設計段階の不十分な検討が予期せぬ税負担を招きます
2001年の商法改正により新株予約権制度が導入されて以来、従業員または役員に対して、インセンティブとしてストックオプションを付与する事例が増加しています。金銭によって報酬を支払った場合と比べると、ストックオプション制度を導入することにより以下のようなメリットを享受できます。
- 発行会社にとって手元現金を用意する必要がないため、金銭面から報酬コストの削減につながります。
- 企業価値の向上がストックオプションの価値の向上にもつながりますので、目標が明確であり従業員のモチベーションの向上につながります。
- 企業株式の保有を報酬制度に組み入れることにより、優秀な人材の確保や人材流出を防ぐ効果を期待できます。
- 株価の上昇によって、ストックオプションの保有者だけでなく、他の株主の利益にもつながります。
現下の厳しい経済環境の下においても、将来を見据えたストックオプション制度導入の検討をする意義があると思われます。ただし、ストックオプション制度の導入に際しては、税務面からの慎重な検討が不可欠です。
【ストックオプション導入に伴う税務上の問題点】
- ストックオプションを付与する法人の税務上の取り扱い
-税制適格の制度とするのか否か
-税制非適格の制度の場合、いつ損金算入されるのか
-源泉徴収義務はあるのか
- ストックオプションを付与された従業員の課税関係
-いつ(付与時、権利行使時)所得税が課税されるのか
-どのような所得(給与、退職、譲渡、雑)として課税されるのか
-申告は必要か
- ストックオプションを税制適格とするための要件は何か
- 海外の親会社からストックオプションを付与された場合の税務上の取り扱い
- 外部コンサルタントにストックオプションを付与する場合の税務上の取り扱い
- 他の株式報酬制度との有利性の比較
ここがポイント
【ストックオプションの発行法人側の留意点】
税制適格ストックオプションの場合
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- 特定新株予約権等の付与に関する調書を税務署に提出していますか。
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- 被付与者から提出されたストックオプションの付与契約書事項にかかわる誓約等の書面を保存していますか。
税制非適格ストックオプションの場合
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- 個人からの役務提供に対する対価としてストックオプションを付与するものですか。
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- 個人側で給与等の課税が生じる時期(ストックオプション費用の損金算入時期)を把握していますか。発行法人側で源泉徴収義務が生じるケースがあることをご存知ですか。
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- ストックオプションが有利発行または不利発行される場合には適正な時価との差額につき損金算入または益金算入されないことをご存知ですか。
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- ストックオプションが失効した場合、その消滅による利益は税務上益金に算入されないことをご存知ですか。
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- 発行法人は確定申告書に新株予約権の状況に関する別表を添付していますか。
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- 新株予約権の行使に関する調書を税務署に提出していますか。
【ストックオプションの取得者側の留意点】
税制適格ストックオプションの場合
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- ストックオプションの権利行使者は発行法人およびその子会社の取締役、執行役、使用人、またはその相続人に限定していますか。
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- ストックオプションの付与契約書において以下の記載がありますか。
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- 行使期間は、付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間であること
- ストックオプションの行使にかかわる権利行使価額の年間合計額が1,200万円を超えてはいけないこと
- ストックオプションの行使にかかわる一株あたりの行使価額は、ストックオプション契約締結時の時価以上であること
- ストックオプションを譲渡してはならないこと
- ストックオプションの行使により取得する株式につき金融機関等で保管・管理等されること
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- ストックオプションの付与契約書事項にかかわる誓約等の書面を発行法人に提出する必要があることをご存知ですか。