PwC、年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2014-2018」を発表

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PwC Japan

本プレスリリースは、2014年6月3日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。

2014年6月3日 ニューヨーク - 2013年から2018年までのデジタルサービス分野のエンタテイメント&メディア(以下、E&M)業界における消費者支出と広告収入は、総計で年間平均成長率(以下、CAGR)12.2%の成長を示し、世界全体のE&M業界における消費者支出ならびに広告収入(ただし、インターネットアクセス分野における消費者支出を除く)の伸びの65%を占めると予想されます。特に、広告収入がけん引役となっており、2018年には、広告収入全体の33%をデジタル広告が占めると予想されます。 一方、消費者支出に占めるデジタル支出の割合は17%にとどまる見通しです。

しかし、デジタル化が進む中、デジタルコンシューマーからの収益増の実現にはデジタル技術の適用が重要なのではありません。PwCの年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2014-2018」(以下、本アウトルック)によれば、デジタル化の流れの中で最も大切なことは、デジタルマインドセットを持つこと、すなわち、企業組織において一人一人が、デジタル化の中で顧客が求める体験に対応する姿勢を持つことです。さらに企業は、これまでのデジタル技術戦略からデジタル時代に適したビジネス戦略へと、デジタル戦略を発展させる必要があります。

PwCのエンタテイメント&メディア部門のグローバルリーダーであるマルセル・フェネス(Marcel Fenez)は、次のように述べています。

「デジタル時代に適した戦略の基本は、デジタルマインドセットです。すなわち、全社をあげてあらゆる業務において顧客に近づくことが必要です。現在、多くのE&M企業がこの点に留意していますが、顧客にさらに近づき、今まで以上に顧客の要求に柔軟に対応するビジネスモデルを採用する必要があります。そのためには、3つの行動を実践し、示さなければなりません。その3つの行動とは、顧客との信頼関係の構築、迅速かつ機敏な対応に対する自信の確立、そしてイノベーションの強化です。これはデジタルコンシューマーから収益を得るための重要なステップです」

近づきつつある広告市場の大きな転換点

2018年にはモバイルインターネットの普及率が 55%に達すると予想され、広告収入全体に占めるデジタル広告のシェアは2009年の14%から2018年には33%に上昇する見通しです。インターネット広告収入は、CAGRが10.7%と高く(広告全体のCAGRは4.4%、業界は大きな転換点を迎えようとしています。2018年にはインターネット広告収入がテレビ広告収入を追い抜くと予想されます。2009年はテレビ広告収入がインターネット広告収入の2倍でしたが、2018年にはインターネット広告収入とテレビ広告収入の差はわずか200億米ドルまで縮まるとみられます。モバイルインターネット広告収入は CAGR 21.5%の伸びが予想されます。

デジタルコンシューマーからの収益確立: ビジネス課題と機会

2018年に、デジタル配信コンテンツへの消費者支出(インターネットアクセス分野における消費者支出を除く)は、消費者支出全体のわずか17%と予想されています。一方、デジタル広告は広告収入全体の33%の予測となっています。しかし、デジタルコンシューマーから収益を得る鍵となる「常時アクセス(24/7アクセス)」と少額取引(マイクロトランザクション)への成長は、より多くの選択肢と優れた顧客体験を提供する柔軟性の高いビジネスモデルの採用が重要であることを示しています。 本アウトルックでは、電子ホームビデオ(オンライン有料ビデオレンタル/デジタルダウンロード(OTT))およびデジタル録音音楽配信が消費者支出において最も成長性が高いサブセグメントとして挙げられ、年間成長率はそれぞれ 28.1%、13.4% を見込んでいます。

成長をけん引する9つの市場

9つの高成長市場が世界のE&M業界の消費者支出と広告収入をけん引しています。中国、ブラジル、ロシア、インド、メキシコ、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンおよびインドネシアの9カ国が世界のE&M業界の消費者支出と広告収入に占める割合は2009年の12.4%から2018年には21.7%に上昇すると予想されます。また、2018年には中国が日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位のE&M市場になる見通しです。

