職員からのメッセージ 高橋輝行

移転価格パートナー 高橋輝行

大学を卒業後、事業会社にて経理を担当。途中シンガポールの子会社に5年間勤務後、現地のプライスウォーターハウスに入所。シンガポールの会計士資格を取得し税務を担当、移転価格に携わる。2002年より税理士法人プライスウォーターハウスクーパース勤務。

移転価格とはあまり馴染みのない言葉ですが、具体的にどのような業務を提供しているのですか?

移転価格というのは、簡単にいうと日本と海外の関連会社間で行われる棚卸資産やサービスなど、さまざまな取引(関連取引)についてその対価(移転価格)の妥当性について検討し、合理的に説明するという業務です。ここ数年、移転価格にかかわる更正事例がニュースになることが多くなり、どの会社も移転価格の重要性を認識してきていると思われますが、特に日系企業では、まだまだ対応策をとってないところも多く、移転価格調査が入るといったような緊急を要する状況で私たちがアドバイスを提供する場合が多くなっています。

そうした場合には、クライアントが行う関連取引の内容、その取引にかかわるクライアントと各海外関連会社の機能とリスク、現状の移転価格の設定方法などを分析し、また実際に調査に立会い、クライアントが移転価格の妥当性を説明できるよう、支援します。

一方外資系の企業では、通常、海外本社にグループ全体の移転価格についての責任者がいるので、移転価格について調査が入る前の早い段階からクライアントと一緒に分析を行い、移転価格ポリシーを決定していく作業をサポートします。また、調査の結果、更正を受けた場合には、国内での異議申し立てをすると同時に、2カ国間の相互協議の申請をサポートし、問題解決の方向へ導きます。調査が終わって問題がなかった場合や課税が行われた場合にも、将来における移転価格リスクを排除するため、各国の税務当局間で特定の取引における移転価格の合理性について合意してもらう事前確認(APA)の申請をする場合もあります。APAの取得については、ここ数年、税務当局の調査が積極的になったことも受け、検討されているクライアントは増えてきていますね。

クライアントと一緒に仕事をして信頼を勝ち取れば、何年もの長い間お付き合いをしていけるというのが、私たちの仕事の醍醐味だと思います。

この業務におけるPwCの強みとは何ですか?

ビジネスの仕方が少し違うという部分でしょうか。ほかの事務所ではパートナーが営業に回って、実際の仕事はその下のレベルの人間が主に担当するというのをよく耳にします。しかし、私たちは基本的にパートナーが仕事の第一線に立って作業をしますので、クオリティの高さは自負しています。さらに採用過程での厳しいハードルをクリアした優秀なスタッフに、OJTでのトレーニングもハードなものを課していますので、人材には自信があります。

また、私たちはしっかりしたグローバルネットワークを持っています。たとえば世界各国のPwCメンバーファームのパートナーや、一部シニアマネージャーを含む移転価格担当者が、年に一度、一堂に会して会議を行います。そこで世界における移転価格についての現状の問題点などの情報をアップデートし、同時に重要なクライアントを招待し、個別にそのクライアント固有の移転価格に関するさまざまな事柄についてアドバイスをするということも行っています。

マネージャー以下のスタッフには、PwC各メンバーファームから同程度のレベルのスタッフを集めてレベルに合わせたトレーニングを実施します。過去には、ボストン、上海、シドニーでのトレーニングに私たちのスタッフが参加しました。また、海外のPwCメンバーファームへ出向してもらい、実際に海外の移転価格チームと働くことで、海外の移転価格税制について知識を広げてもらったり、また人的交流を深めてもらったりすることもあります。

移転価格部で働くためには、どのような能力が要求されますか?

ここでの仕事というのは、さまざまなデータベースを検索して、分析対象となる関連取引と比較可能でクライアントの移転価格の合理性をサポートできる第三者間の取引(会社)を探したり、財務諸表を分析するといった緻密な作業があります。一方、クライアントにインタビューして取引の内容、各関連会社の機能やリスクの内容、その他、移転価格の妥当性をサポートできる事実関係を聞き出していくというコミュニケーションの能力も必要になります。

また、移転価格の妥当性を合理的に文章で説明する能力や、時には調査官と積極的に討議するなど幅広い能力が必要になります。元気で覇気があり、理路整然と物事を説明できる人、自分から積極的に意見し行動できる人が来てくれると嬉しいです。私たちの仕事は、知識だけでなく経験がものを言う場面もあります。若いうちにいろいろ経験し、何事にも向上心を持って取り組む姿勢がそこでも生きてきます。

移転価格部は、他部署に比べて外国人比率が高いようですが、英語力はどの程度必要でしょうか?

業務上、海外のクライアントやPwCメンバーファームの担当者と英語でやりとりをする機会が多いので、英語力があればいいに越したことはありません。ただ、TOEICやTOEFLで高い点数をとってさえいればいいというものではなく、私たちの現場では高いレベルでビジネス英語を話す、読める、書けるという能力が求められます。しかしながら、最初からそれができることを期待しているわけではなく、専門用語や独特な言い回し、プロとしての書き方等はOJT(On the Job Training)で学んでいくことができます。英語での業務をいやがらず、慣れ親しむことができ、さらに英語力を磨こうと努力できる方がふさわしいと思います。

税理士や公認会計士等の有資格者は、移転価格部の業務のどのような場面で、その特性を生かすことができますか?

移転価格に関する業務は基本的に税法に対する理解が大切なため、一般的な税務の知識が役立つと言えます。そして税務調査の際は、税理士有資格者の立会いが求められますので、税理士資格は有効です。また、財務諸表の数字分析やクライアントの経理担当者とのやりとりで会計の知識が求められる場が多くありますので、公認会計士もその能力を生かすことができると思います。

これから税理士法人プライスウォーターハウスクーパースに入ろうと考えている皆さんへメッセージをお願いします。

資格がないといけないのではないか、堅い職場ではないかと心配されている方もいると思いますが、実際には門戸は非常に広いです。ここではいろいろな経験が役に立ちます。何か自分に特技がある方や、海外に出て活躍したいなど前向きな気持ちをお持ちの方、是非一緒に働きましょう。