PwC、国連とともに、企業の災害対策に関する調査報告書を発表-企業は災害リスク削減への早急な取り組みを求められている

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  • PwCと UNISDRの調査報告書は、世界の災害多発地域でのビジネス成長により、民間企業はより多くの災害リスクにさらされていると警告
  • 災害リスク削減に向けた民間企業のさらなる参画を求めた国連の呼びかけに応え、新たなイニシアチブ(先進的な取り組み)が発足


PwC Japan

*本プレスリリースは、2013年5月20日にPwCが、国連防災グローバルプラットフォームの開催(5月19日~23日)に合わせて発表したプレスリリースの抄訳です。

2013年5月20日 - 国連国際防災戦略(UNISDR)とPwC(プライスウォーターハウスクーパース)による新しい調査報告書では、大手の多国籍企業が世界規模でサプライチェーンやインフラ、市場への依存を強めており、このような依存関係が事業継続にシステミックリスクをもたらしていると警告しています。

この調査結果は、国連が別途発表しているグローバル・リスクアセスメント・レポート(GAR13)に続くもので、「GAR13レポート」は、洪水や地震、干ばつによる直接の損失は少なくとも50%過小評価されていると注意を促しています。同レポートはさらに、今世紀の大災害による経済的損失は2兆5千億ドルを超え、これらの損失は「制御不能」であると述べており、企業は自社を守るための対策を強化する必要に迫られている、と警告しています。

UNISDRとPwCの調査報告書「Working together to reduce disaster risk」では、主要なグローバル企業14社の災害リスク管理手法や経験を調査しています。この報告書は、防災計画の分野であらゆる規模の民間企業の連携を促進するために、PwCとUNISDRが主導している新しいイニシアチブの一環として発表されたものです。

報告書に参画した企業は、自社のリスク管理活動についてパイロット評価を受けました。その結果、自社所有資産については災害リスク対策の優良事例があったものの、サプライチェーンにおけるリスクへの理解度やリスク管理能力ははるかに低いことが判明しました。

民間企業はこれまでも、災害による商品価格の上昇、サプライチェーンの混乱、資産の損失、設備の毀損などを通じ、自然災害の間接的影響が増して世界的規模で損害が拡大していることを目の当たりにしてきました。報告書では特に以下の点が明らかになりました。

  • リスク管理体制の整った企業においても、自然災害の被害を最小限に留めるには、より一層の対策が必要である。
  • 途上国の中小企業など、より脆弱な組織の場合は、単独ではリスク管理やサプライチェーンの復元をするのは困難である。
  • グローバル企業は、サプライチェーンにおいて、サプライヤーや中小企業、現地企業と共有しているリスクを考慮しなくてはならない。災害の経済的、人的影響が大きい途上国や新興国においては特に考慮が必要である。
  • グローバル企業であっても、事業展開する国の政府と災害対策の分野で積極的に連携している企業はほとんど見られない。
  • いくつかの大手企業は、リスク評価を保険業界に依存しており、投資判断の基準となる災害リスク情報へのアクセスは限定的である。

PwCのパートナーでグローバルイニシアチブのリーダーのオズ・オズターク(Oz Ozturk)は次のように述べています。

「自然災害によるリスクは事業運営の境界をはるかに越えるものです。災害による被害は、資産の損失を保障する保険の能力を超えています。企業は生産性、顧客の需要と信頼の低下、そして従業員の士気やストレスを考慮する必要があります」

「私たちがインタビューした企業は、それぞれの地域社会で単に事業を展開するだけでは十分でないことを理解しています。企業が政府や自治体と連携して協力関係を築き、共同で災害リスク管理を行うことで、地域社会によい影響をもたらしているでしょう」

今回の新しいイニシアチブは業界や規模を問わず民間企業と公的機関の連携を推進し、自社の災害対策がどのレベルにあるか、あるいはどのような改善点があるかについて把握できるよう支援する評価ツールを提供しています。

国連事務総長特別代表(防災担当)のマルガレータ・ワルストロム(Margareta Wahlstrom)氏は次のように述べています。

「多くの民間企業は、自然災害がいかに事業に影響するかについて一層の理解を示していますが、災害リスクを減らすためには、世界の企業がより中心的な役割を果たすことが強く求められています。災害による経済的損失がそのことをよく物語っています」

「一方で、災害リスク管理はビジネスチャンスでもあります。たとえば、新しい農作物保険商品の開発や、災害に強いインフラ整備など、異常気象や急速な都市化、災害リスク増大に応じて、新たなニーズが生まれています」 「最終的には人々の安全、そしてサプライチェーンのセキュリティ、経済成長の確保に関する議論になります。今回のイニシアチブは、業界や分野、規模を問わず、あらゆる企業が災害リスク管理を理解するための共通のプラットフォームを提供するものになるでしょう」

以上

注記

  1. 国連国際防災戦略(UNISDR)とPwCは、災害リスク削減に意欲的な民間企業と公共機関の連携を促進するためのイニシアチブ(先進的な取り組み)を発足させました。このイニシアチブは、双方の活動をリンクするためのプラットフォームを策定し、公的機関と民間企業の両方の分野からの専門知識を活用しています。「UNISDR/PwC災害リスク管理フレームワーク」は、企業が災害の与える影響を理解し、どのように災害対策を計画・実行するかに関し、標準的なリスク管理プロセスに基づいた具体的な行動と実用的なガイドラインを提供します。
  2. 報告書と発表イベントは、ジュネーブで、先進企業と政策担当者が参集して5月19~23日に開催された国連防災グローバルプラットフォームの一部をなすものです。
  3. UNISDRは民間諮問グループ(PSAG)を設立しています。PSAGは招聘メンバーのみで構成され、大半は民間企業出身で、一部、財団や政府出身のメンバーも含みます。諮問グループとして、PSAGは民間企業を代表し、企業側における災害リスク削減への取り組みに向け、UNISDRと連携しており、今回の報告書にも貢献しました。
  4. 自然災害による年間の経済的損失は1975年の100億ドルから2011年には4000億ドルと報告されています(出典:EM-DAT、OFDA/ CRED International Disaster Database)。
  5. PwCによる本イニシアチブへの参画にはPwC Japanも関与しています。PwC Japanを構成する あらた監査法人において、ビジネスレジリエンスのリーダーを務めるパートナー宮村和谷は次のようにコメントしています。
    「災害対策を強化してきた日本企業にとって、国内における対策や官民連携の高度化に加え、途上国を含めた海外進出先における対策も課題となっています。また、本調査に参画したグローバル企業は、進出先の各国期間や地域社会との連携・協力の重要性を理解しています。今回のイニシアチブでは、官民や国の境界を越えた連携をサポートする共通言語としてのフレームワークについても言及されており、参画企業もこのような枠組みが整い、それらを活用することで災害リスク管理の推進につながることを期待しています」
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