新多国籍企業の台頭(Emerging Multinationals)

今後はインドおよび中国系企業が、海外における新規市場開拓を牽引していく

新興経済国の企業は、母国内で激しい競争にさらされており、人材の確保や海外市場における需要に対応するために海外進出を加速している。

こうした新たな多国籍企業は今後も目立って増加すると予想され、先進国においてはインフラ関連企業やサービス業を行う企業に多くのチャンスをもたらすことになろう。中には、情報通信やテレコムといった高いレベルのサポートを世界中で求めることにより、国際的に経済を牽引する企業も出てくるだろう。

本調査では計量経済的分析手法を用いて、15の新興経済国の代表的なサンプルから、今後15年間で新たに台頭してくる「新多国籍企業」の企業数を予測している。「新多国籍企業」とは、海外に初めて物理的な拠点を設置した企業と定義している。分析対象国は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、ハンガリー、インド、マレーシア、メキシコ、ポーランド、ルーマニア、ロシア、シンガポール、韓国、ウクライナ、ベトナムである。


本調査の予測により、以下の3点の結論が導かれた。

  1. インドは、新興経済諸国の中で最大の新多国籍企業輩出国とみなされている中国を凌ぎ、最も多く新多国籍企業を輩出すると見込まれる。
  2. 南米諸国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、メキシコ) が輩出する新多国籍企業は比較的少ないと予想される。
  3. 輸出志向の東南アジア2カ国(マレーシア、シンガポール)、産油国のロシア、および新たに工業化が進展している韓国は、新多国籍企業を多く輩出するであろう。

また、本調査は業種や進出国に関する新多国籍企業の行動変化についても考察している。将来、以下の2点が起きると予想される。

  • 新興国から他の新興国への域内投資から、先進国へ直接進出を行う新多国籍企業の割合が増加する。
  • 新多国籍企業の業種は、天然資源開発の分野は減り、サービス業や高付加価値の製造業が増加する。
2010年 - 2024年に台頭する新多国籍企業数(予測)
India China Korea Singapore Russia Malaysia Brazil Poland
2219 2079 1001 961 930 659 414 287
Vietnam Mexico Hungary Chile Argentina Ukraine Romania  
252 229 221 211 205 192 189