6つの主な課題

「持続可能な社会づくり」のために今、早急に対応すべき課題が6つあります。

現在の緊急課題

排出量取引と炭素税(Emission trading schemes and carbon taxes)

低炭素社会への移行は、気候変動への脅威とともに始まり、今日では、産業界、国家レベルに広く認識されています。
市場メカニズム(排出権取引制度・CDMなど)と炭素税を組み合わせることで、炭素の価値によって、新たな行動を誘導していく制度を設計するものです。これは、企業と政府が取り組まなければならない新たなリスクと機会を生み出し、ビジネスのあり方を転換させるでしょう。

カーボンマネジメント/サステナビリティマネジメント(Carbon and sustainability management)

化石燃料や資源の大量消費の経済から、低炭素で持続可能な社会へ移り変わるために、マクロ的なビジネス戦略を実行していく必要があります。
化石燃料から再生可能エネルギーへの転換、サプライチェーンや運輸段階でのCO2の削減などを、国境を越えて取り組んでいく必要があります。
リーダーは、持続可能性を重視した企業活動を行うにあたり、自身の保有する財務、人的資源のみならず、共有物である天然資源や自然を適切に管理するためには、コストや貨幣価値などの計れないものも考慮し、大きく経営を転換していく必要があります。

バリューチェーンマネジメント(Value chain management)

サプライチェーンは、「低コストの国から調達を行う」という戦略を推し進めたことにより、世界中に複雑な調達網を発展させました。
しかし、この「低コスト」概念は、調達に関連する全てのコストを反映するものではありません。
グローバル・サプライチェーンとは、効率の向上とあわせて、生態系の劣化、限りある天然資源の枯渇などの、従来、考慮していないコストも、全て織り込んで発展していくべきでしょう。
効率の向上においては、エネルギーや資源の消費量を最小化し、再生可能エネルギーの使用や資源の再利用を行い、社会全体での系を循環させていきましょう。
したがって、企業はこれらの効率を向上させるために、自らのバリューチェーンのデータ収集、報告、連絡・コミュニケーションを改善する必要があるでしょう。

コンプライアンス、ガバナンス、リスクマネジメント(Governance, compliance and risk management)

気候変動や生物多様性問題、労働問題、アジア経済圏へのパワーシフトなどのメガトレンドに対応するために、各国政府は、政策と規制の整備を進めています。
しかし、グローバリゼーションを推し進めていく企業にとっては、先進国のみならず、途上国も含めた複数国で事業を行っているため、各国での政策や規制のばらつきにより、ガバナンスは一層複雑になる傾向にあります。
すなわち、世界基準で、またグローバルな視点で、ガバナンスやコンプライアンス、リスク管理の課題に対応し、さらにそれにより機会に転じることもできるでしょう。

統合的レポーティングと監査(Integrated reporting and assurance)

今日、財務情報と非財務情報の統合を志向する企業は、内部報告と外部報告など従来型の財務情報を中心としたレポーティングの仕組みに限界があることに気づき始めています。
近年注目される財務情報と非財務情報の「統合報告(Integrated Reporting)」は、複雑さを増すビジネス環境の中で、経営者やステークホルダーに対して、その意思決定に必要な情報を適切に提供することが期待されています。 さらに、ステークホルダーの多様な情報要請に対して、提供した情報がステークホルダーのニーズに照らして真に適切であったか、広く保証を得る必要があります。

“グリーン” 投資("Green" investments)

社会インフラ整備への投資は、発展途上国において、温暖化対策や生物多様性問題も同時に解決するようなプロジェクトが増えていくでしょう。
再生可能エネルギーや‘スマート・シティ’といったプロジェクトは、発展途上国の経済発展とともに、さらに投資が加速していくでしょう。
また、生物多様性については、金融スキームが新たに開発、検討されています。
企業は、現状の投資、意思決定の基準から、新たに長期的な視点でのリスクと機会の考え方に変えていく必要があるでしょう。

 
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