Emerging Trends in Real Estate® Asia Pacific 2011

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2011年における不動産の投資見通しと開発見通しについて、東京の評価が分かれる
アジア太平洋地域は全体として明るい見通し
-「不動産の新しい動向®アジア太平洋2011年」レポート

2010年12月2日 東京発 - アーバンランド・インスティテュート(ULI)とプライスウォーターハウスクーパースLLP(PwC)は本日、不動産動向調査報告書である「不動産の新しい動向 アジア太平洋2011年」(Emerging Trends in Real Estate® Asia Pacific 2011)を発表しました。不動産業界の専門家を対象に行った本調査において、不動産の投資と開発見通しについて、東京については有望との見解が示されました。

東京と日本について投資家の評価は分かれるものの、本報告書はアジア太平洋地域の不動産業界について全体的に楽観的な見通しを示しており、アジア太平洋市場にかかっていた「雲」がなくなり、アジア諸国の多くは欧米に比べて、財政見通しが明るいと指摘しています。本報告書は本日東京で開催された一連のイベントに合わせての発表となり、東京で開催された業界のリーダー達が集まったディナーで、ULIの不動産金融担当シニアレジデントフェローであるスティーブ・ブランクにより本報告書についての詳細な説明が行われました。

ブランクは「現在、大半ではないにしろ多くのアジア諸国が金融危機以前の経済水準に戻っており、不動産市場も緩やかではあるが常態に向かって回復し始めている。ほんの一年前まではアジアのすべての有力な市場において不良資産の発生が広く予想されていたが、実際には全体的には発生することがなかった」と述べています。

税理士法人PwCのパートナーである高木宏は「投資家に対して他の市場と同じレベルの短期的なリターンをもたらしていないとの指摘もあるものの、東京は引き続きアジア太平洋地域で最大の不動産市場となっている。その市場規模と流動性から、投資家は引き続き東京に機会を求めており、東京はアジアの投資戦略をもつグローバルな投資家から応分の配分比率を受けるはずである」とコメントしています。

本報告書はアジア太平洋地域の不動産投資・不動産開発の動向、不動産金融市場や資本市場の状況、及び不動産部門別・都市圏別の動向に関する見通しを提供するもので、投資家、デベロッパー、不動産管理会社、金融機関、仲介業者、コンサルタントなど、国際的に著名な不動産専門家280名を対象にインタビューやアンケート調査を行い、その意見をもとに報告書としてまとめたものです。

低迷する日本経済は東京の評価に影響を及ぼしており、東京の2011年の投資の見通しは昨年から5つ順位を下げて12位となりました。それでも、本報告書は(1)超低金利により、取引のための資金が潤沢であること、(2)外国人投資家の関心が高まっていること、(3)J-REITによる一連の増資、などの理由を東京についての楽観的な見通しの根拠として上げています。

本報告書は「底を打ったとはいえ、地方の資産価格はまだ若干下がる可能性がある」ため、投資家は引き続き東京で機会を求めていると指摘しています。アンケート回答者は、東京の大半の不動産部門について、「購入」でもなく「売却」でもなく「保有」を推奨しているものの、オフィス物件は魅力的であり、「購入」を推奨しています。

2011年の投資見通しにおける上位5都市

本報告書では、2011年の投資見通しにおいてシンガポール、上海、ムンバイ、香港、ニューデリーが上位5都市となりました。

  • シンガポール - シンガポールは2011年の投資見通しで1位となりました。金融とハイテク産業が好調であることから、引き続き大手の投資家を引き付けており、本年のGDP成長率は二桁に達するものと予想されており、向こう3年間においても4%台の成長を維持するものと見られています。
  • 上海 - 上海は2011年の投資評価において順位を1つだけ下げて2位に留まりました。このことは、価格の急上昇に伴って上海への投資に対する関心が若干低下したことを示しているものの、上海は着実に回復へと向かい、引き続き多くの投資家の投資対象となると期待されています。
  • ムンバイ - ムンバイは投資見通しは3位、開発見通しは1位となりました。同報告書は「明らかに、ムンバイの不動産のパフォーマンスは最も良く、最も活発な市場となっている」と述べています。過剰供給が懸念されるものの、ほとんどの不動産部門において、開発の見通しは依然として明るいものとなっています。
  • 香港 - 香港は2011年の投資見通しで4位となりました。グローバルな魅力が景気回復の大きな要因となり、堅調な需要によって賃料は上昇しています。開発の見通しはそれほど明るいものではないものの(開発の見通し全体では12位)、本報告書は、住宅部門の見通しは明るく、「香港の住民の間では、より大きな家に移ろうとする動きが続いている」と指摘しています。2011年の香港の「購入・売却・保有」に関する評価はいずれも、すべての不動産部門にわたって「保有」戦略が中心となっているものの、アンケート回答者の3分の1は商業施設部門とホテル部門については「購入」することを推奨しています。
  • ニューデリー - ニューデリーは、2011年の開発見通しは2位、投資見通しは5位となりました。これは、政府による道路、鉄道、空港の新設などのインフラ強化計画、および都市開発に向けた政府による広大な土地の開発計画の承認によって後押しされました。

全体として、アンケート回答者はアジア地域における不動産業界は世界で最も著しい成長を示しているとみています。本報告書は「アジア経済が拡大すれば、商業用不動産への投資と開発が大きく後押しされる」として、「アジアの不動産市場は回復しており、資金調達も堅調である。アジアの銀行に積極的であり、資本はどこでも手に入れることができる」と言及しています。

本報告書は、高い評価を得ている不動産に関する年次投資調査「Emerging Trends in Real Estate®」のアジア太平洋版として今回が五回目となるものです。

アーバンランド・インスティテュートについて

アーバンランド・インスティテュート(www.uli.org)は土地利用・不動産開発に関する国際的な非営利研究・教育機関(会員制)です。責任ある土地利用にリーダーシップを発揮し、世界中のコミュニティを維持し繁栄をもたらすことをその使命としています。1936年に設立され、あらゆる分野の土地利用と開発分野を代表する約3万4,000人の会員が所属しています。

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