総合的財政貢献調査 Total Tax Contribution 2011

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TTC2011

本調査は、PricewaterhouseCoopers LLP(PwC英国)が独自に開発した総合的財政貢献調査(Total Tax Contribution Survey)と同様の手法を用いて、税理士法人プライスウォーターハウスクーパースが日本企業を対象に平成23年7月から11月にかけて実施したものである。

今回で2度目となる本調査は、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の協力のもと、各業界で日本を代表する41企業グループの参加を得ることができた。今回の調査では、平成21年度(2010年3月期)および平成22年度(2011年3月期)を対象とし、両事業年度において企業が日本国内で負担した全ての租税および社会保険料等の実額に加えて、企業が政府の代理機関として従業員や顧客等から徴収し、国庫に納付した租税等の公的負担の実額(これら公的負担の総額を「総合的財政貢献額」と定義)を把握し、さまざまな角度からの分析を試みたものである。企業の事業活動に伴って発生する租税等の公的負担は、企業の国際競争力や企業立地選択等に大きな影響を与えると考えられる。しかし、従来、このような国内外の公的負担水準については、主に税制度上の実効税率の相違に基づき議論されるに留まり、企業の公的負担全体の実額を踏まえて分析されたものではなかった。本調査は、公的負担の実額に基づいて、企業の公的負担の全体像を明らかにし、これを年度別および産業別に比較分析を試みた類例のない実証分析である。

平成23年度税制改正による法人税率の軽減と、その一方での課税ベースの拡大、さらには東日本大震災復興税負担が、企業の法人税の実負担としてどのような影響を与えることになるのかについては、今後も本調査を継続することによって明らかになることが期待される。また、景気の変動に大きく左右される法人税の企業の公的負担に占める比率が景気低迷下にあっては社会保険料に比して低くなり、企業における社会保険料負担の企業コストとしての相対的重要性が高まっていく様子なども、今後の調査でより明らかにされるであろう。

本調査を将来にわたり継続的に実施することにより、法人にかかわる税制改正や社会保険料負担等、法人税以外の企業の公的負担の観点から行われる日本企業の国際競争力の維持・強化に向けての議論に有用な視点および資料を提供できるものと考える。さらに近年、主として大企業セクターによる国家財政への貢献度を明らかにし、その透明性を高めることが国際的趨勢として求められる傾向にあるが、本調査はそのような要請にも応えていくことができるものと期待される。

目次

第1章 調査結果の概要
第2章 調査の内容と実施方法
第3章 平成21年度および平成22年度の調査結果
第4章 4事業年度比較
第5章 産業別分析
第6章 税務コンプライアンスコスト