PwCのエンタテイメント&メディア部門のグローバルリーダーであるマルセル・フェネスは、次のように述べています。

「高成長市場ではいずれも台頭する中産階級がE&M業界における消費者支出をけん引していますが、それ以上の共通点はありません。収益を確実に得るためには各市場の特徴をしっかりと把握することが必要です。現地市場の状況に精通している点を考慮すると、各市場の国内企業が、台頭する中産階級が生み出すビジネス機会を通じ、収益を得る格好の位置にいるといえます。従って、グローバル企業にとって最良のアプローチは現地企業と提携することです」

消費者のオンライン化の動きに合わせ、広告がデジタル化を先導

  • 今後5年間でテレビ広告収入に占めるインターネットテレビ広告の割合は2倍に拡大する見通し。従来の放送会社のインターネットテレビ広告収入は2013年の37億米ドルから2018年には97億米ドル に増加し、テレビ広告全体の収入に占める割合は2013年の2.2% から2018年には 4.5% へと2倍以上に増える見通しです。従来の放送会社は依然として市場を支配しており、インターネット分野でのビジネス機会に対応し、かつ、インターネット企業との競争においても、極めて有望である新たな収入源を作り出そうとしています。
  • 2014年にモバイル広告はインターネット三行広告を追い越す見通し。2014年には世界のモバイルインターネット広告収入が189億米ドルに達し、インターネット三行広告を抜いて第3位のインターネット広告チャネルになると予想されます。しかし、多種多様なタブレットの発売を背景に4年間にわたる力強い成長の後、モバイル広告収入の年間成長率はタブレット登場以前の水準に戻りつつあります。成長を維持するためには、広告主は大型スクリーン上のバナーを携帯端末上に移動させるだけではなく、さらなる努力が必要です。
  • 電子版一般雑誌の広告収入はオンライン購読料収入を大きく上回っている。2018年には世界のオンライン一般雑誌広告収入が124億米ドル(CAGR:17.6%)に達すると予想される一方、オンライン購読料収入 は57億米ドルにとどまる見通しです。一方、一般雑誌の印刷広告収入のCAGRは-3.9%を見込んでいます。現在、広告の中心は雑誌ウェブサイトですが、オンライン購読の増加に伴い、広告主にとって電子版への広告が次第に普及すると考えられます。
  • デジタル屋外広告収入は、特に高成長市場で急拡大するとみられる。世界的にデジタル屋外広告(CAGR:16.2%)が屋外広告収入全体の成長を後押ししていますが、一部の高成長市場ではCAGRが30%超と、デジタル屋外広告収入がさらに急速に拡大する見通しです。なお、2017年までには中国が世界最大のデジタル屋外広告市場になると予想されます。

