近年の改正を踏まえた重要論点-清算所得課税廃止に伴う影響 [PDF 85KB]
平成22年度税制改正において、清算所得課税は廃止された。清算所得課税はわが国法人税制の沿革上古くから採用されてきた制度であり、その中枢をなしている各事業年度の所得に対する法人税を補完するものとして位置づけられてきたが、この度これが廃止されたことで、清算法人に対する課税方式がその仕組みの根幹から変更されることとなった。
平成22年度税制改正大綱の公表後、本誌2010年3月号において、「清算所得課税の廃止」と題して、税制改正後に清算法人に適用されうる税務上の取扱いについて検討を行ったが、その後の法令の公布、通達及び質疑応答事例の公表によって、当時明確でなかった事項の大部分については、その取扱いの詳細が明らかになってきた。
本章においては、まず,平成22年度税制改正前の制度(以下、「旧税制」)における清算所得課税の仕組みと株主に係る税務の概要、平成22年度税制改正後の制度(以下、「新税制」)における清算法人に係る税務と株主に係る税務の概要を確認した上で、清算所得課税の廃止に伴う影響に関し、清算法人側の影響と株主側の影響のそれぞれについて考察を行うこととしたい。
また、平成23年度税制改正大綱が平成22年12月16日付で公表されていることから、平成23年度税制改正が法人の清算に関係する税務に与える影響についての検討も試みることとしたい。
なお、本文中意見にわたる部分は筆者の私見であり、また、説明の便宜上、特に断りのない限り、連結納税上の取扱いについては割愛する。
著者:
税理士法人プライスウォーターハウスクーパース シニアマネージャー 高野 公人