OECD移転価格ガイドラインとは、OECD(経済協力開発機構)の租税委員会が策定する、納税者と税務当局との双方に向けられた移転価格税制に関する国際的な指針であり、正式名称は「Transfer Pricing Guidelines for Multinational Enterprises and Tax Administrations(「多国籍企業と税務当局のための移転価格算定に関する指針」)」です。
OECD移転価格ガイドラインは、1979年にOECDが公表した報告書「移転価格と多国籍企業」を1995年に全面的に見直し、ガイドラインとして公表されたものであり、それ以降、経済活動のグローバル化の進展に伴う国際的取引の増加、取引内容の複雑化を踏まえて、国際的な二重課税を排除し、公正な移転価格税制の適用を図るため数回にわたり改定が加えられています。
本ガイドラインは各国に対し強制適用されるものではありませんが、OECDは各加盟国が国内での移転価格税制の執行において本ガイドラインに準拠することを奨励し、かつ納税者にも、移転価格の算定が独立企業原則に従ったものであるかを税務上評価する際に、本ガイドラインに準拠することを奨励しています。なお、現行の日米租税条約の交換公文において、移転価格課税にあたってはOECD移転価格ガイドラインを遵守する旨が述べられており、日米両国に本ガイドラインに準拠した立法および執行を求めています。
最近の動向としては、2009年9月に第1章から第3章までの改定案が公表され、パブリックコメントを経て、2010年7月に承認されました。主な改正点は次のとおりです。
(1)「最適方法ルール」が適用されることに伴い、取引単位利益法の位置付けが変更となり、伝統的取引基準法と同列に扱われることとなった。
(2)第2章第3部を「取引単位利益法」とし、取引単位営業利益法および取引単位利益分割法を具体的に適用する際の指針を整備した。
(3)比較可能性分析に関して第3章を新設し、詳細な指針を示した。
本用語解説は2010年10月1日現在の法令等に基づいて作成されており、これ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。 また、本用語解説は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。 個別にプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本解説の情報を基に判断し行動されないようお願いします。