デジタルコンシューマーからの収益確立を成功に導くのは、選択肢と優れた顧客体験の提供

  • 有料テレビ視聴はオンライン視聴(OTT)の勢いにひるむことなく、世界の各市場で成長を続ける。世界の有料テレビ放送収入 (ライセンス料を除く)における今後5年間のCAGRは3.5%を示し、2018年には2,360億米ドルに達すると予想されます。従って、有料テレビは、オンライン視聴(OTT)や他の競合メディアへの対抗策を講じたことが功を奏し、安定した地位を維持すると考えられます。
  • 興行収入の回復は映画の根強い人気を示している。2014年の世界の映画興行収入はホームビデオ収入を上回り、2018年には2013年の361億米ドルから459億米ドル(CAGR:4.9%)に増加する見通しです。多くの成長市場で、映画館は台頭しつつある中産階級向けに建てられています。
  • 電子版新聞の消費者支出は急増したが、デジタルへの移行の証明にはならない。2013年に電子版新聞の購読料収入は 66.2%増加しました。しかし、個々の新聞社は増益を達成したものの、デジタルへの移行に前向きな新聞社は少ないのが現状です。2018年には電子版の購読料収入に占める割合は世界的にはわずか8%にとどまると予想されます。
  • 常時アクセス(24/7アクセス)が成長しつつあるデジタルコンシューマーの収益を後押し。最も収益性が高い2つのサブセグメントは、消費者がいつでも支払いできるビジネスモデルを採用しています。デジタル録音音楽配信の収入は CAGR13.4%の伸びを示し、電子ホームビデオ(オンライン有料ビデオレンタル/デジタルダウンロード(OTT))の収入は28.1%の成長が見込まれています。これらの成長率はアナログにとどまる消費者市場の低迷を埋め合わせるだけでなく、他セグメントにとって今後の方向性を示唆するものでもあります。
  • 2018年には世界的に電子ホームビデオの収入が従来型ホームビデオを上回ると予想。世界的に、オンライン有料ビデオレンタル/デジタルダウンロード(OTT)と放送局のオンデマンドサービスを合わせた収入はCAGR 19.9%の成長が見込まれ、2018年には従来型のホームビデオの収入(DVDおよびブルーレイディスクの販売とレンタル)を上回ると予想されます。
  • 2014年には録音音楽のデジタル配信における収入がCDなどの従来媒体による収入を上回る。2014年には、世界のデジタル配信音楽の収入は101.8億米ドルに達すると予想され、初めてCDなどによる従来媒体の収入(推定101.7億米ドル)を上回る見通しです。消費者向けサービスの強化が売上高を押し上げ、2018年には音楽産業全体の収入は前年比 0.1%減にとどまると予想されます。
  • 定額読み放題サービスはまだ規模が小さいが、転換の可能性がある。弾みがつくのはこれからですが、定額サービスのユーザーと事業者の数は遠からず限界点に達するでしょう。購読者数の拡大に伴い、購読料と広告収入は増えるとみられます。
  • インターネットゲームが参加者を拡大し、少額取引(マイクロトランザクション)が収入増を支える。インターネットゲーム(ソーシャルゲームを含む)は、海賊版の横行で低迷すると見られていたものの、料金設定の多様化というビジネスモデルで市場を新たに切り開きました。現在、世界第2のインターネットゲーム市場は中国です(2013年は42億米ドル)。2017年にはロシアがドイツを抜いて世界第7位になると予想されます。少額取引がビデオゲーム市場の拡大を後押しし、2018年のビデオゲーム全体の収入は890億米ドル(CAGR:6.2%)、コンソールゲーム全体の収入は319億米ドル(CAGR:4.9%)に達する見通しです。

以上

注記:

「アウトルック」について

今年で第15回目を迎えるPwCの年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2014-2018」は、世界54カ国、エンタテイメントならびにメディア業界に関連する13セグメントの消費者支出、広告収入について、過去5年の実績および今後5年の予測数値を掲載するのみならず、グローバル全体、地域/国別、セグメント全体および各セグメントの動向のポイント、動向の鍵をにぎるホットトピックについてのインサイトを掲載する情報サイトです。詳細については、http://www.pwc.com/outlook[English]をご覧ください。

「アウトルック」のセグメント

有料テレビ放送・ライセンス料、テレビ広告、インターネットアクセス、ラジオ、屋外広告、ビデオゲーム、映画、新聞、雑誌、B2B、インターネット広告、書籍、録音音楽

「アウトルック インサイト」について

本プレスリリースのほとんどの内容は、「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2014-2018」のデータを基に作成した「アウトルック インサイト」から引用しています。PwCは今後も継続的に情報サイトに掲載されているデータを更新するため、「アウトルック インサイト」および本プレスリリースのデータは、情報サイトに掲載されているデータと整合しないことがある点にご留意ください。オンライン版「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2014-2018」は、消費者支出と広告収入に関する最新データを掲載したソースになります。

デジタル分野に関連する消費者支出および広告収入

デジタル分野における消費者支出および広告収入を構成する関連項目は、以下のとおりです。インターネットアクセス(固定ブロードバンドおよびモバイル)、有料衛星ラジオ、デジタルゲーム(PCおよびゲーム機)、オンラインおよびモバイルゲーム、電子ホームビデオ(オンライン有料ビデオレンタルおよびデジタルダウンロード(OTT))、オンライン購読(新聞、雑誌)、電子書籍(一般書、教育書、専門書)、インターネット広告(オンラインおよびモバイル)、屋外広告、デジタル録音音楽の配信。
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