金融取引の移転価格 日本における「資本」の取り扱いについて[PDF 124KB]
近年日本では、金融取引の移転価格においての「資本」の取り扱いについて、税務当局と納税者との間で意見の不一致がよく見られますが、2008年7月2日の東京国税不服審判所の裁決から、「資本」の役割についての現在の日本の税務当局の考えを垣間見ることができます[1]。
本ニュースレターでは、当該裁決の国税不服審判所の見解の概要をご紹介します[2]。国税不服審判所は国税庁の特別の機関であり、司法制度とは別であることから、この裁決は裁判所の見解ではありません。しかしながら、今後、税務調査において事実関係が類似している事案があった場合、調査官が本事案に言及したり、本事案を参照したりする可能性が十分あると思われます。
本件は、外資系金融機関の日本支店である納税者のエクイティデリバティブ事業についての移転価格更正処分にかかわる事案です。納税者は、東京国税局が、更正処分を行った際に、本事業にかかわる損益の計上(ブック)先である国外関連者が「資本」を提供していることを考慮しなかったことに対して、東京国税不服審判所に異議申し立てを行いました。審理の結果、東京国税不服審判所は、東京国税局が行った原処分の一部を取り消すという裁決を下しました。
[1] 当該裁決の大部分は校正により削除されております。
[2] このニュースレターは、2009年8月7日のプライスウォーターハウスクーパース、Pricing Knowledge Networkに基づいています。(http://www.pwc.com/gx/en/tax/transfer-pricing/pkn-archives.jhtml)