紛争鉱物開示規制への対応支援サービス

2012年8月、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission:SEC)において、紛争鉱物の使用および当該紛争鉱物の原産国がコンゴ民主共和国またはその近隣諸国であるか否かの開示を、企業に義務付ける最終ルールを可決しました。

紛争鉱物開示規則の背景

2010年7月に成立した米国の金融改革規制法(ドッドフランク法)において、コンゴおよびその周辺国における“紛争鉱物”の使用について報告を義務付ける条項が盛り込まれました。同地域の紛争では鉱物が武力勢力の資金源となっており、本規則は悲惨な人権侵害を引き起こす反乱軍の資金源を絶つことを主な目的としています。

本規則では、SEC上場企業に対し、サプライチェーンの調査およびデューデリジェンスの実施を求めており、ハイテク・自動車・電機・通信・産業機器をはじめとした広範な業界、また、サプライチェーンを通じてSEC非上場を含む多くの企業にその影響が及ぶものと考えられます。

紛争鉱物に関するSEC開示規則の概要

【対象企業】
米国証券法の規則13(a)または15(d)に基づき、SECに対し年次報告書を提出する企業、かつ自社で製造ないし製造委託している製品の機能または製造のために紛争鉱物(タンタル、錫、金およびタングステン)を必要とする企業が対象となります。

【規則概要】
本ルールは以下の3段階の措置により構成されます。

 
第1段階
  • 企業は自社が製造または製造委託している製品に含まれる紛争鉱物が、当該製品の機能または製造のために必要であるか否かを判断
  • 自社が製造または製造委託している製品に紛争鉱物が含まれていないと企業が判断した場合、これ以上の措置は不要
第2段階
  • 製品の機能または製造のために紛争鉱物が必要である場合、当該紛争鉱物の原産国がコンゴおよびその周辺諸国であるか、またはスクラップないしリサイクル由来であるか否かを判断するための合理的な「原産国」調査を実施
  • 企業は当該判断、調査の過程および調査の結果を、Form SD と呼ばれる新たな文書により毎年開示し、SECに提出しなければならない
第3段階
  • 紛争鉱物の原産国がコンゴおよびその周辺諸国の可能性がある、または実際にそれらが原産国であった場合で、かつスクラップないしリサイクル由来ではないと考えられる場合、紛争鉱物の起源および加工・流通過程の管理に関して、米国あるいは国際的に認められたフレームワークによりデューデリジェンス(DD)を実施
  • DDに基づき、Form SDの添付書類として、(1)コンゴ紛争と無関係である、(2)コンゴ紛争と無関係でない、(3)コンゴ紛争との関係は不明である、のいずれかを記載した「紛争鉱物報告書」を提出
  • 上記(1)および(2)と判断された場合、独立した監査を受け、紛争鉱物報告書の一部として監査報告書を含めなければならない。なお上記(3)の場合は、2年間(小規模開示企業では4年間)の猶予期間が設けられている

【対象期間】
当該規則の報告期間は、企業の会計年度に関わらず暦年で1月1日~12月31日が対象となり、初回の報告期間は2013年1月1日~2013年12月31日で、2014年5月31日が提出期限とされています。

 

PwCのサービス

PwCは、グローバルの豊富なナレッジやネットワークをベースに、環境・CSR、サプライチェーン・マネジメントおよび監査・情報開示の専門家が連携し、的確なサービスを提供します。

Risk assessment & Strategy

SEC規則の理解、現状調査、戦略の策定

  • SEC規則および関連するガイドラインなどの理解を深める
  • サプライヤー・リスク・アセスメントを実施する
  • 課題、および戦略的なアプローチを検討する
Design & Implementation

デューデリジェンス・プロセスの設計、効果的な運用の検討

  • リスクアセスメント結果に基づき、適切なデューデリジェンスの方針や手順を設計する
  • OECDガイダンス*を遵守する上で直面する課題への対応方法を検討する
  • 政府、地域または業界団体が牽引するプログラムなどへのさまざまなアプローチを検討する
  • 効率的なデータ収集・管理方法、情報管理システムを検討する
  • 従来のサプライヤー選定・管理プロセスを見直す
Audit

監査の実施

  • 監査に向けてpre-assuranceを実施し、課題を特定、検討する。
  • SEC規則、PwCのアプローチおよび関連するガイダンス等に基づいて監査を実施する
Reporting

レポーティング

  • SEC規則に基づく報告内容を整理する

OECDガイダンス
(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Supply Chains of Minerals from Conflict-Affected and High-Risk Areas)

情報の透明性を高めることで企業の紛争関与を防ぐことを目的としたガイダンス。次の5つのステップからなる。

  1. 頑強なマネジメントシステムの構築
  2. サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価
  3. 特定されたリスクに対応するための戦略の構築と導入
  4. 独立第三者機関による監査の実施
  5. サプライチェーンのデューデリジェンスに関する報告
 
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