税務争訟支援サービス (STaDi: Solution Services for Tax Disputes)

国民に身近で利用しやすい司法制度の実現の一環として、税務行政の分野でも税理士法が改正され(平成14年4月1日から施行)、税理士補佐人制度が創設されました。具体的には、税理士に税務訴訟での出廷陳述権が付与されませした。かねがね、我が国での税務訴訟案件が諸外国に比しきわめて少ないことが指摘されていましたが、今後は税理士と弁護士のチームワークにより、税務訴訟の活性化が期待されています。

取引がグローバル化・複雑化し、税法の運用解釈が困難を増しつつある今日において、税務当局の処分に対し司法判断を仰ぐことにより、税法の解釈が明確になり租税法律主義のもと公平な租税負担が実現されます。

税理士法人プライスウォーターハウスクーパースでは業界に先駆け、新たなサービスラインとして税務訴訟支援サービスグループ(STaDi)を立ち上げました。税理士法人プライスウォーターハウスクーパースの機関紙である「Global Tax Highlights」およびNews Letterによる重要判例・裁決の情報提供から個別の案件ご相談・訴訟支援まで、企業の税務争訟に関するパートナーとして、独自のノウハウに基づいたサービスを広く提供していく所存です。

1. なぜ今「税務訴訟」が注目されているのでしょうか。
現在進められている司法制度改革の一環として、税務訴訟を含めた行政訴訟一般の制度的な見直しが行なわれています。国税庁のデータによりますと、税務当局(税務署・国税局)による課税処分等を不服とする申立は平成14年で5,119件あり、そのうち税務訴訟として提起されたのは380件(7.4%)に過ぎません。このように低い提訴率は、税務訴訟が納税者の権利保護の手段として十分な機能を果たしていないという現状を物語るものとも言われています。
このような司法の機能不全に対して、税理士による補佐人制度の導入は、納税者にとって利用しやすい税務訴訟制度改革の端緒を開くものと期待されています。最近の税務調査においては、複雑な取引や課税負担の減少を看過できないような事案には積極的な課税処分を行う傾向が見られます。納税者の権利保護のためには裁判の場で税務当局の課税処分の是非を争うことが、今後一層重要性を増すものと考えられています。

 
2. 税務当局による課税処分等について不服がある場合は、どのような救済の道が開かれているのでしょうか。
税務当局(税務署)は納税者に対して、納税額に関する調査(税務調査)を行う権限を有しています。そして、納税者が提出した確定申告書に記載された税額と、税務署が正しいと考える税額とが異なる場合には、税務署はその職権により税額の更正処分を行うことができます。一般にはこの更正処分によって税額が増えるケースが多く、このような更正を増額更正といいます。また、更正処分を行った税務署を原処分庁といいます。納税者はこのような原処分庁の更正処分に不服がある場合は、行政と司法に対して救済を求めることができます。
租税に関する権利救済の手続きでは、行政に対する不服申立(原処分庁に対する異議申立と国税不服審判所に対する審査請求)を経た上で裁判所への提訴が認められており、最初から裁判所での審理を求めることはできません(不服申立前置主義)。訴訟で納税者の請求が認められた場合は、課税処分は遡及的に無効となりますが、判決が確定するまでは当局による処分は有効とされます。

 
3. 税務争訟支援サービスチームでは具体的にどのようなサービスを行なっているのでしょうか。
1) 個別事案・申告相談サービス
近年の経済取引の国際化・複雑化とあいまって租税法令解釈・運用は一層困難を極めつつあります。個別の事案を実行に移す前に、潜在的な税務リスクについて認知し、将来の税務調査で防御を事前に備えておくことはますます重要となっています。税務訴訟支援サービスチーム(STaDi)では、過去の判例・裁決等を漏れなく調査し、個別事案・申告に際してのアドバイスに応じます。
2) 税務調査対応支援
税務申告は法人あるいは顧問税理士が作成・提出される場合でも、税務調査の対応は場合によっては困難を伴う場合があります。このような税務調査対応への支援と致しまして、法令の理論的分析・判例分析に基づく税務当局に対する反論のためのアドバイスに応じます。
3) 税務争訟支援
税務調査の結果、思いも寄らぬ課税処分がなされることがあります。課税処分に対する不服申立の手続き代行、訴訟提起のご相談に応じます。訴訟の段階では、弁護士との共同作業により訴訟支援を行ないます。