PwC、「経済犯罪実態調査 2014」を発表-企業犯罪が世界的に増加し、すべての業種・地域に被害の影響及ぶ

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調査回答企業の約40%が不正行為の被害に遭い、25%がサイバー犯罪を報告


PwC Japan

本プレスリリースは、2014年2月19日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。

2014年2月19日 ニューヨーク - 企業およびその他の組織に対する経済犯罪が世界中で増加しています。PwCが発表した「経済犯罪実態調査 2014」によると、経済犯罪の被害に遭ったと回答した企業・組織が全体の37%に上り、2011年調査に比べて3ポイント上昇しました。また、犯罪行為の主要な手段としてテクノロジーが使われる傾向が高まる中、回答企業・組織の約25%がサイバー犯罪の被害に遭ったと報告しています。

PwCが全世界を対象に実施した本調査は、経済犯罪に関する調査としては最も広範囲に及ぶもので、今回の調査により、回答企業・組織の69%が挙げた資産の流用が、依然として最も多く発生している経済犯罪であることが判明しました。次いで、調達に関する不正行為(29%)、贈収賄や汚職(27%)、サイバー犯罪(24%)、そして不正会計(22%)という結果になっています。このほかに、人事関連の不正行為、マネーロンダリング、知的財産やデータの盗用、不動産担保ローンにおける不正、税金詐欺などの犯罪について報告がありました。

経済犯罪による直接的な損失額を正確に算定するのは困難ですが、被害を受けたと回答した企業・組織のうち20%が100万米ドルを超える損失が発生したと認識しており、1億米ドル超の被害が発生したとする企業・組織も2%(30組織)ありました。

2014年調査では、調達に関する不正行為という分類を初めて設けましたが、回答企業・組織の約30%から被害の報告がありました。調達における不正行為は、物品やサービスを取得する上でも、新たなビジネスチャンス獲得に向けて競争する上でも、企業に不利益をもたらすため、二重の意味で脅威とみなされています。

副次的な損害が大きく及んだ領域としては、従業員の士気(31%)、会社の評判および取引先との関係(それぞれ17%)が挙げられています。しかし、このような財務的損失と副次的な損害があったにもかかわらず、経済犯罪の発生によって株価に影響があったと回答した企業・組織は、わずか3%にとどまりました。

PwCのフォレンジックサービス部門のパートナーで、本調査報告書の監修者でもあるスティーブン・スカラック(Steven Skalak)は、「経済犯罪はしつこいウィルスのように、何とか撲滅しようと常に闘っていても、はびこり続けます。世界のどの地域のいかなる規模の組織であろうと、不正行為やその他の犯罪の影響を免れることはできないでしょう」とし、「経済犯罪者は、テクノロジーへの依存の高まりや新興諸国経済の拡大といった世界情勢の変化にうまく適応することで犯罪を成功させています」と述べています。

さらに、「企業活動に不可欠なさまざまな業務システムに対する脅威は、直接もたらされる金銭的損失よりも深刻です。経済犯罪は、企業の内部プロセスに損害を与え、従業員の品位を貶め、企業の評判を傷つけることになります」と述べています。

経済犯罪はどこで起きるか?

経済犯罪は世界中に蔓延する脅威です。地域別ではアフリカが最も多く、2011年調査の59%よりは低くなったものの、回答企業・組織の50%が犯罪の被害に遭ったと回答しています。続いて北米(41%)、東欧(39%)、中南米および西欧(それぞれ35%)、アジア太平洋(32%)、中東(21%)の順になっています。

また、65カ国・地域の企業・組織が経済犯罪を経験したと回答しており、被害にあった企業・組織の割合を国別で見ると、南アフリカ共和国が69%で最も高く、2011年の60%を上回りました。ウクライナでも3年前の36%から2014年は63%に、ロシアは2011年の37%から60%に、オーストラリアは2011年の47%から57%に、それぞれ大きく上昇しています。

今回の調査では、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国、トルコ、メキシコ、インドネシアの新興8カ国の回答企業・組織の40%から経済犯罪を経験したとの報告があり、これらの諸国への富の移動が、この結果の背景に一部あることを示す結果となりました。

どの業種が最も大きな被害を受けたか?

業種別に見ると、金融サービス、小売・商業、通信で経済犯罪が最も多くなっています。いずれの業種においても経済犯罪の被害に遭った企業・組織の割合が50%近くありました。金融機関はサイバー犯罪やマネーロンダリングの被害に遭うケースが多く、小売・商業と通信では資産の流用の被害が最も多くなっています。ホスピタリティ・レジャーと政府機関も、それぞれ回答企業・組織の41%が被害を報告しており、経済犯罪の発生率が高くなっています。

誰が不正を行うのか?

一般的に経済犯罪は、動機、機会および犯罪に対する自己正当化という3つの条件がそろったときに発生します。本調査によると、経済犯罪の56%は社内の人物による犯行で、40%が社外の人物によるものです。しかし、業界によって状況は大きく異なります。たとえば金融サービスでは、社外の人物による犯行が60%近くを占め、社内の人物によるものは36%となっています。

全世界的に見て、経済犯罪の5分の1が経営幹部による犯行で、42%が中間管理職、34%が若年もしくは職位の低い社員によるものです。

不正行為を行った者の特徴として典型的なのは、大卒あるいはそれ以上の学歴を持ち、現在所属している組織に相当長い期間勤務している中年男性です。全世界的に見て、不正行為の半数近くが勤務年数6年以上の従業員によって、また、ほぼ3分の1が勤務年数3~5年の従業員によって引き起こされています。

不正行為はどうやって発覚するか?

本調査によると、経済犯罪の55%は、疑わしい取引の報告、内部監査、不正リスクマネジメントなどの社内の統制を通して発覚しています。内部告発制度または密告による発覚は約4分の1、残りの約5分の1は、法執行機関やメディアにより発覚した、または偶然に発覚したケースなどです。

本調査では、経済犯罪はほぼすべての分類において、今後も増え続けると予想されていることが明らかになりました。PwCの「第17回世界CEO意識調査」においても同様の結果となっています。世界中のCEOも経済犯罪による影響の大きさについて認識しており、「市場からの信頼を失うこと」が市場における主要な問題であると回答したCEOは全体の50%に及び、1年前の37%から大きく上昇しました。また、贈収賄や汚職もCEOの最大の懸念事項の1つとなっています。

以上

注記:

「経済犯罪実態調査 2014」は、2013年8月から10月にかけて、95カ国5,128名から回答を得て実施しました。回答者のうち、50%は経営幹部、35%は上場企業に所属、54%は従業員1,000人超の組織に所属、となっています。

より詳しい情報については、pwc.com/crimesurveyをご覧ください。

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