Emerging Trends in Real Estate® Asia Pacific 2014

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アジアの不動産ファンダメンタルズは2014年も堅調
投資見通し・開発見通しランキングで日本が復活
不動産投資市場の上位は東京、上海、ジャカルタ
-「不動産の新しい動向®アジア太平洋2014年」レポート

2013年12月13日 東京発 – アーバンランド・インスティテュート(ULI)とプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は本日、不動産動向調査報告書である「不動産の新しい動向® アジア太平洋2014年」(Emerging Trends in Real Estate® Asia Pacific 2014)を共同発表しました。本調査の結果、日本は政府による大胆な景気刺激策が大きな要因となり、不動産投資と開発投資の見通しランキングでトップ市場の地位に返り咲きました。

本報告書によると、今後一年間の注目すべき市場として、東京はアジア太平洋地域において投資見通しで第1位、開発見通しで第2位となりました。東京のほか、大阪、福岡、札幌などの都市も投資対象市場としての魅力が高まっています。現在、不動産価格の急上昇を想定した物件取得が激増していますが、日本の見通しの改善がこの背景にあると本報告書は指摘しています。

本報告書は投資家、デベロッパー、不動産会社のトップ、金融機関、仲介業者、コンサルタントなど、250名を超える国際的に著名な不動産専門家の見解に基づいて作成されたもので、アジア太平洋地域における不動産投資と開発のトレンド、不動産金融・資本市場の状況、および不動産部門別・都市別の動向に関する見通しを示しており、本日東京で発表されました。

ULIジャパンのエグゼクティブ・コミッティ・メンバーである賣間正人氏(タッチストーン・キャピタル・マネージメント株式会社代表取締役社長)は「日本は回復しつつあり、しかも本物の回復だと確信している」と述べています。「現在、期待利回りは非現実的なものかもしれないが、賃貸市場は確かに底を打っており、資産レベルでは着実に回復の道を歩んでいる。ただし今回の回復では、日本の不動産市場の基本的な構造を正しく理解している者だけが成功できるだろう」。

本報告書は、アジア太平洋地域全体として2014年も各市場の不動産ファンダメンタルズが良好さを維持するとし、主要市場の従来型資産を巡る競争が激化するため、投資対象としてニッチ部門やセカンダリー(二番手)市場の人気が高まると予測しています。また、今年は米国の金融緩和縮小や金利上昇が予測されたものの、アジアの不動産は他の資産クラスと異なりそれによって「ほとんど動じなかった」と述べています。その理由としてソブリン・ウェルス・ファンドと機関投資家のアジア市場向け資金が増加していることや、アジアの資金が中国、シンガポール及び韓国からアジア全域の不動産市場に大量に投入されていることなどを挙げ、そうしたアジア内部からの資金フローによって最大の恩恵を受けている国の一つが日本であるとしています。

J-REIT及び国際ファンドに関して業界を代表するアドバイザーである高木宏氏(税理士法人プライスウォーターハウスクーパース パートナー)は、日本の不動産投資家にとって東京の復活は驚きではなく、不動産取引が既に大幅に増加しており価格も上昇しつつあると指摘しています。特にグローバルファンドが日本で投資を拡大していますが、これは日本が低金利環境にあり経済の先行きが楽観視されているためダウンサイドリスクが小さいと考えられていることが理由となっています。

日本以外では、引き続きジャカルタやマニラなどアジアの新興市場の資産に対する関心が見られ、本報告書はその理由について「キャップレートの低下によって利回りの低下が続いており、また金利の上昇が目前に迫っていると見られるため、投資家は他を凌ぐ利回りを得られる市場や資産クラスにシフトしつつあるため」と説明しています。

2014年の投資見通しにおける上位市場

  • 東京 -トップに躍進したのは東京で、景気浮揚を目指した大胆な経済改革が打ち出されてから急速に投資家を引きつけました。2013年には取引高が急増し、景気刺激策の効果は未検証ながらも、来年も引き続き取得が行われるものと見られます。2014年の開発見通しでは東京は2位にランクされました。
  • 上海 - 投資家にとって「常に魅力的」と評される上海は投資見通しで2位となりました。キャップレートが低下し賃料の伸び率も低迷しているものの、上海の不動産は引き続き国際投資家の関心を集めています。これは知名度が劣る都市への投資に消極的な投資家にとって、上海は有名かつ低リスクの市場と広く受け止められているためです。本報告書は、中国への投資という使命を持ったファンドに対し上海が「一定の安心感」をもたらす場所だとしています。開発見通しでは上海は4位となっています。
  • ジャカルタ - ジャカルタは市場の透明性が低く、権利の確立が困難で、現地の企業や個人投資家との競争が激しいにもかかわらず、投資見通しで3位にランクインしました。ジャカルタで新規供給されたオフィスは以前の物件に比べ質が高く、目下供給不足にあるCBD(中央商業地区)等でスペースを求める企業から大きな需要が続いています。開発見通しではジャカルタは1位となりました。
  • マニラ - 経済が急成長していることに加え、アウトソース先を求める多国籍企業からの人気が高まっており、また透明性の欠如やガバナンスに関する長年の問題が改善を見せたとの認識が広まっていることから、マニラは2014年の投資見通しで第4位となりました。また人口が若く、海外で働くフィリピン人から大量の送金が行われ、欧米に親近感を持つ労働力を有するといった点もメリットになっています。開発見通しではマニラは8位となりました。
  • シドニー - オフィス部門と商業施設部門のファンダメンタルズが比較的弱く、また金融部門と鉱業部門に対する懸念がいくぶんあるにもかかわらず、シドニーは引き続き国内外の機関投資家を引きつけており、投資見通しで5位に食い込みました。今後のオフィスの供給パイプラインが限られているため、投資家はシドニーのCBDについて強気の見通しを示しています。また住宅部門も大幅な改善を見せました。開発見通しではシドニーは11位となりました。

部門別の投資見通し

  • 産業施設/物流部門 - 部門別の投資見通しでは産業施設/物流部門がトップとなりました。本報告書では、アジアでインターネットショッピングが増加しているため保管施設に対する需要が拡大しており、この部門が供給不足状態にあると述べています。産業施設に対する投資のベストの案は中国セカンダリー都市及び上海と広州です。
  • 住宅部門 - 第2位は住宅部門ですが、本報告書は価格の上昇により住宅が買いにくくなっていること、住宅ローンの金利が上昇する可能性が高いこと、及び中国で政府が価格上昇を抑えるために介入しその影響が続いていることについて注意を促しています。住宅部門への投資のベストの案はマニラ、東京及びジャカルタです。
  • オフィス部門 - オフィス部門は投資見通しの3位となりました。オフィスが中位に低迷しているのは「特にコア資産について、同一の取引に向かう投資資金が多すぎ競争が熾烈になっている」ことが原因です。オフィス部門への投資のベストの案は東京、マニラ及びジャカルタです。
  • 商業施設部門 - 商業施設部門は、一部の市場における過剰建設に対する懸念が示されていることから、投資見通しの4位となりました。ただし都心の一等地における機会は引き続き有望です。商業施設部門への投資のベストの案はマニラ、ジャカルタ、東京及び上海です。
  • ホテル部門 - ホテル部門は投資見通しの5位となったものの、観光業が急成長しており、またキャップレートも比較的高いため、総じて堅実と受け止められています。ホテル部門への投資のベストの案は、2020年の夏季オリンピックに向けた準備が始まることから、東京がトップとなっています。

- 以上 -

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