用が、さらに2年間延長され、かつ、2014年より前に取得される適格機械装置および設備にも拡張して適用されることになる。
50%の定率加速度減価償却率が適用になる資産の範囲(2020年より前に取得される特定のクリーンエネルギー生成および省資源装置)が拡張され、2011年3月22日以降に取得される廃熱を利用した発電装置にも適用されることになる。
オイルサンド事業における無形資産への支出
石油およびガス部門に対する従来型の課税に沿うかたちで、オイルサンド資産に対するさらなる課税が次の2つの措置により導入される。
当該変更は、原則として2011年3月22日以降の取得より適用になるが、産出前の開発費用については経過措置がある。
適格環境信託(QETs)
適格環境信託に関して次の変更がある。
当該変更は、原則として2011年以降に創設された信託の2012年度以降の課税年度より適用になる。