金融取引税の税率を再度変更(ブラジル)

政府は、ブラジルの金融資本市場で非居住者が行なう一定の投資に関連する外国為替取引に課される金融取引税(IOF Tax)の規則および税率を再度変更した。この変更は法令(Decree 7412)に基づき導入され、2011年1月1日に施行された。

これにより、投資ファンド(特にプライベート・エクイティ・ファンド(FIPs)およびベンチャー・キャピタル・ファンド(FMIEEs))の持分を取得する目的で外国通貨(米国ドルなど)をブラジルの通貨(レアル)に交換する場合、適用される金融取引税の税率は2%(以前は6%)となる。

なお、Decree 7412により、2%の金融取引税率は次に関連するいわゆる「形式的(symbolic)為替」取引にも適用になる。

(a) 上場株式を取得する目的での預託証券の解約
(b) 「4131投資から2689投資へ」の転換、すなわち、非公開会社への投資から公開会社への投資の変更

(注)ブラジル中央銀行の規則によると、「形式的」ないし「同時(simultaneous)」為替取引とは、ブラジルへの資金流入、もしくはブラジルからの資金流出が実際にない場合でも生じるとみなされる通貨交換のことをいう。

Decree 7412により導入されるもう一つの変更事項は、ブラジル法人が国外の株主に支払う配当および持分に対する利子(IE)に関連してブラジル通貨を外国通貨に交換する場合に課される金融取引税に関するものである。この場合に適用されるレートが、ブラジルの支払者が公開会社であるか非公開会社であるかを問わず、0%となった(以前は、公開会社が上述の配当や利子を支払う場合は0%であったが、非公開会社が支払う場合は0.38%の税率が適用されていた)。

この金融取引税の変更は、米国ドルや他の通貨に対するブラジル通貨(レアル)の価値が高騰することに伴う悪影響を阻止することを目的として政府が行なったものである(なお、昨年の変更については2010年12月号本稿を参照)。

変動の激しい為替市場により、ブラジルの金融取引税制度はさらに変更される可能性がある。国外の投資家およびブラジルで事業を行なっている多国籍企業は、レアルを含む外国為替取引を検討する際に、常に本制度を考慮する必要があろう。

出典:PwC US, WNTS Publication, Latin America Newsalert
「月刊 国際税務」 2011年3月号収録 Worldwide Tax Summary
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース編